【Clubhouse連動】どうなるチャンドラヤーン3号🚀サティシュ=ダワン宇宙センターは見学できるのか
はじめに
こんばんナマステ💙Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️
今日は22時からのClubhouse『インドの衝撃(インド大学)』で話すインドの月探査機チャンドラヤーン3号とそのロケット発射場となったサティシュ=ダワン宇宙センターについて書いていくことにするよ‼️
日本のメディアも大きく取り上げたチャンドラヤーン3号の打ち上げだけに、インドの宇宙開発についても興味を持つ日本人が出てくるのかなって思って書くことにした。
早速、ランチしていこうじゃないの🚀
チャンドラヤーン3号が目指すナンキョク
今月14日の現地時間14時30分(日本時間18時)、アーンドラプラデーシュ州シュリーハリーコーターにあるサティシュ=ダワン宇宙センターにおいて月探査機チャンドラヤーン3号の発射に成功した。
もしかするとインドがロケットを飛ばせる国であること自体に驚いた人もいるかもしれない。
日本人のなかでの漠然とした宇宙開発競争のイメージはアメリカ🆚ソ連〜ロシアの構図に中国が割って入っており、日本はその次くらいに技術はあるけど自国で有人飛行する気なくてつまんないなぁ、という感じじゃないだろうか。
であるならば、今すぐその構図にインドを加えてもらいたい。
初代首相ネールーはIIT(インド工科大学)を設立して今日のIT大国となる基盤を築くなど科学技術について非常に重視していて、独立後まだ4年の1961年から宇宙開発を始めた。
思想を重んじて理想を追求したマハトマ=ガーンディーとは対極のリアリストで、独立の両輪ってところか。
1960年代はどちらかといえば西側諸国寄りだったインドはフランスやアメリカの協力を仰ぎながら研究開発を推し進めていき、1969年にはISRO(インド宇宙研究機関=Indian Space Research Organisation)が設立され、1970年にシュリーハリーコーター発射場(現在のサティシュ=ダワン宇宙センター)が完成、1972年に宇宙委員会と宇宙庁が設立と体制が整備されていった。
1970年代になるとソ連の協力も得始め、1980年には人工衛星ローヒニーRS1を軌道に乗せることに成功、これはソ連のスプートニク、アメリカ、フランス、日本、中国、イギリスに次ぐ7ヵ国目だった。
1980年代から90年代にかけて宇宙技術の内製化に力を注ぎ、今では7大宇宙強国の一角をなしている。
特に2017年にはPSLVロケットに104基の人工衛星を積み、そのすべてを周回軌道に乗せるというとんでもないことをやりのけて世界を驚かせた。
一方で2003年に月面を探査するチャンドラヤーン計画が発表された。
チャンドラは月(の神)、ヤーンは乗り物を指す。
月面を探査するには、まずロケットでチャンドラヤーンを飛ばし、月の周回軌道に乗り、そして一部を切り離して月面に着陸させるという3つの段階を踏む。単に機械を着陸させて静止したまま調査することを探査、着陸した機会が自走して月面を動き回ることを探索と呼ぶ。
2008年にチャンドラヤーン1号がサティシュ=ダワン宇宙センターから発射され、月の周回軌道に乗せ、一部を切り離して月面着陸に成功、月に水の存在があることを明らかにした。
さらに月面でを自走しての探索を目指したチャンドラヤーン2号が2019年に発射され、月の周回軌道には乗るものの、切り離した探索機が月面の軟着陸に失敗。南極近くに落下してバラバラになっているところをNASAに撮影された。
チャンドラヤーン2号の失敗を受けて3号が急遽計画され、今月14日にLVM-3というロケットに載せてサティシュ=ダワン宇宙センターを飛び立った。月の南極を探索する意向だが、今回は軟着陸できるだろうか。
探索機を無事着陸させ、探索に成功すればロシア、アメリカ、中国に次ぐ4ヵ国目となり、かつ南極は未踏の地であり、探索できれば大快挙となる。ただし、着陸は極めて難しい。
