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【のぞき見】アセンブリーアワー講演会追加特別企画 !「細田守監督との座談会」

こんにちは、広報グループMです。
先週5月12日の木曜日、「アセンブリーアワー講演会」が行われました。

アセンブリーアワー講演会は、大学が開学した1968年から行われているトークイベント。分野を問わず、時代に残る活動や世界に感動を与える表現をしている人をゲストに迎えています。

今年度初めてのアセンブリーアワー講演会は、映画監督の細田守さんがゲストでした。

5/12アゴラホール&配信で開催。司会はマンガ学部の吉村先生

講演会の内容については、大学Webサイトにレポートが掲載される予定です。しばしお待ちください。
その翌日13日に行われた、細田守監督と本学学生との座談会をのぞいてきましたので、そちらを先にご報告できればと思います。(手元のメモから書いていますので、言い回し等は私の編集が含まれていることをご了承ください)

座談会は「細田監督と語り合う」という主旨で、質問と作品を添えて応募した約90名から選ばれた本学学生8名が、細田さんに質問を行いました。

本館の教室で開催。司会はメディア表現学部の大下先生(右)

細田さん曰く「学生がどんなことを考え、作品を作っているかを知りたいので、話を聞く会を設けた」とのこと。学生たちは緊張しながらも、自身の作品について説明し、細田さんに質問をしていました。

芸術学部日本画専攻の4年生は「ずっと自分をなぐさめるために絵を描いたり、作品をつくってきました。だけどゲームを作ってみると、人に遊んでもらい楽しんでもらうことが前提にあるので、自分自身が描きたい、美しいと思う部分を削ることも少なくありません。細田監督はそのバランスをどう取っていますか?」と質問。
細田さんは作品を見ながら「ポップでメジャー感覚のある絵なので、多くの人から受け入れられるように思える。バランスを考えるより、逆に、もっと人には見せられないような絵を描いては?」とアドバイス。「人の目を意識して描いていると、つまづいたときに立ち上がりにくくなる。人間も同じ。他者を意識してばかりいると、何かあったときに立ち上がれない」と。

デザイン学部デジタルクリエイションコースの4年生は、「細田監督が新人アニメーターに求めることとは?」という具体的な質問。

細田さんの回答は「一緒に働いている人が、この人はこれが強みなんだな、と分かること」。例えば「絵が上手い」でも良い。
質問した学生のクロッキー(動画を見ながら描いたそう)について、「人間をよく観察していることが分かる絵でとても良い。独自の印象が加えられた生き生きした絵なので、この絵が強みになる」とコメントされていました。

また、具体的に就職したいアニメーションスタジオの名前が挙げられると「〇〇〇は合ってそう」「東京の〇○〇には興味がないの?」といろんな制作会社の名前が飛び交いました。

このあとも続々と作品紹介とアドバイス、質疑応答が行われました。

音楽制作をしている学生からは「〈まだ誰もやったことないこと〉や〈まだ誰も見たことのない景色〉は存在すると思いますか?」という質問。
細田さんは「あると思う。制作をしていると、知識が増えるほど、やればやるほど、先人の偉大さを目の当たりにして、新規にやることは残っているのか?と思って追い詰められることがある。でも、絶望を味わってもあきらめずに続けてほしい。過去に同じようなものがあったとしても、時代が違う。時代背景が違うと新しい解釈が加わる。やり続けて極めると、新しい風景が見えるはず」と力強く回答されました。

ほか、マンガ学部の学生からは、「自分の作品を他者に見せるのが苦手です。細田監督にとって〈人に自分の作品を見てもらう〉とはどういうことですか?」という質問も。
話題は「SNSは活用すべきか?」に及び、会場にいた学生からは「いろんな人の意見をもらえるから出すべき。でも否定的な意見はスルーすればいい」というコメントも挙がり、盛り上がっていました。細田さんは、「いまはSNSに作品を出さないと。否定されることを恐れるのはおかしいことではないけれど、良い作品を見つけたい人に見つかるようにしておいた方がいい。こわくても出すべき」と、はっきりと述べられていました。

細田さんの言葉はひとつ残らず、作品をつくるひとから、作品をつくるひとへ向けた言葉でした。会場の空気はとても暖かく、学生たちは素直に自分の作品について語り、コメントをしっかりと受け止めているように見えました。希望に満ちた空間でした。(参加できなかった人、ごめんなさい…)

最後は見学者(応募したけど質問が採用されなかった人)も含めて、集合写真。

撮影時だけマスクオフしました

参加した学生が、きょうの細田さんの言葉を思い出すのは、たぶん制作の壁にぶちあたった時だと思います。後ろで見ていただけの私も、行き詰ったときに思い出しそうな言葉がいくつかあります。ありがとうございました。

細田監督と主演の中村佳穂さんのサインが入った貴重なポスターは
広報グループ(本館2F)にあります!

おわり。