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『人生の意味の心理学』【新人読書日記/毎日20頁を】

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#心理学

意味の有無を判断する基準を疑え【新人読書日記/毎日20頁を】(14)

「人生の意味の心理学」260-277頁、読了です。 知らないうちに、本を読み終え、最終回を迎えました。 理論から実証まで、心理学専門分野の学術書ですが、素人ながらも面白く思って、いろんな啓発を得られました。人生の意味は何と直接に結論は出されてはいないものの、自ら人生の意味を見出す考え方、方法を教わるとしたら、適用性、実用性の高い本だといえるのでしょう。 私たちは、生まれてから、大人になるまで、社会や家庭からいろんな価値観を与えられます。公に認められているものだけに、意味

意識しながら行動しよう【新人読書日記/毎日20頁を】(07)

「人生の意味の心理学」121-140頁、読了です。 この20ページで、作者は人生の意味の反対である実存的空虚について語っています。 「意味の源」が多様であること、「意味の幅」が広いことが実存的空虚の低さと相関するという論点は、すごく啓蒙的だと思いました。つまり、この人生で追求していることが多ければ多いほど、人生が充実し、虚しさが減っていくと私はこう理解しています。当然、ここの追求は動物的な欲求に限られるものではなく、2章で語られている意味の源のように、「健康」、「関係」、

休日の旅行者のように【新人読書日記/毎日20頁を】(03)

「人生の意味の心理学」41-60頁、読了です。 この20ページを読んで、心理学が哲学から発展したということを初めて知りました。 Wikiで「心理学」のページを参照すると、「ギリシャ哲学からの起源」があります。心理学が存在しなかった時代の賢人たちの魂/心についての考察が一番オリジナルで素朴な認識と言えるようですね。 「人生の意味を考えるのはリビドーが満たされていないからだ。」と考えるフロイトから、「人生の意味が問われるのは人間の本質的な欲求だ。」と考えるフランクルまで、心

神様が死ぬ前の世界を見てみたい【新人読書日記/毎日20頁を】(02)

「人生の意味の心理学」21-40頁、読了です。 ここで著者は人生の意味について今までの哲学の観点を概観しています。有神論者と無神論者の人生の意味の定義は完全に違いますね。 この辺りを読むと、ニーチェの言葉「神は死んだ(GOD IS DEAD)」を思い出します。この言葉は神様を信じる人には人生の意味の答えも揺るがすものだったかもしれませんね。自分に人生の意味を定義し、与えるその神自体が存在しないとすれば、人生も一瞬にして充実から虚無に一転します。さすが「徹底的な虚無主義者」

あのう、人生の意味を考えたことありますか?【新人読書日記/毎日20頁を】(01)

「人生の意味の心理学」1-20頁(序章)読了です。 みなさん次のような瞬間を体験したことがありますか? 何という理由もなく、ただ、突然自分の存在価値が疑わしくなり、自分はなぜここにいるのだ、なぜ今これをやっているのだ、頭の中の得体の知れない声に迫られて、急に虚しさに襲われ、沼に引きずり込まれたように気分が落ち込む……そういう瞬間。 私は時々あります。 全てが虚しくなり、その時の到来の予感に常に怯えています。 人生の意味は一体何でしょうか? トルストイもこの難問にはお手