これとは別にマーズオービターミッションとして2013年に打ち上げた火星周回探査機マンガルヤーンを翌年火星の周回軌道に乗せており、アジア初の快挙。マンガルは火星という意味なのは想像つくよね❓
また、当初の計画からは遅れてはいるものの有人宇宙飛行も計画されており、サティシュ=ダワン宇宙センターの第2発射台を改修する予定(当初は第3発射台を新設する計画だった)。また宇宙ステーションの計画もある。
技術力の貴賤はなんともいえないけれど、宇宙開発の意欲については日本をとっくに上回り、3大国に本気で挑もうとしている。
インドの玄関❓サティシュ=ダワン宇宙センター
1970年に完成してから今日までロケットの発射が続けられ、さらに有人宇宙飛行の発射場になろうともしているサティシュ=ダワン宇宙センターとはどんなところなのか。
前述の通り、アーンドラブラーデシュ州のシュリーハリーコーターにあり、完成当初はシュリーハリーコーター発射場と呼ばれた。
2002年にISROの前局長の死を受けてその名に改称されて現在に至る。
シュリーハリーコーターはアーンドラブラーデシュ州だけれど南東端にあり、最寄りの都市はタミルナードゥ州の州都チェンナイとなる。
チェンナイから北に約100kmで車なら約2時間で到着するし、最寄りのサルルーペータ駅までは1時間少し。サルルーペータ駅からは東に23km、オートリキシャなどをチャーターして30分ほどで行くことができる。
シュリーハリーコーターは汽水湖であるプリカット湖の砂洲で、東に海が面するその地形はアメリカのケネディ宇宙センターがあるフロリダ州ケープカナベラルによく似ているほか、東に海があり至近に汽水湖がある地形は茨城県の涸沼っぽくもある。
シュリーハリーコーターとケープカナベラルの地形が似ていることは偶然ではなく、ロケットを発射するには「天国へ行く方法」を実践した者の幽波紋が時を加速する能力に進化するほどに引力の弱い赤道近くで、かつ地球の自転方向である東向きに発射するため東側に海があるのが望ましい。かつ、落下の危険性を考えれば周辺の人口密度が低いことが必須条件。
種子島だってそうだし、中国は軍事との兼ね合いで内陸が多かったけど現在は海南島の文昌(ウェンチャン)衛星発射場が主でやはり低緯度かつ東が海になっている。
ロシアは流石に海というのはないけど、旧ソ連のなかでは低緯度のカザフスタンのチュラタムにあるバイコヌール宇宙基地を今でも租借している。
サティシュ=ダワン宇宙センターのなかには2台のロケット発射台やISROの研究機関、ロケット打ち上げを見学するための5,000人を収容できるISROロケット発射観覧桟敷、ISRO宇宙博物館などがありる。
近くて遠いサティシュ=ダワン宇宙センター
では、サティシュ=ダワン宇宙センターを種子島宇宙センターやケネディ宇宙センターのように見学できるのか。
観光コースに組み込めるのか、といえば答えはNoだがYesともいえる。
サティシュ=ダワン宇宙センターへ入る方法は3通り存在する。
ひとつは学校教員が申し込めば、生徒達の遠足や旅行のために入れてもらえる。ただし、インド国籍の生徒に限り、留学生などは不可となる。
次にISROの職員が許可すれば入れてもらえるけれど、これもインド国籍に限られる。
この2つに関しては、ISROの職員が博物館などをガイドするツアー形式になっており自由行動は許されない。
最後にロケット発射の見学をインド国民に限り受け付けている。この時はあくまで発射の見学だけになり、観覧桟敷以外の場所に行くことは許されない。
ロケット発射の前後には他の施設が閉鎖され、学校やISRO職員の招待によるツアーは中止となる。
宇宙開発はどこかの島国を除けば軍事と密接な繋がりがあり国家機密なのはわかるけれども、アメリカどころかロシアや中国でもある程度見学させてくれることを思えばなんともケチくさい話ではある。
現場で鉄のカーテンをこじ開けられるとしたら、政府要人級のコネクションを立てて、かつまとまった送客ができるツアーでなきゃダメだろうね。
前者はどーにでもなるけど、後者は今の日本人の関心度合いでは厳しい。
ただ、『RRR』のように今インドの何かというのは突然メガヒットする要素がある。
