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(デジタル庁)データ戦略推進WG第1回について考察 〜Part1〜

長くなりそうなのでPart1と付けましたが、実際は今回で終わるかもしれません。私のやる気と根性により内容の粒度が変動する可能性もありますが、そこは暖かい目で見ていただけますと幸いです。

位置付け

このデータ戦略推進WGについては、「デジタル社会推進会議令(令和3年政令第193号)第4条の規定に基づき、デジタル社会の形成に資するデータ戦略を推進するため」と書かれています。

デジタル社会推進会議令(令和3年政令第193号)第4条は、「議事の手続その他デジタル社会推進会議の運営に関し必要な事項は、議長がデジタル社会推進会議に諮って定める。」と書かれていますので、「デジタル社会推進会議」の下部組織にあたるという解釈になりそうです。デジタル社会推進会議はデジタル関連にある最上部の組織なので、それなりに影響力がありそうなワーキンググループですね。

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体制

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LINEとNEC、リンクデータ、New Stories?の方がいらっしゃるのが少し気になりますが、専門家であられるならそれもいいのでしょう。それ以外は基本的に中立な教授陣。

今後の進め方について

サムネがないから大体リンク貼ってもぱっと見で分からないのが悲しい。まぁまぁ大事なことが書いてあるので今回はここにフォーカスを当てて紹介していきましょう。ここでは、(アーキテクチャ)で分類されたジャンル毎にどのような取り組みをしているか、その方向性についてまとめています。次の段落から分類毎に書いてあることとそれについての所感をまとめています。

ルール

ルールの中は「トラスト」と「プラットフォームのルール」で分類されているのですが、何かこう重複がありそうな粒度が異なるような不思議な感覚になりますね。まぁそれはおいておくとして、

「トラスト」ではスコープを整理し、トラスト確保の実態調査を実施。手続きや取引に必要なアシュアランスレベルの分類をする。国や民間の役割分担を明確化し、ユースケースなど特定した上で有効性を検証する。

「プラットフォームのルール」では各分野のPF構築にあたってデータの取り扱いルール明確化・詳細化。重点計画に何かしらを反映。

と書かれています。まずはプラットフォームのルールとトラストで何が違うのかよく分からんってのが正直なところですね。トラストの中で、アプリケーションルールとプラットフォームルールのような分類になるんじゃないのかい?と思うので構造的に間違っている気がして何も考えられない。次にいきましょう。

連携基盤

「分野間連携」「準公共・相互連携分野」「データ取引市場」で分類されています。

「分野間連携」は、おそらくは言葉足らずで「各省庁に跨がる分野間の連携」のことを指しているものと思いますが、カタログやコネクタなど効率的に使って契約支援・原本性保証・履歴管理機能など必要な機能を検討していきましょうということのようです。ここでも国際標準化やルール作りに参画して設定なども考えるらしいですね。

「準公共・相互連携分野」は、医療・教育・防災・契約(またか)などについて検討するもののようです。SIPを分離した形でしょうか。

「データ取引市場」は、個人情報系の情報提供を促すもので、よく昔から情報銀行とかワードが出てきていたと思うのですがそれについての検討になるかと思います。これは自分よく知らないんですが、合意形成を取るプロセスがしっかりしていればそれを何かしら有効活用できそうな第三者(例えばマネーフォワード)に渡しても問題にならないんじゃないでしょうか。何をこんな検討してるのかよく分かりません。

総じて見てみると、昔の名残で「分野間連携」と「準公共・相互連携分野」を分けているのも気持ち悪いしデータ取引市場で連携基盤が分かれるのも理解は追いつきません。上段で決められたポリシー部分を本章部分と連携することについて記述されていないのも気になります。ただ、カタログやコネクタなど使うという運用面を考えた検討や必要な機能を調査するという文脈の部分には期待して重点計画を待ってみようかなと思います。

データ

「ベースレジストリ」、「データマネジメント 」、「オープンデータ 」で分類されています。

「ベースレジストリ 」、これですよねこれ。デジ庁はこれが出来ればもう役割を終えることもできるんじゃないかと思うほど重要な部分かと思います。もちろんトラストや連携基盤ありきで可能になる部分ですが、ぜひ実現して欲しい。まずは法人と土地を中心に進めるようですが、登記や個人情報とも繋げることを検討していただきたいです。

「データマネジメント 」、品質ガイドの策定、ベースレジストリ への適用調査、標準ガイドへ反映する内容を検討するという順当な内容になっていますが、これも大事なのでもう少し踏み込んで欲しい。API作った後にCI/CDをしようと思ったらマネジメントの考慮も前提として必要になってきます。今までCI/CDをしようと思ったら100万円以内の随意契約か、財務省に諮って予算ゲットしてから調達するという年単位の調整が必要でした。しかし今後のデジタル庁ではある程度バッファを持って緊急対応できる状況にしておくべきだと思うんですよね。

「オープンデータ 」では、質を測る指標を検討して民間や自治体との共創コミュニティを形成するとあります。ふむ、「質を測る指標」ってのが画像PDF撲滅運動でしたら賛成ですが中身が見えないですね。ただ、共創コミュニティはオープンソース活用と併せて進めていただくと良いサービスの実現につながるかと思いますので良いと思います。

利活用環境

「データ活用」と「人材・組織」で分類されています。

「データ活用」としてAI、BIパートの保管とダッシュボード活用などが掲げられています。階層的にここに書くべきかはありますが、まぁ必要なことかなと思います。

「人材・組織」がここに来るんですね。やっぱり先ほどのAIやBIはデータ部分にある方がいいような気がします。同じ分類になってしまうと上下階層の関係性が作れなくなってしまうのでデータ活用が広がらない可能性があります。

国際展開

この部分だけ単品として分けられています。G7日本開催を目指して「反データローカライゼーション」、「ガバメントアクセス?」、「データ共通アプローチ」を推進するらしい。でましたね、「反データローカライゼーション」。いいとは思うのですが国民全体としてこれを嫌ってる傾向があるのでどんな風に説得していくのか。アメリカとかは同意なく普通に国民データ活用してるって言いますしね。

総括して

取り組み全体が網羅的か構造的かは置いとくとして、全体的に良い方向に検討が進んでいるものと思います。今まで省庁毎では進められなかったものを横断的に実現するためのアクションを検討されているとは思います。ただ最後に、添付ファイルに主なデータ流通管理をDATA-EXが実現すると書いてあるんですが、本気ですか?と言いたい。

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SIPが開発するのはなんとなく分かります。連携基盤としての実績はほとんどないにせよ、戦略的にイノベーションを推進するための活動をしているという話は聞いてますし報告書等もいくつか見たことがあります。ただ、DATA-EXが解せない。HPを見てみるといくつかの会社が協賛する団体のようにしか見えず、実績も実現していないとされているSIPの中の連携基盤のみ(ぽい)。

それであれば仕様書を書くのを協力させるのみにして、調達自体は普通に総合で企業にアイデア練らせて競わせて欲しいと思うところ。ここに任せたらまた機動的にならない省庁のままで終わってしまうとしか思えないので、もし中央省庁のご担当者がこれを見ることがあればここについて再検討をお願いしたい。

次はコンセプトだったりサブワーキンググループに期待することなどを書いていくことになるのかなと思います。多分、おそらく、書くと思う。

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