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読書の秋。ゴリラーマン40を読んで愛おしい時間を思い出す。

秋と言えば読書の秋ですよね。とかいいながら最近なんだか忙しくて本を読んでいないなあ…あ、一冊だけ読んだ! ハロルド作石先生の「ゴリラーマン40」! 前作「ゴリラーマン」から20年の時を経てあいつが帰ってきた!

「ゴリラーマン40」は前作から20年ほどたった現在が舞台だ。

バンダレイ・シウバを彷彿とさせるゴリラ顔。好きなタバコはリベラマイルド。大好物はカロリーメイト。無口で、そして喧嘩が恐ろしいほど強い…風変わり過ぎる高校生”池戸貞治”が転校先で仲間と繰り広げるバカバカしい学校生活。そして他校との抗争を描いた前作「ゴリラーマン」。

あれから月日が経ち、池戸は40歳となった。ある事件をきっかけに彼がかつての地元に足を運ぶことから物語が始まる。

ヤングマガジン40周年を記念しての読み切りの予定のはずが、作者のハロルド作石氏が「軽い気持ちで描いたらとても楽しく」なり全3巻21話の作品となった。

私はゴリラーマンが他校の番長をパンチ一発(通称ゴリラーマンパンチ)で殴り飛ばす場面が大好きだった。それは今作でも健在で、裏拳が不良相手にさく裂する見開きページは掛け値なしにカッコいい。やっぱりゴリラーマンは最高だ!

ゴリラーマンスタイルという制服の着方も印象に残っている。上は制服、下はジャージという何とも変な池戸流おしゃれスタイルだ。私は自転車通学で、雨の日ずぶぬれになると制服のズボンをジャージに代えてゴリラーマンスタイルで過ごしていた。

彼が大好きなカロリーメイトも久々に食べてみた(ゴリラーマンはドリンク派なので少し違うのだが)。これがイケる。特にバニラ味のおいしさたるや! 以来おなかが空いたらこっそり食べている。

バニラ味がすげーうまい。

あの頃、大人になったらみんなヤングマガジンなどの青年誌を卒業してビッグコミックや漫画ゴラク、果てはエッチなマンガ雑誌に進学していくのだろうなと割と本気で思っていた。授業中にマンガを回し読みしている奴らがマンガを卒業するという考えは毛頭なかった。

当時の友人に数年ぶりに遭遇した時、まっさきに今読んでいるマンガを聞いた。いま何読んでんだよ? スーツを着た彼に「新聞読んでる」と冷静に答えられたとき、ようやくマンガを読まなくなる人たちもいるんだなと気がづいた。

「ゴリラーマン40」では前作の登場人物がたくさん登場する。彼らは様々な仕事に就き、親になったもの、独身でワンチャンを狙うもの、いろいろな背景がある。体を壊してるやつだっている。

前作が連載していたころ私は高校生で、連載元のヤングマガジンの発売日である月曜日は授業そっちのけでヤンマガを熟読。おかげで英語は追試を受ける寸前だった。今思えばもう戻ってこない愛おしい時間である。

「ゴリラーマン40」でも池戸たちが彼らの"愛おしい時間"を思い出すシーンがある。

学校の池の錦鯉を釣り上げたり、校庭に犬を放ったり…高校生らしく?どうしようもないバカなことばかりしたあの頃に思いを馳せる登場人物たち。こちらも彼らと高校時代にタイムスリップしたような感覚を覚える。そうそう、そんな話あったよなーなんて思ったり…ずっとマンガを読んでいてよかった瞬間だ。

自分も40歳をとうに超え、50歳の標識も見え始めてきた。いまだにヤンマガを卒業できずにいる。

あの頃の自分に「お前はおっさんになってもヤンマガ読んでるぜ」って伝えたら愕然とするかもしれない。しかしそれが現実なのだからしょうがない。面白いんだもん。そんなこんなで今日もマンガと一緒に生きている。

またいつか、ゴリラーマンが復活することを願う。

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