太陽光発電投資の開発手順について。

まずはじめに、よく誤解されている事を。

最近、太陽光発電の買取価格がガンガン下がってきて事業として成立しなくなっているのでは?的なニュースが頻繁に出ます。

おさらいとしまして、現在の買取価格は下記の通りです。野立てに限ります。

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これは、「2019年度中に申請して許可された案件に関して、20年間14円で買い取ります」って意味なんです。

既存の発電所の買取価格が減っていくのではありません。要は「いつ申請して許可もらったか」ってのが大切なポイントで、その許可をもらった年度の買取価格が20年間継続します。

実際に、僕は32円の時に申請して現在発電事業やってますが、変わらず32円で買い取ってくれています。


太陽光発電で儲けるためには

これから書くことは、野立て太陽光発電投資です。家の屋根に載せる太陽光発電ではありません。事業規模は高圧です。数十kwではなく数百kwを想定して書きます。書く内容はただの実務です。めちゃくちゃつまらないですが、今から開発しようと思っている人には間違いなく参考になります。

下記に太陽光発電所を開発する大まかな流れを記載しますが、僕は高圧で約931kwの開発手順となります。開発時期は2014年当時のものです。ご了承ください。

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太陽光発電事業を始めるには、2つの方法があります。

①業者が開発した建売型の太陽光発電所を買う。

②自分で土地を探して自分で開発する。


「太陽光発電、あんまり、 儲からないよー」って行ってる人は例外なく①のパターンで買ってます。大体表面利回り9%から10%で設定された発電所を買ってます。

太陽光発電所の分譲は不動産業者さんがよくやってます。分譲事業でめちゃくちゃ儲けておられますね。

発電事業を始めるには、お金や融資を受ける信用さえあれば誰でもできますが、発電事業で「儲けよう」と思うなら②の自分で開発するに限ります。

まず土地を探す!購入でも賃貸でも構いません。

僕は土地を地主さんから借りてます。約10,000平米で月20万円です。山の中です。

土地を買う場合は1坪1万円以下が望ましいって当時よく言われてました。

土地の候補が見つかれば、下記の2つを同時進行させます。

◾️土木系工事の設計・治水系の工事の設計を設計会社と行政を交えて相談。

◾️その地域毎の電力会社に、作る予定の太陽光発電所を電力会社の送電線等につなぐための「事前相談」や「接続検討依頼」を提出します。僕は関西なので関西電力です。

※治水工事の一環で、規模が大きくなると、調整池を作るように言われます。大規模太陽光発電所を作ると、降雨時の水の流れがかわります。大雨降ると、水が一気に行政所有の側溝に流れちゃって溢れるので大変なことになります。なので一旦「調整池」に雨水をためて、少しづつ行政所有の側溝に流してくださいねと指導されます。

しかし、パネルの設置面自体を調整池として申請しても行政がオーケーだす場合もあります。僕はそれで行けました。すると調整池を作る土木工事費用が一気に浮きます。数百万円浮きます。めちゃくちゃ大きいです。

これは土木コンサルが200万円くらいのコンサル費用を施主から取って教えている内容です。

※電力会社に接続検討依頼を出して、正式に関西電力と連携する依頼を出します。これ、めちゃくちゃ時間かかります。返答までに数ヶ月かかります。

関西電力から接続可能だと返答が返ってくると同時に、「関西電力と太陽光発電所との連携工事費用」の請求書が同封されます。この請求額はさまざまな要素がありますが、発電所を作る近くに電柱があるかどうか?が1つの大きなポイントになります

しかし、この費用は運ゲーです。僕はたまたま30数万円でしたが、九州などでメガソーラーを予定していた事業者が、数千万円の連携費用を請求されて事業中止に追い込まれた話を聞いたことがあります。

※電力会社からの接続検討依頼の返答と請求書の送付がめちゃくちゃ遅いので、それまでの間に行政との折衝、土木工事や治水工事の設計、土木工事の施工業者選定と見積もり依頼、太陽光発電所施工業者の選定と見積もり依頼、消防関係の手続きを確認・完了させておきます。万が一、電力会社との接続費用が莫大になって事業が中止せざるを得ない場合、土木工事の設計費用は捨て金になります。仕方ないです。

※正直、ここまでの作業が一番時間がかかるし一番手間がかかります。あとは単純で、適正な工事内容を適正な価格で実際に施工してもらうだけです。参考となる数字を次に示します。

※僕の場合はイニシャルコストの合計が2.46億円でした。発電所の規模が約931kw。施工単価は264,000円くらい。(多分、この施工単価が分譲だと40万円くらいします。)

買取価格が32円。

年間売電収入が3600万円から3900万円くらい。年間経費が600万円。そこから返済って感じです。返済は年間1500万円弱で年間手残りが1500万円から1800万円くらいです。

近年、「買取価格が下がっているが施工費用も下がっているので利回りは確保できる!」という営業トークをよく聞きますが、経費の部分は買取価格によらず一定なので、やはり実質利回りは下がります。(分譲の場合)

しかし、今の買取価格でも、自分で開発すればかなり安く開発できると思いますので、まだまだ勝機はあると思います。

日当たりのいい安い土地が見つかれば、チャレンジしてみてもいいかもしれませんね!

※なお、僕の発電所に関する数字は身バレ防止のため、数kwですが盛って記載しています。しかし、売上と経費と初期費用とキャッシュフローの比率は間違いありません。施工単価も間違いないです。


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