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先生たちの春休み

こんにちは。
広報グループのUです。

精華は3月末まで春休みです。大学の春休みは長く、約2ヶ月。
在学生は、きっと制作や研究、アルバイトなど忙しく過ごしているのかな。

実は事務局は春休みが一番忙しい季節。
成績管理や新年度の準備、卒業式や入学式の準備などなど、朝から晩までばたばたしています。

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では先生たちは、授業がないあいだ、どう過ごしているのでしょう。
今日は芸術学部、マンガ学部、人文学部の3名の先生の様子をご紹介します。

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まずは、芸術学部テキスタイル専攻の鳥羽先生の春休み。ここは、テキスタイル専攻が使用する建物「光彩館」の水洗い場です。なにやら布を洗っている様子…。

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鳥羽先生は学内の工房を使用して、ご自身の作品制作をしていました。

鳥羽先生が用いる技法は、千年の歴史を持つ日本の伝統技法「型染め」。
色ごとに緻密な模様を彫った型紙をつくり、型紙を布にあてて糊を塗って、染めて、洗って、蒸して…の作業を繰り返す、集中力と根気のいる手法です。

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「舟出」 白山紬 型染め 1850 × 8630 mm 8面襖 2014

こちらは鳥羽先生の2014年の作品。襖8面に渡る大きな作品です。
染織作品の特長は、色の鮮やかさとその大きさ。息を飲むほどの美しい作品の裏側には、地道な手作業の積み重ねがあるんですね。

春休みとはいえ、まだ寒い時期。冷たい水で布を洗うのは大変じゃありませんか?と聞くと「時間や手間がかかる分、完成した時の感慨もひとしお」と、にこやかに仰っていました。
春休みを使って制作した作品は、個展に出展されるそうです。楽しみ。

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さて、お次はマンガ学部の先生を紹介します。

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カートゥーンコースの榊原先生は、春休み期間を使って個展を開催中。

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対戦ゲームの画面をイメージして描かれた一コママンガの作品がずらり。登場人物は歴史上の人物や、街の通りを擬人化したキャラクター。背景は実際にある地方の街並みです。

こちらの作品の対戦者は、狩野派の画家・狩野芳崖 VS 近代日本画を築いた巨匠・横山大観。

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細かく描き込まれた作品たちには、隅々まで魅力が詰まっています。
試合を見る観客のライブチャットのなかには、狩野派の代表画家「EITOKU KANOU(狩野永徳)」が混ざっていたり、「通行手形(江戸時代の通行証)」をICカードのように使っている人がいたり。ニヤニヤしながら眺めました。

これだけの知識やアイデアが詰まった作品。どうやって思いつくのでしょう。
榊原先生曰く「普段から本を読んだり、美術作品に触れて蓄積した知識が、自然とアイデアに繋がっている」とのこと。「マンガやゲームなど現代の文化も、ルーツを辿ると必ず日本画や古い美術に繋がっていくんですよ」と仰っていました。
なるほど。京都には過去の名作に触れる場所がたくさんあるので、春休みに訪ねてみるのもいいですね。
※精華生は「京都国立博物館」は、学生証を見せると料金割引になりますよ!

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最後は人文学部の先生を紹介します。
研究室を訪ねると、なかから英語が聞こえてきました。

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人文学部の阿毛先生(2021年4月からグローバルスタディーズ学科の先生)はオンラインで英語会議の真っ最中。

阿毛先生の研究テーマは「セネガルの宗教と政治、教育」。
研究室にはアフリカを感じる楽器や布がたくさん。

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いずれはアフリカンダンスサークルを作りたいと話す阿毛先生
※撮影の瞬間だけマスクを外してもらいました

阿毛先生は、普段は現地調査(フィールドワーク)の手法を使って研究していますが、2020年はアフリカ訪問がかなわず、オンラインを活用して調査をしているそうです。
日本在住のムスリム(イスラム教信者)の方への取材や、海外の宗教メディア、アフリカとのオンライン会議などを通じて調査し、論文執筆に取り組んでいるとのことでした。
ちなみに、現代のムスリムたちは、YoutubeやinstagramなどのSNSを駆使して、その文化をヒップホップなどの音楽や映像、美しい写真で紹介しているそう。日本ではなかなか知る機会が少ないイスラム文化。とっても楽しそうに紹介してくれる阿毛先生の話を聞いていると、既存のイメージがどんどん覆っていきます。

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実は、マンガを読むのも、なんと描くのも好きという阿毛先生。
研究室には、コートジボワールのマンガ(写真右)と、フランス語版のつげ義春のマンガ(写真左)が並んでいました。渋い!

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それにしても、どの先生も、授業期間、もしくはそれ以上に忙しそう。
正直、授業も休みだし、先生たちもたまにはのんびりしてるかな~なんて思っていました…。

長期休暇は、先生たちにとって貴重な個人研究・制作の時間。ご自身が表現者として追究していることが、日々の授業に活かされてるんですね。
春休みがあけたら、先生たちに「何をしてましたか?」って尋ねてみてください。話を聞いているだけで、新しい世界がひろがっていきますよ。

ではでは、みなさんの春休みが楽しい時間になりますように!