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「立派な目的がないと留学なんてしてはいけないと思ってた」、アメリカ留学中の学生に聞きました

こんにちは。
広報グループUです。
みなさん、お元気ですか?

今日のおすすめ本は『恋するアダム』(新潮クレストブックス、著:イアン・マキューアン)。主人公の男性が購入した、最新型アンドロイドのアダムが、主人公の想い人に恋をしてしまうSF小説です。限りなく人間に近いアンドロイドの描き方に、そこはかとない不気味さを感じつつ、そもそも自分が自分のことを人間と信じている根拠は何なのかを考えてしまいました。イアン・マキューアンは、面白い小説しか書けない星の下に生まれたのかな?と思うほど、どれを読んでも面白いのでおすすめです。

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最近、アメリカに留学中の学生とZoomで話して、すごく勇気をもらったので、みなさんにも紹介させてください。

グラフィックデザインコース4年生の加藤千恵子さん。
2021年1月から6月まで、アメリカ・ニューヨーク州にある「バードカレッジ(芸術学部)」に交換留学中です。

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留学先で出会った学友たちと(一番左が加藤さん)

アメリカの学生に混ざってドローイングや版画の授業に取り組んでいるそう。今でこそ「本当に留学して良かった、帰りたくないくらい」とにこにこ喋っていましたが、「ここに辿り着くまでは、たくさんの勇気を振り絞ってきたんです…」と、正直に話してくれました。

加藤さんが留学に興味を持ったのは大学3年生の前期。
どちらかというと「シャイで人の目を気にしてしまう、引きこもり体質」という加藤さん。留学なんて考えられなかったそう。そんな自分を変えたい、このまま同じ場所に居続けても成長できないと一念発起し、留学を決意(この時点でエライ)。

とはいえ、決意した後もしばらくは「こんな自分が行っても大丈夫だろうか…」と悩んでいたそう。そんななか1冊の本『パリでメシを食う。』に出会います。パリに住む様々な日本人へのインタビューをまとめた1冊。リアルな渡航の体験談を読んで、「立派な目的がなくても留学していいんだ」と、目から鱗が落ちるような思いをしたとのことです。

留学を決めてからはバタバタと準備に追われました。片道2時間の通学時間に英単語を覚え、学内の国際交流スペース「iC-Cube」に通って留学生から英会話を学び、その傍らグラフィックデザインコースの課題をこなし…と、忙しい日々を過ごしたそう。ほんとにすごい。

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バードカレッジのある街、アナンデールオンハドソンは自然豊かな環境

そんなに頑張った加藤さんでも、最初の2か月は苦労の連続でした。
英語が聞き取れない、アメリカ人の学生のように自分の意見を上手く伝えられない。悔しくて、帰り道に涙がこぼれたこともあったそう(そんな加藤さんの姿を想像するだけで胸がぎゅっとなります)。

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でも、自分の意見をしっかり伝えられるアメリカの学生たちも、実はシャイな一面を持っていたり、勇気を出して発言したりしてるんだな、と気づいていきました。「色が好き」「いいアイデアだね」と、小さなことでも声にだして伝えると、すごく喜んでくれると気づき、今は些細な事でも言葉にして人に届けようと頑張っているそう。

私も人前で自分の意見を言うのは苦手な方なので、加藤さんが感じた不安はよく分かります。アメリカの大学って、みんな生き生きと自分の意見を言いそうだな、そんななかで自分の意見を言うって緊張するなと勝手に想像していたのですが、「日本の大学と同じように、シャイな人も多いんですよ」と教えてもらって、自分のなかの偏見で怖がっていたなと反省しました。

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実は加藤さん、滞在中の出来事をイラストにして記録しています。日本に帰ったら1冊のZINEにしますとのこと。読むのが楽しみです!

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その後も「今はオンラインでできる就活も多いので、アメリカから就活しています」とか、「英語への抵抗感が減ったので、海外のYoutuberなど楽しめるコンテンツが一気に増えました」とか、次々に出てくるエピソードに、「えー!すごい!」と驚きの声を挙げっぱなしでした。

もともとは引っ込み思案だったという加藤さんが、「正直すっごい大変だった…」と振り返りながらも、「でも留学して本当によかった!」と爽やかに笑っている姿を見て、挑戦するってなんてかっこいいんだろう…と、じーんとしてしまいました。

あと、意欲があれば3年生からでも留学に挑戦できる!
これもちょっとびっくりでした。

加藤さんの経験談が、留学してみようかな、気になるなと思ってる人の後押しになったら嬉しいです。私も加藤さんの話を聞いて、ちょっと怖いと思っても、興味があることに足を踏み出してみようと勇気をもらいました。留学に限らず、「自分にできるかな…」と迷っていることがあったら、ぜひ怖がらずに挑戦してみてくださいね。

(記事中の写真やイラストはすべて加藤さんから提供いただきました)