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卒業生のみなさん、いま自由ですか?  12年後の「自由論」

こんにちは。
広報グループUです。

すっかり春めいてきた3月12日の土曜日。同窓会「木野会」が主催し、卒業生限定で、ウスビ・サコ学長の講演会がオンラインで行われました。
テーマは「自由」。

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新明窓館完成時のサコさん

何度か書いていますが、わたしは京都精華大学人文学部の卒業生です。卒業して、はや12年。いち卒業生として講演会を視聴したので、その様子を少しだけお届けします。

京都精華大学の理念は「自由自治」。
学生時代から、そして職員となった今でも、「自由とは何か」という問いは度々突きつけられ、議論にあがってきました。

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2005年に同窓会の寄付で設置された「自由自治」の石碑

だからこそ「自由」という言葉に対して、思い入れは人一倍。そんな精華生や卒業生は多いのではないかなと思います。でも、「自由とは何か、いま自分は自由なのか」を問われると、正直たじろぐ。

サコさんはそんな心を見透かすように、今の国際社会、日本社会、そして私たちは自由なのか。いつだって自分たちで鎖を作って、互いに、もしくは自分自身を縛ってしまっていないかを問いかけてきました。

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この講演会の下地となったのは、サコさん自身が担当してきた授業「自由論」。全学部の1年生約1000人が必ず受講する必修科目です。
「京都精華大学と自由」から、「女性と自由」「宗教と自由」「アートと自由」など、ときにはゲストもお招きして、様々な切り口から自由について語られてきました。

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錚々たるゲスト講師陣

この授業、私が1年生のときにはなかったので、羨ましいなと思っていました。今回、卒業生を対象に開講してもらえて嬉しいかぎり。

講演会の内容は後々動画で公開されるとのことなので、ぜひ全編ご覧いただきたいのですが、個人的に印象に残ったのは、最後の質疑応答。
チャットツールを使用した質問では、「サコゼミの1期生です」「昔授業を受けていました」と、まるで当時の教室のような雰囲気で、質問が投げかけられました。
良い質問が多かったので、抜粋して紹介します。

Q.サコさん、昔は自由きままでしたよね。今や学長ですが、悩みはありますか?

A.サコさん)学長には孤独な側面もある。リーダーという立場は、たくさんの人にアドバイスを貰えるけど、決断するのは結局自分。言葉一つ一つに責任が生まれるから、昔ほど軽々しく発言はできないかも。

Q.生まれかわれるならどこの国がいい?

A.サコさん)特定の国に所属している意識がない。「地球人」という意識なので、生まれ変わるならまた地球がいいな。

Q.学生時代にスクールバスのなかで、サコさんに服装をほめられたことをよく覚えています。サコさんが学生と接するときに大切にしてることは?

A.サコさん)学生を枠組みにあてはめず、一人ひとりに対して、その個人を理解したいと思っている。そして、決して否定をしないこと。誰かが自分の価値観を受け入れてくれた、後押しをしてくれた。そんな経験を経て、のびのびと思考を深めていってほしいですね。

卒業生ならではの温かい質問や思い出話に、サコさんの本音トークが花開き、笑顔が多い質疑応答になりました。サコさん、主催してくださった木野会のみなさん、ありがとうございました。

卒業生のみなさん、そしてこの3月に卒業するみなさん。京都精華大学で自由を獲得できましたか? いまも自由ですか?
不安定な国際社会のニュースを見て、モヤモヤすることも多い日々。それぞれ様々な思いを抱えながら過ごされていると思います。
京都精華大学ではいまでもあの場所で、より良い世界のあり方と「自由」を追求し続けていますよ。最後にサコさんからのメッセージをぺたり。

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追伸)最近の精華は、テキスタイル専攻実習棟「光彩館」の前の花(桃?)が開きはじめました。春です。

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