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寄席を支配する【お囃子】

第5回のテーマは【お囃子】
この記事はお囃子隊長の葵家尻團治(あおいやけつだんじ)が担当する。パンデミックのせいで止むを得ず部屋に籠り、ゲームに没頭する日々である。休憩がてらにお囃子について記す📝

お囃子は千年もの歴史を持ち、落語に用いる寄席囃子だけでも三百年以上の歴史がある。このような代物をただの学生である私が15分程度で扱うことは甚だ困難である(この記事の作成の所要時間が15分の予定であることはご容赦頂きたい。さっさと書き上げてどうぶつの森をしたい)。また、たとえ私がお囃子の専門的研究者であったとして、新入生をはじめとする当落研に興味のある方々がお囃子の詳細な歴史等に興味のある可能性は、私がお囃子の専門的研究者である可能性よりも低いと思われる。(万が一にも興味のある方がこの記事を読んでいる場合、その方は独学で知見を広めて私に講義して欲しい。4月中はオンライン希望。)
したがって、お囃子について以下の項目の順に出来るだけ簡潔に説明したい👇


①お囃子とは何か
②京大落研のお囃子

たった2つの項目ならば数字をあてる必要はないが、とりあえず始めよう🪕


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①お囃子とは何か
お囃子(寄席囃子)とは
三味線・太鼓・笛・鉦(かね)などを用いて、舞台脇の下座と呼ばれる場所で奏でられる音楽
である。

https://youtu.be/8A8en0GZ970
例えばこちら。(転載許可取得済)
左から順に鉦・三味線・太鼓・笛。
これは「石段」という曲で、寄席の前座が上がる時に演奏される。高校時代に軽音部に入っていた人がELLEGARDENを必ず知っているように(?)、落語の界隈にいる人は必ず知っている。ちなみにこの動画の演奏はチョー上手い👏


私の好きな曲は「野崎」。八代目桂文楽の出囃子という印象。落語家は高座へあがるときに特定の出囃子をかけるので、ツウな人は曲を聴くだけで次の演者がわかる。ちなみに当落研でも希望の出囃子で高座へあがることが可能だが、その為にはお囃子隊長への相応の感謝または菓子折りが欠かせない。私は未だにどちらも頂いたことがない🤔



多くの方はお囃子のことを「演者が高座へ上がる前に鳴っている音楽(=出囃子)」と認識しているだろう。しかし、お囃子の役割はそれだけではない。寄席が寄席として成立する為にお囃子は必要不可欠なのだ。なぜならば、「お客様に寄席の開場,開演,仲入り休憩,終演をお知らせする 」この肝心な役割を果たすのもお囃子なのだ(ex.一番太鼓,砂切)。


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↑一番太鼓を叩いている(推定)。寄席の開場を告げる一番太鼓の音はドン,ドン,ドントコイ。


更に、演目中の情景描写や心理描写をお囃子によって行うこともある。こちらは「ハメモノ」と呼ばれ、音響のSEやBGMにあたる。

https://youtu.be/saf5IupXyyA
(転載許可取得済)



