見出し画像

JATA経営フォーラム2022インプット⑥これからの観光政策はどーなるか

こんばんナマステ💜Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

今日も関西にいるけど作業時間はそれなりに取れているので、 #JATA経営フォーラム2022 のインプットをやっていくよ❣️

基調討論:旅行業「再生」へ向けて

分科会A:コロナ禍での海外旅行の顧客維持に必要なことを考える


分科会B:デジタル×リアル融合による新しい旅行会社のビジネスモデルのあり方


分科会C:ウイズ・ポストコロナの訪日旅行に向けて

分科会 D :コロナ禍に立ち向かう中小旅行会社の取組み

#JATA経営フォーラム だけで検索したらヒットしないけど、2022も付けて検索すると何気にこのnote引っかかるんだよね。アルゴリズムが違えばわからないけど。

だからもしかしたらフォーラムの関係者とか、そうでなくても旅行業界の人がここを読んでる可能性がある。

理解が足りなかったり、重要なことを端折っちゃったりしてる可能性はあるけど、嘘は書いてないので悪しからず。

では今日もやってくよ。今日は分科会E:観光庁観光戦略課長に「観光の現状と今後の取組み」を聞いてみたをインプットしてみた。

なんだろうこのnoteにありがちなゆるいタイトル。

分科会Eの概要

本日の プレゼンターは観光庁観光戦略課長 田島聖一氏。

ナビゲーターは #JATA ( #日本旅行業協会 )総務・広報部広報室長 桑名美保氏。

ディスカッションではなく、観光庁の人によるプレゼン。

この方は今年の1月5日付で航空局航空ネットワーク部国際航空課長から異動してきたみたい。

今回のプレゼンは「観光の現状と今後の取組」と題し、この先観光政策をどーしていくのかを語っていただける場になりそう。

2年前までは観光立国だったのか

JATA桑名「日本が観光立国を推進していくことはどのような意義があるのか❓」

観光庁田島「観光には様々な意義があるが、特に経済的な意義が強い。今後、人口減少が進み、2052年には1億人程度となり、2065年には約30%減少する見通し。少子高齢化が急速に進行しており、2065年には総人口の約38%が65歳以上になる見通し。それにより、生産年齢人口は2065年には約40%減少する見通し。定住人口1人当たりの年間消費額(130万円)は、旅行者の消費に換算すると外国人旅行者8人分、国内旅行者(宿泊)23人分、国内旅行者(日帰り)75人分にあたる。人口1人の減少を外国人旅行者8名で補うことができる。インバウンドは輸出と同じ特徴があり、2019年の訪日外国人旅行消費額4.8兆円は自動車、化学製品の輸出に次ぐもの。観光消費は裾野が広く、2019年の旅行消費額29.2兆円に対して、生産波及効果は55.8兆円、雇用誘発効果は456万人に及ぶ。日本全体の就業者数の6~7%。日本経済、特に地方経済の発展のために大きな意義がある。」

JATA桑名「2003年にビジットジャパンキャンペーンが開始され、2012年から急激にインバウンドが増加、2018年には訪日3000万人を超えた。」

観光庁田島「東アジア・東南アジアが中心だが、北米や欧州のインバウンドも順調に伸びてきており、これをもっと伸ばしていこうとしていたところだった。」

JATA桑名「2030年の目標は6000万人だが、2019年までの取り組みについての評価を。」

観光庁田島「インバウンドの伸びは関係する皆様とともに取り組んできた成果。戦略的なビザ緩和、免税制度の拡充、出入国管理体制の充実、航空ネットワークの拡大など、大胆な改革を断行。2012年比で訪日外国人旅行者数は約3.8倍増の3,188万人に、訪日外国人旅行消費額は約4.4倍増の4.8兆円に伸ばせた。特に航空ネットワークの拡大はインバウンドだけでなくアウトバウンドも伸ばせるので双方向の交流増大に寄与する。」

サラっと国交省航空局航空ネットワーク部国際航空課長としての実績を強調。こんな状況で2019年にムンバイー関空線を廃止したエアインディアについてはうちら以上にふざけんな、って思ってそう。

観光庁田島「2016年に政府が掲げた“明日の日本を支える観光ビジョン”の目標は2020年に訪日4000万人、これに対してコロナ禍直前2019年は3188万人で達成率79%、リピーター数が目標2400万人に対して2047万人で達成率85%、2019年時点であと一歩のところだった。しかし外国人旅行消費額と地方部での外国人延べ宿泊者数の目標に対しては達成率6割。テコ入れが必要な状況だった。」

