経済学に関する思い出

幼少の頃、サンデープロジェクトというテレビ番組があった。番組名の通り日曜日にやっている番組で、司会はお笑い芸人の島田紳助だったと思う。社会問題や政治経済などをテーマに各界の知識人が議論する番組であり、お笑い芸人がこうしたシリアスなものに進出した嚆矢となるべき代物であったと言えるだろう。現在で言うとロンドンブーツの田村淳やキングコングの西野、オリラジの中田あたりがポジショニングしているようなところだ。

その番組の内容はさっぱり覚えていないし何かが得られた実感もないのだが、唯一その番組を通じて私が強烈に認識したことは、数ある経済学者の連中が主張していることが互いに矛盾していたり、意見が食い違ったりと、一向にこれが確からしい妥当な結論だ、というものにたどり着かなかったことである。その一方で学校で習う数学、化学、物理などの理系と称される学問がいかに確実で世の中の役に立っている素晴らしいものであるかと改めて認識したものである。(超先端的な理系学問の最先端においては、学者によって意見が割れる部分ももちろんあるが、経済学のそれとは比べようもないほど深いところで割れている。そして割れていたとしても、常にそれら学問の主張は検証可能な状態で提示され続けており、フェアだ。)

こうして私は幼少期の原体験をきっかけに経済学とは無縁の人生を歩み始めることになるのだが、現代の経済学(そして一部の心理学)について大人になってから学び直してみると、色々な生きるヒントが散りばめられた決して悪くない学問なのではないのかなと、反省する気持ちと共に認識を改めている。経済学というよりかは経営学になってしまいそうだが、お金との付き合い方と使い方についても多くの良い示唆を与えてくれるものだと思う。

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