縁の下の力持ちなんて言葉は相応しくない。お囃子が寄席の支配者と呼ばれる程に重要であることを理解してもらえただろうか👌


では次


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②京大落研のお囃子
当落研は原則として全部員がお囃子に関わる。言い換えれば、各々が何かしらの楽器を演奏する。もちろん9割以上の部員が和楽器未経験者だが、それでも形になるような簡単な曲ばかりなので心配無用。たとえ完全な形にならなくても努力が認められれば良い。本番で少し失敗しても演者はそれを笑いに変えれば良い(私の出囃子でなければ尚のこと良い)。
当落研では楽器ごとに三味線・太鼓・笛の3班に分かれて先輩の指導の下で練習をする、といっても定まった練習日があるわけではないので負担は小さい。ちなみに鉦は稀に使う。
「自分は芸を磨く為に落研の門を叩いたのだ!負担が小さいとて楽器をする暇など断じてない!」と腹を立てている君。君のような志を抱いて入部した者が既に数多く在籍しているが、その殆どは和楽器を鳴らす楽しさ・部員と息を合わせてグルーヴを生む心地よさ・賑やかな音楽で演者を送り出す晴々しさの虜になっているのだ。そんな気がする、いや、そうであって欲しい。
「わざわざ生演奏せずにスピーカーで音源を流せばいいのでは??」と気付いてしまった君。君のような勘の良くて合理的思考がてきる人間は社会的に大成する将来が約束されている、あるいは既に大成を遂げているだろう。願わくば今すぐ国会に乗り込んで日本を変えて欲しい。君ならできる。ジョニミッチェル。とここまで称賛した理由はひとつ、私も入部当初に同じ疑問を抱えたからである。そして悲しいことに、今も私はその疑問を完全には拭い取れていない。更に悲しいことに、社会的大成も遂げていない。だがしかし、お囃子が楽しいことは確かである。お囃子の理解が落語の理解につながっていることも間違いない。あとはどうか、大学生活で和楽器を堪能できることに意義を見出して欲しい。素敵じゃないか👍


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下座で演者と目が合うことも👀



最後に、各楽器隊の隊員から担当楽器の魅力を伺ったので以下に載せる。たぶん原文ママである。

〜三味線〜
三味線の魅力はお囃子の花形であること!!
曲のメロディを弾くから否応なく目立つし、好きな曲のメロディは弾いていて楽しい!お馴染みのポップスや童謡も三味線で弾くんだ!例えば米津玄師のパプリカ、ゲゲゲの鬼太郎、幸せなら手を叩こう、とか。中にはミッションインポッシブルのテーマで高座へあがる人もいる笑。音感の良い人はぜひ三味線へ。採譜をして新曲を量産しておくれ!!
他の魅力は、ハメモノ以外は三味線2丁で弾くからあまり失敗が目立たないことかな…笑。
興味のある人は共に吉田兄弟を目指して練習しよう!!!!


〜太鼓〜
太鼓の魅力はたくさんありますけれど、私にとって1番の魅力は思いっきり太鼓を叩けるところです。いえ冗談ではありませんよ。バチで思いっきり太鼓を叩くと気持ち良いんです。胸がすっきりします。嫌なことがあった日は強めに叩いてストレス発散です。あ、でもこれは個人練習中だけで、他の楽器と合わせる時は音量を調整する必要があります。
寄席の始まりと終わりを告げる所も魅力のひとつですね。開場の一番太鼓はお客様がドン,ドン,ドントコイと縁起の良いように、終演の追い出し太鼓はお客様はデテケ,デテケと容赦なく叩きます。鳴らすのは太鼓の1人だけなんです。寄席の雰囲気を作る上で大事なことをしているなと思いながら独り黙々と叩く時間が私は好きです。
あとは、技量に応じてアレンジができます。例えば「じんじろ」という曲には太鼓のソロがありまして、難しく聞こえるかもしれませんが、これが慣れてくると好き放題に叩けるんです。いつか和製バディリッチと呼ばれるような奏者になりたいものです。


〜笛〜
笛の魅力は必要とされる曲数が少ないことだなも!他の楽器よりも楽で自由なこと間違いなし!だなも!!でも、失敗すると絶対にバレるからどの楽器よりも恥を描くことになるんだなも!僕は何度か客席から笑われているんだなも。いや、あの笑い声は客席にいる部員だなも。。。



京大落研では和楽器の演奏のみを希望する者の入部も大歓迎している。慢性的下座人員不足に悩まされている当落研にそんな人が現れたら…考えただけで私のストレス性顎関節症が治りそうだ☺️



おわりに
京大落研に入れば、お笑いだけでなくお囃子を堪能することもできる。大学生活で色々なことに挑戦したいと考える諸君にはうってつけのサークルではないだろうか。興味のある君も、暇を持て余している君も、あつまれ。京大落研に🪕



文責:葵家尻團治

作成日数
3日


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