コロナ禍における現状と方策

JATA桑名「ではコロナ禍の現状はどうなったか❓」

観光庁田島「宿泊旅行統計調査で延べ宿泊者数2019年同月比の推移を見ていくと、全体を通してみれば2019年5月に前年比マイナス82.6%で底を打ち、その後は感染状況に応じて上下している。それに対して外国人宿泊者だけを取り出してみてれば2019年2月にマイナス41.0%、3月がマイナス86.5%、4月以降はずっとマイナス9割以上が続きほぼ蒸発している。」

JATA桑名「私ども旅行会社の経営も厳しく、国からの支援をお願いしたい。これまでどのような支援を行ってきたか。あるいは行うのか。」

観光庁田島「観光庁では多面的な支援をしてきた。事業継続・雇用維持、需要喚起・創出、ウィズ/アフターコロナに向けた準備の3つの柱がある。事業継続・雇用維持についてまず業種横断として雇用調整助成金の特例、実質無利子・無担保融資、地方創生臨時交付金の特別枠、観光産業固有として地域観光事業支援の感染防止対策に対して支援をしてきた。需要喚起・創出の最大のものはGoToトラベル事業、県民割、国内の新しい需要の創出としてワーケーションの推進や第2のふるさとづくりに拠出した。ウィズ/アフターコロナに向けた準備として地域整備、観光コンテンツの磨き上げ、デジタル化・バリアフリー化、観光人材育成、インバウンド回復に向けた準備の強化を行っている。」

JATA桑名「雇用調整助成金の特例は今年3月まで。4月以降の延長はあるか❓」

観光庁田島「今後の感染状況や経済の状況を見ながら決めていくというのが政府の方針。観光業界からの強い延長要望を受けており、観光庁として関係省庁に業界の実情をお伝えしている。」

JATA桑名「昨年12月に観光庁関係予算が発表された。一般財源が約141.6億円、出入国税約81億円、GoToトラベル予算を含めると約1兆4442億円。その予算を使ってどんな取り組みをしていくか❓」

観光庁田島「新たなGo To トラベル事業が約1.3兆円、地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化が約1000億円、地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出が約101億円、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業が約100億円、観光DX推進緊急対策事業が約2億円となっている。令和3年(2021年)度経済対策関係予算は令和4年(2022年)度予算と一体的に取り扱うものとして切れ目ない支援をしていく。予算には国内交流の回復・新たな交流市場の開拓、観光産業の変革、交流拡大により豊かさを実感できる地域の実現、国際交流の回復に向けた準備・質的な変革、以上4つのポイントがある。」

JATA桑名「旅行業界が最も関心を持っているのは需要喚起策。」

観光庁田島「準備の整った都道府県から県民割の対象に隣県を追加。さらに地域ブロックまで広げていく。全国規模での新たなGoToトラベル事業の実施も予定している。これまでの声を聴いたうえでの以下の5つの進化をさせていく。安全・安心な旅行環境の確保、中小事業者への配慮、旅行需要の平日への分散、地方への観光を支援するための配慮、ソフトランディング措置(GW後は都道府県による事業とし、地域の実情に応じて柔軟に割引率等を設定)。割引率や割引上限額は以前よりやや下げ、クーポンは平日と休日で差をつける。感染状況を見極めねばならず実際にいつ開始できるのかは未定。」

JATA桑名「ワーケーションの普及について」

観光庁田島「受け入れ側は積極的だが、送り出し側の企業がメリットを認めているとは言い難い。先進企業は積極的で個人の関心も高い。送り出し側の企業にメリットを説明しながら普及をはかっていく。」

JATA桑名「お試し期間などを設けてみては❓」

観光庁田島「モデル事業として企業と地域のマッチングと交通費の助成を行っている。観光庁としても多様な働き方を後押ししていきたい。」

ってゆーか、その前にテレワーク自体が言うほど普及してない。最初の緊急事態宣言以外は電車や道路が全然空いてないわけで、あの時大半の企業はテレワークなんかまともにやってなかったってことじゃん。しかしながら観光庁や親の国交省としてはそれを本当に推し進めようとすれば、鉄道会社を潰してしまう。この矛盾と一体どう折り合いをつけていくのだろう。現在テレワークをしている企業に対して補助金を出すとかが限界の気がする。

