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進化し続けることでチャンスをつかむ。MAPPAに学ぶクリエイティブの現場

こんにちは。広報グループHです。
6月2日の木曜日、第一線で活躍するゲストから学ぶキャリア科目のオンライン授業「クリエイティブの現場」に、株式会社MAPPAのみなさんがお越しくださいました。今回は、授業の様子を少しだけご紹介します。

同社は、TVアニメ『呪術廻戦』や『進撃の巨人The Final Season』『ユーリ!!! on ICE』など数多くのヒット作を手がけたアニメーションスタジオ。お越しいただいたのは、MAPPAを立ち上げ、作品作りをリードしてこられた代表取締役社長の大塚学さん、コンテンツビジネスの要を担う取締役・ライツ事業部部長の木村誠さん、「進撃の巨人」CGディレクターや「いぬやしき」の監督として知られる演出・CGIアニメーターの籔田修平さんです。

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左:木村さん、中央:大塚さん、右:籔田さん

今回のテーマは、「クリエイターとアニメーションスタジオにおける価値の演出」。まず冒頭に木村さんから、Netflixなど海外の配信サービスの活性化により、アニメーション業界はここ15〜20年ほど激動の時代だと語られました。大きなチャンスをつかみやすい反面、ひとつのブームはあっという間に過ぎ去ってしまう。制作に関わる人たちのあり方も、その分多様化し、判断を迫られることが多いといえます。

続いて籔田さんから、「クリエイターはキャリアを積む過程で自分の仕事の価値と値段を、自分で決められるようになるべき。(自らに投資する期間から、その投資を回収する期間への移行を意識する。)」と力強い助言をいただきました。学園祭や卒業制作展などで売られている作品には、たまにびっくりするような良心的な価格が付けられていることも。かといって、高く付けすぎて手にとってもらえなければ本末転倒……。学生たちにとってはまさに悩ましい課題だと思います。「業界の相場に流されるだけでなく少しずつ自身が納得できる価格を主張していかなければ、クリエイターは自分自身を守っていくことが難しくなる。」というメッセージも、あらためて真剣に考えるきっかけになったのではないでしょうか。

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代表の大塚さんはMAPPAについて、「時代が求めるものに柔軟に対応できるスタジオでありたい」と語られました。特定のスタイルや個人のクリエイターの資質に頼るよりも、ひとつの作品をしっかりいいものに仕上げる。そこで集まった評価やクリエイターから、また次の作品につなげていく。例えばアメリカと比べると、日本のアニメーション企業はまだまだ規模が小さい。もっとしっかりビジネスとして成り立つように、クリエイターの環境を整えるためにも進化していきたい…。世界を活躍のフィールドに見据える同社ならではの、スケールの大きいビジョンです。

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最後は学生からの質疑応答。「制作進行などバックオフィスの仕事に興味があります。必要な資質はなんでしょうか?」という質問には、「制作進行は、バックオフィスではなくクリエイティブ。主役の一人です」という回答が。わたし自身も裏方のお仕事というイメージを持っていたのですが、どんな役職でもクリエイティブであり主役として働いているからこそ、クオリティの高い仕事が生まれるのだなと思いました。ちなみに求められる資質としては、品質と条件面でのバランスが取れる人。制作進行を経て、監督やプロデューサーになるケースも多いそうです。

ちなみに、同社で働きたい!という学生からのさまざまな質問にも「ポートフォリオ(作品集)で重要なのは『量』。ラフでも良いので、とにかくいろんな絵を見せて欲しい」「シーンで何が求められているのかをしっかり読み取る読解力が重要」「次は何が求められるか探求できる人、そこに向かって日々変化できる人を歓迎する」などなど、たくさん回答くださいました。

会のなかでは、想像していた以上に包み隠さず、業界のシビアな面やクリエイターが考えていくべきことまでお話しいただきました。視聴していた学生たちは、どう受け取ったのか気になります。アニメーション業界をめざす人以外も、これからの制作活動について考えるうえで、たいへん参考になったことと思います。大塚さん、木村さん、籔田さん、ありがとうございました!


おわり