パリのお姫様の霊[霊子さんの心霊体験]
昔から霊が見えるという霊子さん(仮名)の心霊体験のお話です。
--------------------------------
パリへ観光に行っていた時、バスで凱旋門に通りかかった。私には、道路を歩く馬の霊が見えた。
その馬は、合戦用の鎧のような防具を付けていた。頭と胴のまわりと付けていたが、馬しか見えなかった。
ノー天気なA子にそれを伝えると、「え、お姫様はいる?王子様は?」と聞いてきた。
「馬しか見えない。」と言うと、バスはその場を通り過ぎた。
その日に泊まったホテルは、少し奮発していたので、古いが結構豪華な作りだった。
部屋でその日に見たことを話していると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。ノックだとは思ったが、力のない、弱々しい音だった。
私がドアを開けると、それは古めかしい、ロココ時代かと思う白くて大きな髪形をした、真っ白な肌で、緑とグレーの中間のような色のドレスを着た女性が立っていた。目が灰色一色で、霊だと分かった。
わっ、と思って、A子に「ちょっとちょっと、来て来て。」と言うと、「うぉー」と唸るような声を出したかと思うと、クルクルと回りながら床に消えていった。
A子が来たので、「今、お姫様が居たよ。」と言うと、「えー見たかった。」と言った。
翌日、ガイドさんが迎えに来ていた。アジアの人で男性だが、フランス語は流暢に聞こえた。
ガイドさんに「昨日ね、こんな人を見たんですよ。」と容姿を説明すると、「僕もそういう話が最近あって」と言い出した。
「僕の祖母が、シャーマニズムをする部族の人で、昔からたまに見たり聞くことがあった。」そうだ。
少し前に、その祖母をフランスに呼んで、ちょうど私たちが宿泊しているホテルに滞在したそうだ。
そこで、緑っぽい色のドレスを着た貴族の女性を見たらしい。
どうも同じ女性を見たようだ。「あれって、何なんですか?」と聞くと、今から向かうこじんまりしたお城で、伯爵夫人のような人が住んでいたんだけど、旦那さんが、なかなか帰ってこなくて寂しかったようで、護衛の兵士と関係を持ってしまったらしい。それが旦那さんにバレてしまい、護衛は死刑は免れたものの流刑になり、奥さんも幽閉されていたそうだ。
「その女性が、お城ではなく、あのホテルに出るんですか?」と聞くと、その女性は護衛の兵士と会うために、馬に乗って出かけたり、脱走したりしたそうだ。その行き先があのホテルだという。
それが見つかった時、馬は処刑されてしまった。その場所は凱旋門の近くだったそうだ。私はハッとして「凱旋門の近くで昨日馬の幽霊を見たよ。」と言った。
この投稿は、200話以上アップしてあるブログ「霊子の日記」からの抜粋です。
YouTubeにも「霊子さんの心霊体験」として投稿しています。