ワーケーションについてはまたここでも書いていけたらと思う。

JATA桑名「第2のふるさとづくりプロジェクトについても聞きたい。事例を見ているとどれも楽しそうで参加したくなる。」

観光庁田島「密を避け、自然環境に触れる旅へのニーズが増加。また大都市にはふるさとを持たない若者が増え、田舎に憧れを持って関わりを求める動きも存在。そこで第2のふるさとを作り、何度も地域に通う旅、帰る旅という新たなスタイルを推進・定着させ、地域が一体となって「稼げる地域」とし、地域活性化を図りたい。空き家を活用して滞在を柔軟にしたり、移動の足の確保、交通費など課題が多い。」

JATA桑名「対象は個人なのか❓」

観光庁田島「まずは企業の活動として始めていきたい。来年度は個人と企業の両面でモデル実証をしていく。」

観光産業の変革とこれから

JATA桑名「観光産業はデジタルに弱かったり、生産性が低いという課題がある」

観光庁田島「観光分野においても、デジタル技術の積極的な活用により、宿泊業における生産性向上、安全・安心な旅行環境の整備、観光地経営の高度化を図る。デジタル技術を活用し、密を避けたり、CRM(顧客管理マネジメント)を向上させたりしたい。」

JATA桑名「交流拡大による豊かさを実感できる地域の実現とはなにか❓」

観光庁田島「観光は地方創生の切り札といわれているが、その恩恵を感じられるようにしたい。消費額の拡大と地方への誘客拡大が必要。観光で稼げる地域をつくって、地域の持続可能な成長につなげ、その成果を関係者に分配していくことが求められる。」

JATA桑名「宿泊施設の再生、高付加価値化とは❓」

観光庁田島「観光地の顔となるような宿泊施設を構築するための改築・改修に対して支援を行う。非常に応募が多い。群馬県渋川市の伊香保温泉では廃屋撤去3件、宿泊施設改修16件による少人数客対応、アートイベントを活かした新たな集客を目指す統一化を持った事例が出てきた。」

画像2

JATA桑名「地域の稼げる看板商品の創出・促進について。コンテンツの創出については令和2年度補正予算でも措置をされていたが、違いも含めて教えてほしい。」

観光庁田島「地域の人が気づいていない観光コンテンツがまだまだ眠っている。そういったものをモニターツアーを通じて発見してもらおうという取り組み。今回は前回と違ってコンテンツの造成だけでなく販路拡大までを一体化させた支援。」

JATA桑名「SDGsについて聞きたい。」

観光庁田島「地域におけるマネジメント体制の構築、地域の負担に配慮した、その地域ならではの資源を活かしたコンテンツの造成・工夫、オーバーツーリズム等の弊害を生じさせないための受入環境の整備に取り組み、地域が観光のメリットを実感できることが持続可能な観光。住んでよし、訪れてよしの地域づくりを後押ししていく。」

JATA桑名「最後に国際交流の回復に向けた準備について。水際対策が継続しているなかでインバウンドの再開に対する見通しは暗い。どのような準備が必要か❓」

観光庁田島「再開時期はわからないが、準備は必要。宿泊事業者が行うサービス提供体制の強化、交通事業者等が行うキャッシュレス決済対応、バリアフリー化、観光列車の導入等、観光人材のインバウンド対応能力の向上、ハイブリッドMICEの開催促進に向けた取組等を支援していく。コロナ前は外国人消費額が目標の6割にしかならなかったことを踏まえると、富裕層の誘致を強める必要があり、現在有識者で議論している。外国人の訪日以降は極めて強く、清潔というイメージが評価されているようだ。感染状況などを見ながら、訪日プロモーションの再開やきめ細かなマーケティングをしていく。」

JATA桑名「観光立国推進基本計画の改定はどのような状況か❓」

観光庁田島「改定に向けては交通審議会の観光分科会でこれまで5回議論を重ねてきているが、昨年12月の会議ではオミクロン株の感染拡大により中長期的な見通しを立てることが難しいという結論が出た。感染状況を見つつ、中長期的な目標を立てていくことになる。」

JATA桑名「旅行業を含む観光業界に望まれることは❓」

観光庁田島「厳しい状況にあるけれど、日本経済と地域経済の重要な担い手であることに変わりはない。しかし、この状況で様々な課題も浮き彫りになっている。変革のチャンスと捉え、反転攻勢につなげていくという考え方も重要。引き続き官民一体に取り組むための支援をしていきたい。」

