二日目2024年。
ジュンちゃんから電話。
大晦日、元旦とレストランのアルバイトをこなした彼女。
ひと仕事終えてほっとしている様子。
お茶でもするう?
わたしのお茶する、は100パーセント、ウチでお茶する、の意味だ。
外でお茶するより百倍くつろげる。
近所にある気になっているケーキ屋さんのケーキを頼む。
うわー!やっとあそこのケーキが食べれる、とちょっとあがる。
まだパジャマだったのでせめて着替えておくかとベッドからはいだす。
顔を洗う。年末の風邪のときにできたおでことくちびる横のおできは未だに消えず。
細胞の生まれ変わりサイクル、おそくね?
何着る?
まず毛糸のパンツ。その流れであったかめのウール百のベージュのパンツ。
上は後ろボタンのブラウス。
黄色のカーディガンに黄色のマフラーを巻く。
準備ができるとなんだか疲れてしまい横になる。
まだまだ体が回復しきれてない。
なまけているわけじゃないの。ほんとよ。
「教えてもらったケーキ屋さん、五日までおやすみだってー!」
ジュンちゃんが来た。
なんだなんだ、楽しみだったのに。
どうしてもケーキが食べたくて二人で外へ出る。
目星をつけていたお店の一軒目はお休み。
二軒目は開いていた。
レジに並びつつ、ショーケースに並んだケーキを物色。
わたしたちの前には三人ほど人がいる。
どうしたことなのか全然、列が進まない。
ジュンちゃんは「ちょっと、なんか、おかしくない?」と言い出す。
一番目のお客さんの買ったケーキを入れる箱を探しに行ってるらしい。
いや、それにしても店の空気が全く動かないのだけど。
ケーキを注文して店内で食べるつもりだったらしい推定七十代後半のムッシューが
ケーキを食べるためのナイフとフォークをくれと言ってきた。
店員さんが出してきたのが小さめのスプーンとフォーク。
これじゃあ、食べれないよ、とムッシューおかんむり。
なんだかんだとスケッチのようなやりとり。
ついにはムッシュー、注文したケーキをキャンセルして連れのマダムと退散。
それまで女性二人だったカウンターの向こう側にいつの間にか女性が五人になっている。
わさわさとしだすものの、列は依然として進まないの。なにこれ?
「わたしたちはちゃんと買っていこうよ。全然、急いでないしさ」
ジュンちゃんに言う。だってここのケーキ、好きだしさ。
そう思っていたら奥のテーブルを家族たちに確保させて注文するために並んでいた、わたしたちのすぐ前にいたムッシュー、推定四五歳一家のパパ、が、これまた進まない列にしびれを切らして店を出た。
あらあら。
お客さん、二組も逃しちゃったわよ。
新春スケッチ@ニース。
カウンターの向こう側のギアがにわかに高速に。
わたしたちの番。ケーキ三種を注文。
プラス、棚にある「海藻パン」というのが気になってそれをスライスしてもらう。
家に戻るとちょうど下宿人くんが起きてきた。
彼のお気に入りのマテ茶を入れてもらい、三人でお茶。
その後はジュンちゃんの「男の友人にもらった、丈の長いズボン」の裾上げ。
ジュンちゃんに試着させ、ジュンちゃんが切る。わたしが縫う。
四本中、急ぎが二本。
じゃあ二本できればいいかあ、とはじめたのだが
ジュンちゃんが切ってくれるおかげでわたしはミシンを踏んでいればいい。
気がついたら四本、出来上がっていた。
夕飯どうする?
今日は帰るわ。
昨日、トピナンブー(菊芋)のきんぴら作ったけど、食べる?
あらあ。じゃあいただこうかしら。
といつものように夕飯に突入。
トピナンブーはジュンちゃんにも下宿人くんにも好評で
わたしは一口しか食べれなかった。
これもいつものように残り物のオンパレード。
〆はポトフの残り汁でおじや。
十時半を過ぎて疲れてしまい
パジャマに着替えて顔を洗った。
裾上げの請求書がこわいわあ。
ジュンちゃんがいつも通りのギャグを飛ばして帰っていく。
おやすみなさい。