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パトレイバーから現職とAI時代を考える

ロボ好きとしては、ロボットアニメは押さえておきたいところ。
でも一番定番とも言えるガンダムは実はちゃんと見たことがなかった。
モノマネ芸人がアムロの声真似しているのを見ていたくらい。

どちらかというと子供の頃に見ていたのは「パトレイバー」だった。
しかもテレビ放送で見ていたワケではなく、ビデオレンタルで見ていた。
ガンダムではなくパトレイバーを手に取った理由はわからない。
今考えると、単に機体のビジュアルで選んだのだと思う。
きっかけは曖昧だが、ものすごくハマったことを覚えている。

好きだったのは、機械と人間の共存がテーマになっていること。
メインとなる機体98式AV、通称イングラムは、描かれている時代では最新鋭のもので人間の複雑な体の動きに追従できる機体なのだけど、
それを操縦する人間のクセが反映されるし、使い込むとより複雑な動きが可能となる。
主人公は機体を傷つけたくないばかりに最初は性能を活かしきることができなかったけど、機体やメンテする技術者たちを信じることで様々な困難に立ち向かっていき、機体も自身も成長していく。

そこで悪役になるのはより性能のよい機体を開発したいがためにイングラムと対戦してデータを得るためにわざと事故を起こす技術者であったり、
完全無人の機体だったり、コンピュータウィルスだったりする。

そして段々人の手を必要としない技術が発展していく。

「機械が悪いんじゃない。悪いのはいつも人だ」

人間はどうしていくべきか。
機械と向き合っている人達がカッコイイと思った。

そうして今、私は宇宙ステーションのロボットアーム管制官をしている。
「パトレイバー」は、今の仕事と少し似ている。
パトレイバーは搭乗して操作する担当と、指揮担当の二人ペアで運用する。
アームの管制官も操作担当と指揮担当の二人で運用する。
こちらは操作担当と指揮担当が入れ替わることもあるし、別の人とペアになることもある。
人によって癖があるから相手の考える事を予想して先回りしたりするのが面白いところ。
こう書くとカッコよく聞こえるけど、外から見れば単にサラリーマンがぶつぶつ言いながらキーボード叩いているだけなんだけどね。

パトレイバーと違う点は、操作担当の身体能力が機械のパフォーマンスに影響しないところだ。こちらは動かす前に入念にシミュレータ検証して決められた駆動だけを行う。
ただし、異常事態の時だけは指揮担当の合図で即座に正しいコマンドを打たなければならなかったり、ソフトウェアが検知して緊急停止するまでに時間がかかり機械に負荷がかかるので人間の判断で即座に止めるケースもある。
こういう時だけはなんだか人間としての能力が試されているように思う。

人が判断して機械の性能を信じて操作する。
それが今はとても楽しい。もっとシステムについて知って性能を活かせるようなミッションを色々やりたい。
でも最近の過密スケジュールで少しは休ませてあげたいとも思ってしまう。
ちょっとパトレイバーの主人公の泉野明に似てるかも。

と言いたいところだけど、マニュアルにないことができないと言う訓練生を見ると「甘ったれるなぁ!現場で自分が判断するんだよぉ!」と言いたくなる所とか、周りからみたらきっとすぐに暴走する太田功タイプの方かも。

人間の管制官としての困難(悪役)と言えば、やはり自動化システムの強化。
年々効率化が叫ばれ、人間が何も考えなくてもできるようなシステムづくりが少しずつ作られようとしている。
また人がミスをすればさらに開発が加速していく。
人が人を淘汰していくようで少し怖い。

でも私は進化していくシステムを補える技術者でありたい。
マニュアル通りにしかできない人ばかりならコンピュータ導入する方がコスパが良いに決まっている。
それでも人間がやる意味をもっと考えたい。

パトレイバーでも技術の発展と人間がどう向き合うか主人公も答えははっきり出せてないけど、私は人間が作ったものに淘汰されず、対等でありたいと思う。だから自分も進化しなきゃいけないと思う。

新境地を目指すためにガンダムを見てみた。
…やっぱり私はパトレイバー派だ!
正月にコミック版全巻読み返そう。

なんと人間とは不確実で操作が難しい。

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