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ニート校長、トラックメーカーになる。Episode8:DTMの基礎〜サンプリング編②〜

前回のあらすじ・・・

MIDIでの楽曲制作を終え、続いてトラックメイクに深く関わる技術『サンプリング』の領域に足を踏み入れた校長。

まずはじめの一歩として、「サンプリング元データ×1曲+Drum打ち込み」での楽曲まるまるコピーを完成させる。

続く今回は少し難易度が上がるぞ。
いけるか校長!やれんのか校長!

これはKYOTO NEST学校長hatch=ドラム以外なにもわからないアラサーが、KYOTO NESTのDTM科AGURA先生に教えを乞いながらDTMerを目指す物語…!

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サンプリングの難度と、レッスンの目的


前回書いた通り、サンプリングと一言で言うにせよ、

①まるまるそのまま
②テンポを変えて
③ピッチを変えて
④全部変えて

と、いろいろある。
そしてこれは数字が増えるほどコピーの難易度も高くなると思っている。


だってそうじゃない?

フレーズのテンポが変わっても、元曲の印象というものはそこまで変わらないが、ピッチが変わると印象もグッと変わる。

よく、HIPHOPのこの曲の元ネタはこれだ!みたいなことを解析しているブログがあったりするけれど、本当にすごいと思う。全然わからない。本当に。


A「次の課題はこの曲。使われてるのはこの曲とこの曲とこの曲。どこが使われてるかはググってもいい!」


こういう時は意地が出る。ググらずにやっちゃう。
元ネタ曲を聞きまくりながら、だいたいどのあたりが使われてるであろう、というところをピックアップしていく。


正直、今になって思うと、この力って別に作曲には必要ない力だったりするのだ。


あくまで今やっているのは既製の楽曲の再現であり、自分は再現屋になりたいというわけではない。
今自分は既存曲の再現を通してDAWソフトの操作方法を学んでいるのであって、今になって思うとだが、「全然ググってよかったな」なのだ。


こういうところでも、講師の言うことは正しい。


トランスポーズ


MIDI音源の場合はピアノロール画面でノートを縦方向にイジイジすれば音源のピッチを変えることができるが、オーディオ音源の場合はそうはいかない。MIDI音源はいくつかのノーツの集合体として画面上に存在するが、オーディオ音源は波形として存在する。そもそもの存在の仕方が違う。

なので、存在の仕方が違うものに対してはその加工も別の仕方を採らなければいけない。

オーディオ音源の場合、トランスポーズという処理を行う。

必殺技のような響きだが、前回軽く触れたが要するに日本語で言うと「移調」だ。調を移す。つまりその音源全体の音程を変える。


話が変わるが、


DAWソフト、カラオケの上達にも繋がる。間違いなく。

校長、カラオケが好きで、だが高い声が出ない。
なのでどうするかと言うと、キーを変えて歌う。

ただ、どのキーが自分にドンピシャなのかは、出たとこ勝負なのだ。正直。



女の子とカラオケに言って、いざ、聴いたことはあるけど歌ったことがない最近超流行りのあの曲とかを初見でええ感じで歌おう、あーでもキーが合うかわからない、確実に自分ではこの高さが出ないことだけはわかる、うーーん3くらい下げていってみよか、(イントロが流れて)うーーわ全然音とれへん地獄や


みたいなことが起こる。


DAWに音源つっこんで、トランスポーズであらかじめ自分にドンピシャなキーが分かっていれば。


この地獄から逃れられるのではないか??


みんな、DTMはじめよう。



続・トランスポーズ


話が逸れた。

トランスポーズは音程を変える。

まず元ネタのサンプリング箇所をトリミングし、テンポを揃えて、既存曲と並べる。自分の場合はだが、パン振りをして、Lから既存曲、右から元ネタが流れるようにする。

しばらくは両耳からそれぞれ異なる音程が流れてくるという新手の拷問のような状態になるのだが、元ネタをトランスポーズしていき、バチィっとハマる音程を探す。そこでひとつのリフが出来上がるのだ。

HIPHOPのトラックは(一概には言えないが)2-4小節を一塊とした繰り返しであることが多いから、バチィっとハマったリフのリージョンの右下端をびーーーーーっとドラッグしてリピートさせる。

まだ全然完成からは程遠いのに「おうおう、できてきたやないか」とか思いながら聴き進めていき、また「違う」ところが現れたらそこを解析する。どの曲のどこからサンプリングしているのか、ということである。

そしてそれだけではなく、別の曲からサンプリングしているということは、同じ幅のトランスポーズをすればいいわけではないということも念頭に置かなければならない。

様々なテンポ、様々なキーの曲を、一つの新しい楽曲のテンポ・キーの中に落とし込んでいくのがすなわちサンプリングなのである。


合わせ技


順調にコピーを進めていくが、一箇所だけどうしてもわからないところがあった。


元ネタ使ってるねん。


それは間違いないねん。


けど、ベース以外の音がミュートされてるねん。


要するに元ネタの音源のベースのみが使われている箇所があるのだ。

でもその元ネタを隅から隅まで聴いても「ベースだけ」のところがどこにもないのだ。


「えっ、Logicってオーディオ音源からベース以外ごっそり削り取るプラグインあったり・・・」しない。するわけがない。


どうしてもわからなかった。

そしてAGURAに聞いた。



h「ここ、ベースだけ残ってて他全部ないんですけど、元曲のどこ探してもベースのとこだけって無いんですよ!!どうしたらいいんですか??」


A「ベースだけ別で打ち直してんちゃう?」




あ、

あぁ〜〜〜〜…。



盲点だった。


かくして、曲が完成。


次回へ続く。

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