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町中華の「味」を伝える電車広告

こんにちは。
広報グループUです。

私は大学まで、叡山電車で通っています。
終着の出町柳駅から京都精華大前駅までコトコト17分。京都の街並みを感じるローカル線は学生時代からお気に入り。

その電車に、9月9日から気になる車内広告が現れました。

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見ているだけで、じわと涎がでる中吊りポスター。
関西の「町中華」をテーマにした広告シリーズです。

「町中華」って行ったことありますか?
チェーン店ではない、一店舗だけの中華料理屋さん。京都をはじめとした関西圏は、じつは町中華の歴史もある町です(『京都の中華 (幻冬舎文庫)』という本が面白いのでおすすめ)。
その町中華を一店舗ごとに紹介している広告ポスター。乗るたびについ読み込んでしまいました。

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このポスターを制作したのは精華生。
デザイン学部グラフィックデザインコース3年生の大西はなさん、金子茉央さん、揚理人さん、大井勇星さんと、デジタルクリエイションコース3年生 森田啓史さんの5名です。学科共通授業「広告プロジェクト」で、この町中華の広告に取り組みました。

4月に先生から「"町中華"の広告を考えなさい」とだけ指示を受けたメンバーたち。
「町中華ってなんだろう…」と戸惑い、まずは食べるところからスタート。何店舗にも足を運んで、リサーチがてら食事をしたそう。
そうしているうちに気が付いたのは、各店舗それぞれのおすすめ料理やメニューだけでなく、店構え、常連さんや店長の人柄にまで、「味」がある町中華の魅力。
「レビューサイトの★の数では伝わらない、町中華の味わい深さを伝えたい」、その想いが、今回の広告の柱になりました。

広告発表の方法も、自分たちで考案。イベントの開催や、冊子の制作など様々な案のなかから、より多くの人に見てもらえる電車広告として発表したいと考えました。先生にも協力してもらって、メンバーも普段から乗車している「叡山電車」での発表が決定。

方針が決まって実制作に進んでも、様々な苦労が待ち受けていました。
今回の広告、制作枚数は54枚。なんと100店舗近くアポイントをとり、そのうち54店舗を訪問して取材・撮影。1店舗ごとにポスター化しています。

全員、撮影も取材もほとんど未経験だったとのこと。
「どんな角度で撮影し、どのような内容を聞き取るのか、企画を詰めずに取材をスタートさせてしまったことで、何度もやり直しが発生しました…」「出来上がった写真の画質の悪さに驚いたこともあったよね」と、苦笑いをしながら振り返り。
お蔵入り原稿もたくさんあるんです、と見せてくれました。

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お蔵入り原稿その1(これはこれで良い)

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お蔵入り原稿その2(これはこれで良い)

何度も微調整を重ねて、ときには先生にアドバイスをもらいながら、8月まで制作をつづけました。

完成したポスターがこちら。

町中華データ(広報用)_ページ_04

町中華データ(広報用)_ページ_09

大きな中華鍋に使い古されたキッチン、渋い店長さんと、その声が聞こえるかのようなキャッチコピー。魅力的なポスターに仕上がりました。
※ちなみにこのポスター、すべてのお店で「チャーハン」の調理風景を撮影したのもこだわりポイント。溶き卵が美味しそう。

「町中華電車」は、9月29日(水)まで運行予定です。
大雨による土砂崩れの影響で、1年半ちかく鞍馬⇔市原間が運休していた叡山電車。19日からは、鞍馬行の路線が再開します。叡山電車にお乗りの際は、ちょっと視点をあげて、広告を見てみてくださいね。

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企画、取材、撮影、デザイン、コピーライティング、プリントから設営まで、すべてを自分たちで行った「広告プロジェクト」。おつかれさまでした!将来どんな道に進んでも、役に立ちそうな経験です。

そして、緊急事態宣言下のため、京都以外のエリアで取材をさせてもらった店長さんたちには、御礼をこめて、広告データを冊子にまとめて送るらしいです。エライ。

今週からいよいよオリテが始まります。ひさしぶりの大学までの道のり。叡山電車にのるときは、ちょっと見上げてみてくださいね。