「夫婦別姓は反日」とか言ってる人はバカ

決して褒められた事では無いのだが、
ツイッターを見ていて、思わず膝を叩いてしまった。

なるほど。
これが、バカというものか。

2月18日。選択的夫婦別姓制度（以下、簡略の為「夫婦別姓」と略す。）を巡って、大きな動きがあったようだ。

「夫婦別姓」最高裁が憲法判断へ「結婚前の姓を使うためペーパー離婚した」原告も期待（Yahoo!ニュース／弁護士ドットコム）

夫婦別姓制度は、ネットではもう何年も前から、定期的に見かける話題だ。
現行の「同姓しか選べない」制度について、『別姓も選択できるように改善しましょうよ』という声が上がっていて、その是非がよく「議論」になっている。

「賛成派」＝現行制度に不満の声を上げている人達は、姓を失う事によるアイデンティティの問題や、仕事上の不都合、手続きの負担といった、生活する上での実際の問題から出た意見が多いようだ。（そして、問題の多くは女性が被っている）

一方で「反対派」には、「伝統が…」「家族の絆が…」といった意見の他、
「とにかくイヤだからダメ」式の感情論も、ちらほらと散見される。
傾向として、どうやら「制度変更」自体に抵抗を感じているものが多いらしい。

反対派の色々な意見を知りたくて、ツイッターを検索してみたら、こんな意見が出てきた。・・・・そう。タイトルの通りだ。
皆さんの予想通りの内容だが、せっかくなので紹介させていただこう。

①「夫婦別姓は、反日勢力による日本破壊工作」
②「夫婦別姓の賛同者は在日」
③「在日の通名にも反対しろ」

うーん、さすがです！！！！！！！！

いや、俺も予想してたよ？　こういう人たちは、どこにでも出てくるから。
予想してたさ。予想してたけど。　それでもちょっと、クラッときた。

君たち、大丈夫か！？！？！？

いやホント、大丈夫か！？！？！？！？

・・・ぁ、在日の俺よりは大丈夫、ですか。そうですか。

じゃッッッ、なくて！！！！！！！！

いやホントに心配。
（特に③。文脈の乖離具合がやばいぞ。大丈夫？）

俺を例にあげるなら、確かに在日だし、選択的夫婦別姓には賛成だ。
でもそれは、自分にメリットがあっての話じゃない。

例えば在日が日本人と結婚する場合、二人は「国際結婚」になり、ほぼ必然的に夫婦別姓になる。だから在日にとっては、今回の議論がどう転ぼうと、利害上、まるで関係が無い。

日本国内における夫婦別姓の話は全部、「日本人」の為の議論であって、
そこに外国人の話を持ち出す必要なんか、どこにも無いんだ。

だから君たちは、この議論が日本国内から出てきた問題なんだって事を、しっかり考えなくちゃならない。
日本に暮らす日本人が、自分たちの暮らしをよりよくする為に、改善を求めているんだって事。それを無視しちゃいけない。そこが出発点だ。

当たり前の事だが、「国」の意思決定は、そこに暮らす人々の為に行われるものだ。だから、制度改善を求める声が上がれば、見直しを検討する事だって当然、ある。

制度を考える時には、できるだけ人々の事を考えて、みんなにとって完璧な制度は難しいにしても、極力そこに近い選択肢を探っていく事になる。
改善が必要な人には改善を与え、不要な人にも不利益が無いような形にまとめる事ができれば、それが現実的なベストだろう。

その意味で、今回の「選択的」夫婦別姓制度は、非常にベストに近い。
何も、「全員が別姓になる」事を謳っているわけではなく、
「個人の事情に応じて、別姓にする事を選べる」事を求めているだけだ。
同姓にこだわりがある人は同姓にすればいいし、その事による不利益は特に無い。

在日外国人として、制度の「枠外」から見る限り、正直、反対する理由が見当たらない。
でも、反対派には反対派の理由があるのだろうとも思う。
ここで例にあげたようなものではなく、「なるほど！！！」と思わせる理由がきっとあるのだろう。感情論なら感情論で、その根っこの部分についても考えてみて、ぜひ、教えて欲しいなと願ってる。

ただ、最後にひとつだけ強調しておきたい。

君たちが反対する事で不利益を被るのは、君たちじゃない。って事。

現行制度に問題を感じているのは、君じゃない。
制度が改善されなくても、君は困らないのかもしれない。
でも、制度が改善されなければ困る人が実際にいて、その人達はずっと困り続けるんだ。

自分が「改善の必要は無い！」と思ったとしても、改善を求めている声が消えるわけじゃない。
「自分は関係無いけど、とにかくお前らは我慢し続けてよ」とか言われて、不利益を押し付けられたら、誰だってムカつくと思うんだ。

国の「課題」と「改善」について考える事って、とっても大切だ。人の暮らしに直結してるから。もし国の為を思うなら、過去のやり方に縛られるんじゃなくて、そのやり方からこぼれ落ちてしまう人たちを見つけて、都度、より良く改善していくべきだと思う。

だってさ、そこに暮らす人が笑顔でいられるのが、世界が羨む「いい国」ってもんなんじゃないの。
日本がそういう「いい国」を目指しているって事、俺は結構信じてる。

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