日本人へのヘイトスピーチって何ですか
在特会が「日本人へのヘイトスピーチ」を問うて在日韓国人女性を訴えるそうだ。でも、その女性は日本人へのヘイトスピーチなんかしてないぞ?はて?
*******************************************************
少し遅くなってしまったが、いわゆる「ヘイトスピーチ」に関して、気になる話題があったので紹介したい。はてブにも上がっていたので目にした人もいるかもしれないが、"在特会"の元会長・桜井誠(本名・高田誠)が、「日本人へのヘイトスピーチ」を問うて在日女性を訴える、とツイートした件である。
※この話題に明るくない人も多いと思うので少し解説すると、"在特会(在日特権を許さない市民の会)"は、2014年12月に最高裁で有罪判決を受けた、過激な差別思想団体。いわゆる「ヘイトスピーチ」集団の筆頭とも言える。"李信恵"は在日韓国人のフリーライターで、嫌韓デモやネット上での差別発言を問題視し、現在、在特会・桜井誠や保守速報らを対象に裁判を行っている。
今回、この話題を紹介する上での私の興味は、ただ一点。
日本人へのヘイトスピーチって、何のことですか。
ヘイトスピーチって言葉がひとり歩きしているのは知っていたけど、こうして見ると、強烈な違和感を覚える。実のところ、何を言っているのか、さっぱりわからない。李信恵氏の記事やTwitterの発言も読んでいるけれど、彼女はヘイトスピーチなんかしてないぞ?
「日本人へのヘイトスピーチ」と聞いて(限界まで親身になって)想像するのは、『あぁ、もしかして韓国のバカが何かしたのかな?』である。韓国にも、日本の"ネトウヨ"とちょうど同じような連中がいるからだ。…ハァ。まあ、日本や韓国に限った話でもない。以前、別の記事でも少し触れたが、どの国にもバカはいる。残念ながら。
あー面倒くさい。お前ら、悪目立ちしすぎなんだよ。まるで全国民がお互いに嫌い合ってるみたいに主張するのは止めやがれ。…と、普段なら言うところなんだが。今回は李信恵氏を名指ししているので、韓国のバカの話ではなく、彼女が「日本人へのヘイトスピーチ」をしているということらしい。…はて?
? ヘイトスピーチの意味、わかってる?
カタカナ言葉を輸入したおかげか、意味がひとり歩きしているようだ。まず、もともとの定義から確認しよう。英語で調べてみると、こういう説明が載っている。
《hate speech》
speech that attacks, threatens, or insults a person or group on the basis of national origin, ethnicity, color, religion, gender, gender identity, sexual orientation, or disability.
要するに、ある個人や集団を、《出身国/民族/肌の色/宗教/性別/性自認/性的指向/障害などを理由に》攻撃したり侮辱したりする言論のことだ。加えて、差別を煽る表現も同様に問題視される。
例えば、韓国人が《日本人であるということ》を理由に『日本人は死ね』『日本人をぶち殺せ』と言ったり、『日本人は韓国から出て行け』『日本人を叩きだせ』と主張すれば、それは「日本人へのヘイトスピーチ」と呼んで正しい。
だが、李信恵氏の発言を見る限り、そのような発言はしていない。『お前は日本人だからクソ野郎だ』とか『日本人は全員クズだ』とか、彼女は言わないし、ちなみに、誰かひとりの日本人の言動を指して『これだから日本人は全員ダメなんだ』といった発言をするところも見たことがない。
ちなみにそういうセリフは、在特会こそが得意とするものだ。
【参考】新大久保を歩く在特会(YouTube)
「新大久保を更地にしてガス室を作ろう!ガス室に朝鮮人・韓国人を叩きこめ~!」
「朝鮮人は差別するぞー!朝鮮人は差別せよー!」
「糞食い民族ゴキブリ民族朝鮮人!日本から世界から宇宙から銀河系から出て行けー!」
【参考】桜井誠による「殺戮戦宣言」(Togetterまとめ)❝必ずこの国には殺戮戦が訪れる。在日韓国人・朝鮮人・そして反日極左、本気で命のやりとをやって叩き殺さなきゃいけない時が必ず来るんです。その時に皆さんにね、心の強さが問われる。泣いて許しを乞う相手を貴方達本当に一刀両断で切り捨てることが出来るか?と。❞
【参考】車椅子のお爺さんを侮辱する桜井誠(YouTube・3分55秒~)
「車に飛び込め、電車に飛び降りろ」(4分35秒)
「さっさと日本から出て行け、この朝鮮人!」(4分55秒)
「ゴキブリ!お前のことを言ってるんだ、ゴキブリは出て行け!」(5分55秒)
「お前の顔こそとても日本人には見えないんだよ!お前みたいな奴は殺す価値も、生きてる価値も資格も無いんだよ、さっさと出て行け!」(7分10秒)
在特会が批判され続けるのは、"その言動が当然に批判されるべきものだから"であって、彼らが"日本人だから"ではない。
そういうものは、ヘイトスピーチとは言わない。
桜井誠は、本当にわかっていないのだろうか。本当に?
※このブログは投げ銭形式で運営されています。
※Twitterアカウントはこちらです。 @kyonghagi
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?