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長野へ

2022年7月25日

翌日の会議に前乗りすることにしたのは、これまで蒸溜所を見たことがなかったので、途中にある、でもクルマでしか行けないところへ寄ってみようと思い立ったため。CO2を出しまくるのはいささか気が引けるんですが、ごめんなさい。

日本のウィスキーと言えば、竹鶴政孝の余市蒸溜所、鳥井信治郎の山崎蒸溜所が思い浮かびますが、このマルス信州蒸溜所

は、竹鶴政孝の最初の就職先の上司で、彼をスコットランドに送り込んだ岩井喜一郎が、彼の娘婿の実家(本坊酒造)で始めたウィスキー事業の系譜に連なるものなのだとか。

蒸溜所全景
山間リゾート地の中にある感じです
蒸溜器
1仕込みで1トンのモルトを使うと聞いています

いまはジャパニーズウィスキーブームで、輸出額(400億円超)は右肩上がり。それにあやかろうと、いまは全国にこうした小規模な蒸溜所が、月に一つは新しくできている状態と聞きます。

原料となる麦芽(モルト)の入ったバッグ
英国産です

まぁでも、こちらとしては、原料となる麦芽(モルト)のことが気になるので、見学通路の端のほうからチラ見えるフレコンバッグをみて、そうかー、とか思うわけです。

Crisp Malt社

はおそらく日本のウィスキー蒸溜所にとってもっともポピュラーな製麦会社。1870年創業ということは、竹鶴政孝がスコットランドにいたころ(1918-20)にはとっくにあったことになります。

ジャパニーズウィスキーは、竹鶴の始めた「スコッチウィスキーを日本で造ったらこうなる」というものからスタートしているので、英国産の麦芽(モルト)を使うのは「本物志向の表れ」とうっかり考えてしまうのですが、そときの「本物」ってなんのなのか。英国の原料を持ってきて、日本で造ったものを、また英国に持って行って賞を獲る、というのとは別の選択肢が、国産麦芽によって生まれるんじゃないか、という話をしに長野に来たんでした。

(表題写真は、長野市へ行く前にSAにだけ立ち寄った諏訪湖)