パンダ🐼じゃ熊野に客寄せらんない

Kyoské OKA/厚沢部煮切

2023年2月16日 23:29

こんばんナマステ💙Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

和歌山でオーシャンアローを見かけてビックリした。

自分のなかでの認識は、オーシャンアローを退役させたためにくろしおが烈しくスピードダウンしたと思っていたんだけど、オーシャンアロー残ってるじゃん😅

交通政策として鉄道を色々調べることはあっても、決してマニアではないってこーゆーこと💦

己の無知は仕方ないとして。でも、だとしたらもっと問題なんだわ。

特急くろしおの最初は名古屋から紀伊半島を経由して天王寺へ向かっていたけれど、

三重側は未だに架線が貼られておらずディーゼルカーが走っているのに対して、和歌山側は1978年に端っこの新宮まで架線が引かれて電車が走るようになり、この時にくろしおと南紀に分かれた。

くろしおの終点は素直に新宮になったけど、南紀は直通需要のある紀伊勝浦まで今でも乗り入れている。

そしてこの電化の時に、イタリアを中心に開発されてきたティルティングトレインが導入された。

カーヴに差し掛かるとそれに合わせて車体を傾けさせることで遠心力を緩和させコーナリングを高速にする仕組みで、日本では振り子列車と呼ぶことが多い。

世界で一番有名なティルティングトレインであるイタリアのペンドリーノなど海外でも振り子を意味する単語がつけられていたりする。というより日本では振り子列車と呼ばれるのはペンドリーノの影響だろうね。

そしてくろしおの上級版、シャタブディエクスプレスに対するヴァンデバラトエクスプレスのようなかたちで投入されたのがオーシャンアローだった。

くろしおより更にコーナリング性能が上がっているのと同時に、乗り物酔いが続出して「げ●しお」なんて呼ばれた状況が改善されて乗り心地も断然良くなった。

オーシャンアローは当初車両の愛称だったけれど、列車名そのものになった。これは北陸線特急雷鳥用の新車として登場したサンダーバードも同じだった。

さて、このオーシャンアローは最盛期の2005年頃は天王寺ー新宮間を最速3時間18分で結んでいた何だかして、今のくろしおの最速は3時間47分にまで後退した。

ティルティングトレインは高いので、コスト面から傾斜しない普通の車両に置き換えられていき、オーシャンアローの名も消えた。

だからてっきりオーシャンアローは無くなってたと思ってたら、あれ❓いるじゃないかと。

置き換えられたのはオーシャンアローではなく、その前から走っていたティルティングトレインであり、オーシャンアローは現役を続けていたってことになる。

ということは、ティルティングトレインじゃないから遅くなったと思ってたんだけど、オーシャンアローまでもが劣化していたということになる。

なぜこんなことになってしまったのか。

まず、最盛期が2005年というのがミソ。

この年にJR西日本は福知山線で脱線事故を起こし、その理由が余裕の無さすぎるダイヤを組んでいたからだと批判された。

その結果「ゆとりダイヤ」を採用してJR西日本の列車は軒並み遅くなった。

これ自体はゆとりの量が適切であるかどうかさておき、遅くなるのは数分。

それは安全性もさることながら、定時性確保としても必要なことではある。

また、最速オーシャンアローは和歌山・御坊・紀伊田辺・白浜・串本・紀伊勝浦にしか停車していなかったけど、

現在は日根野・海南・周参見・古座・太地にも停車をする。

それで遅くなるのは10分くらい。

この2つの理由だけで3時間40分を超えたりしないよ。

しかも実は阪和線内で近年スピードアップをしていて、その前は3時間50分台が最速だったというから空いた口が塞がらない。

本来のポテンシャルより15分くらい遅く走っている。

単線だから、ゆとりが倍返しされるというのもあるかもだけど、それはダイヤの組み方である程度カヴァーできる。

結局のところ、傾斜しない車両との統一性を持たせてるせいだといえる。それの最速が3時間48分と1分しか差がないことからもわかる。

なぜそんなことをするのかというと、オーシャンアローが車検などで傾斜しない車両が代走してもいいようにしているのだと思う。

つまり実質的にオーシャンアローは廃車になったのと同然なんだよ。

やっぱり自分の認識は間違ってなかったんだ。

という自己弁護でした😜

それじゃあバイバイナマス…

いや、ちょっと待て💦

ブレイクスルーを考えなきゃ。

スピードダウンが何を齎しているかといえば、それは白浜以南の明確な衰退。

ただでさえ遅くなれば利用者は減るのに、

紀伊半島一周道路が着々と出来上がっていたり、

新宮・紀伊勝浦から大阪へは南紀で松阪へ向かって近鉄特急に乗り換えるルートにシフトされつつある。

新宮ー大阪難波間の所要時間は松阪での乗り換えを考えなければ3時間40分。

時間帯や目的地によっては選択肢に入るわけ。

この地域では人口はもちろん減っているけれど、熊野古道の世界遺産登録後に観光客は増えている。それでも全然それを取り込めていない。

7往復走っていた白浜ー新宮間は6往復に減便、それがさらに不便さに拍車をかけ利用者を減らすという悪循環が起こっている。

そして実際白浜以南廃止の可能性も出てきている。

そこで考えたいのは和歌山県出資による新車の導入で傾斜しない車両を追い出すこと。

その車両はティルティングトレインになるのかというと、それは違う。

JR東日本は中央線において、ティルティングトレインだったスーパーあずさの代わりに、そーじゃない車両を導入したけれどパフォーマンスを下げていない。

しかもあずさ、かいじの全てに導入して全体的な底上げも行っている。

どーやってそれをしたのかというと、モーターを小型化することで重心を低くして安定性を高めたこと、加速性能を上げたこと、そしてエアサスペンションを搭載してティルティングトレインほどじゃないけど車体を傾けさせてコーナリング性能を高めたことにある。故に簡易振り子と呼ばれるのだけど。

紀勢線でもこれによってオーシャンアローと同等の走行パフォーマンスと、それより低廉なコストパフォーマンスを実現してほしい。

また、6両編成の基本ユニットに臨時で白浜まで9両編成になる現状を3両編成1ユニットに改めて、白浜以南は3両編成にして1時間間隔にしてほしいと思う。

1時間間隔になるということは現在白浜止まりが停車して新宮行きは通過している箕島・藤並・湯浅・南部にも停車するということになる。

白浜での車両切り離しを考えると、3時間45分ってとこかな。

停車駅を増やした結果、今よりほとんど速くなってないけど逆にいえばそれだけ利便性は上がっている。

1時間に1回の乗車機会があれば松阪経由で大阪へ行く人は減り、利用はくろしおに奪い返せる。

来月からは大阪駅のうめきたホームに停車するようになるのも大きい。

この上で阪和線を含めた白浜以北のスピードアップにも和歌山県が投資をしていく必要がある。

既存の線路を高速化することも大事だけど、阪和線の和泉鳥取ー六十谷間をダイレクトに繋ぐバイパス線を建設すれば時短効果は大きい。

それよりもっと時短効果が大きいのは海南ー藤並間だけど、和歌山以南で海南の次に乗降の多い箕島を通らないのはどうかと思うので保留。

ここより南はバイパス線を造れば、輸送量的に既存線が廃止になることからもやはり保留。

こうしたことで3時間半を再び切ってくれればいいかなぁと。

パンダ列車で客寄せしたって、その人達は白浜にしか来ないからね。もっと未来思考が必要。

それじゃあバイバイナマステ💙暑寒煮切でしたっ✨

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