観光政策の影

多分この話の元になってると思う資料が落ちてたから貼っとくね。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/kanko_kaigi_dai39/siryou1.pdf

観光庁の考え方としては、変革の意思がある観光事業者を助ける、ということだと思う。

もちろん雇用調整金など、どんな会社でも要件が揃っていればお金が出るものもあるけど、ウィズコロナ、ポストコロナを見据え、コロナ前よりも強いビジネスモデルを目指そうと思えば、お金はいくらでも引き出せそう。

また、アウトバウンド(海外旅行)に対する支援がまったく考えられていない。

まず内需でしょ。っていうけど、まず、がいつまで続くのか。

この2年間ほぼニグレクトされてきたため、アウトバウンド専業ないし中心の旅行会社はかなり廃業してるんだよ。

添乗員の大半は自社雇用されてないから、結構他に転業している。先日添乗員さんと食事する機会があったけど、やはり別の業種で働いていた。ただ、戻る意思は満々だったけど。

このままコロナが明けても、アウトバウンドの会社も減っていれば、添乗員の成り手もない。供給側の理由で元になんか戻らないという未来がもう見えてしまっている。

アウトバウンドの会社が国内旅行に参入するにしたってノウハウなんかないし、そこに対する支援もなく、付け焼刃でやっていた某社が不正に走ってしまった。JATAの会長の会社だったという笑えない話。

日本の外貨を海外に垂れ流すアウトバウンドに支援する必要はないという意見に対しては、少なくても2つの理由で反駁できる。

まず日本人の国内旅行消費額、2019年は27.9兆円にも上るけど、このうち4.3%の1.2兆円は海外旅行の国内消費額。つまり、家から空港に移動したり、空港の近くに宿泊したり、空港で消費したりする額がここに含まれる。地方在住の人だと海外+東京観光っていうのも常識だったりするしね。

https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001342441.pdf

日本人が一人も海外旅行に行かず、国内旅行とインバウンドだけなら、少なくても1.2兆円が溶けるわけ。インバウンドの4分の1。これ決して小さい額じゃないよ。

もうひとつは出国税という俗称が定着している国際観光旅客税。令和2年(2020年)度予算では540億円もの財源になり、国内の観光インフラ整備に使われた。

画像2

2019年の入国者数3188万人に対して出国者数2008万人ということは約209億円が日本人の出国による税収になり、このお金が国内の観光インフラを強化して国内旅行とインバウンドの充実度に繋がっている。

アウトバウンドそのものの効果についても言いたいことはいくらでもあるけれど、少なくてもアウトバウンドが内需にとっても欠かせないものであることを示しておいた。

観光庁だってそういう恩恵を受けているはずなのに、どうしてアウトバウンドについて何の支援もしないのか。インバウンド再開の準備をするのは結構。それならアウトバウンドについても準備すべきなんじゃないの。

JATAはそもそもアウトバウンド企業が中心。

だからこの動画見ていた旅行屋のなかにはこのことについてモヤモヤしてた人も少なからずいると思う。

おわりに

細かく見ていけばお役所的なズレもあるかもしれないけど、アウトバウンド無視を除けば総じて観光業界のことをとてもよく考えてくれてるんだな、ってことはおわかりいただけたんじゃないかと思う。

観光庁、観光政策のいいところは政局に左右されないこと。ビジットジャパンキャンペーン以降、2度の政権交代もあったし、現政権も前政権とはだいぶ毛色違うけど、観光政策はその間ずっと一貫。

ちなみに省庁関係で困るのは、大半の省庁が個別になんちゃらツーリズムを推進していて、縦割りが酷いということ。観光庁は本来、各省庁別のそういうのをまとめる役割もあるはずだけど、現実にはそうなっていない。

我々旅行屋に求められるのは、観光政策をまずはきちんと把握して、利用できるものがあれば利用する、ということ。政策にベッタリでもいけないし(それがGo To不正につながる)、根拠もなく反抗するのも間違ってる。

さて、明日はJATA観光フォーラム篇を一度お休みして、さっき視察してきたこれについて書くことにする。

明日は 20:00から #Clubhouse#インドの衝撃 ( #インド大学 )』の講義もあるので、そっちも聴いてね。

それじゃあバイバイナマステ💜暑寒煮切でしたっ✨




















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?