ましてここは『RRR』と同じテルグ語圏であり、チャンドラヤーン3号が成功して、そこからテルグ語映画ができるようなことがあれば、サティシュ=ダワン宇宙センターに日本人の目が向くことはありうる。
とはいうものの、チャンドラヤーン3号が成功したら、一気に外国人の入場を開放しそうな気もするけど。
今はチャンドラヤーン2号の失敗でナーヴァスになっているのが一気に反転するだろうし、モディ政権はシーマダルシャン(ボーダーツーリズム)といってパキスタンとの国境線に観光客を集めることによって安全保障力を高めるという政策もやっている。
これは韓国の軍事政権が国境観光を謳って板門店に観光客を呼んだのとまったく同じ論理。
だから軍事に近いことであっても、状況が変われば逆に人を呼び始めるようなことが往々にしてありうる。
それはまだどうなるかわかんないけれど、湖に面した開放的な地形だけに遠巻きからサティシュ=ダワン宇宙センターを眺めることは可能。
プリカット湖は野生動物の宝庫で、特に冬は多くの鳥が飛来して年末年始はフラミンゴ祭りが行われる。
今年の年末年始の予定がまだの方はこれで行くところ決まったんじゃないの⁉️
逆に夏場は水が干上がり、ウユニ塩湖のような白い世界が楽しめるし、チェンナイからプリカット湖に来るとオランダ人が建てた史跡があったり、漁師による伝統的な漁も垣間見えたりして1日過ごすことだってできるくらいコンテンツは豊富。
そんな中の楽しみのひとつとしてサティシュ=ダワン宇宙センターを遠巻きから眺めればいいのではないだろうか。
先述したようにチェンナイから行きやすいし、プリカット湖から西へ90km、車で2.5時間ほど向かえば、巡礼者数世界一と言われるティルマラ寺院の門前町ティルパティがある。
プリカット湖とティルパティはアーンドラプラーデシュ州にあるためにチェンナイ近郊の観光地であるマハーバリープラムやカーンチープラムと比較すると国外からの知名度は低いけれど、それらに劣らない魅力があるし、
ティルパティから南に110km、車で約3時間行けばそのカーンチープラムに着く。
チェンナイを起点にマハーバリープラム〜プドゥチェリ(ポンディシェリ)〜カーンチープラム〜ティルパティ〜プリカット湖と一筆書きでとても有意義な旅ができるわけ。
このエリアを巡るならタミルとアーンドラの文化の違いも楽しんでほしい。
日本人のイメージする代表的な南インド料理であるタミル料理と激辛かつ北インド・東インドの要素も融合したアーンドラ料理を食べ較べたり、アーンドラのテルグ語もまた北インドのサンスクリット語の影響を受けているためタミル語とは全然違う。音楽や今話題の映画をそれぞれで鑑賞すれば、違いの面白さにどハマりするはず。
チェンナイの魅力はお手軽に2つの文化、いやフランス文化の残るプドゥチェリも含めれば3つの文化が楽しめることだと思うのに、どうしてかタミル側ばかり紹介されるのは残念。広島県の宮島に泊まって山口県の錦帯橋に行かないようなもんだよ、それは。
こういう何でもかんでもではなく、もう少しインドの宇宙開発について深く知りたいと思うなら、デリー経由のベンガルールIN、チェンナイOUTにしてみたらどうか。
ベンガルールではISROとも密接なつながりのあるHAL(ヒンドゥスタン航空機社=Hindustan Aeronautics Limited)が運営する航空宇宙博物館があり、デリーでは空港に隣接するかたちで空軍博物館があり宇宙についての展示もある。
まずベンガルールに降り立って航空宇宙博物館を見学、ISROの本拠地でもあるのでコネクションがあるなら職員の話を聴いてもいい。
ベンガルールからプリカット湖まで車で7時間ほど、1日で移動できなくもないし、途中どこかに泊まってもいい。
帰りはチェンナイを午前中に出て、夜日本へ戻る飛行機が出るまでの間に空軍博物館へ行けばいい。
インド❌宇宙開発というコアなニーズを持った人が果たしているのかどうかはわからないけど。
おわりに
いつかサティシュ=ダワン宇宙センターからの宇宙旅行が実現して、宇宙とインドをセットにした旅行を売りたいなぁ🚀
インド旅行業界最大の夢だと思うけど、こんなこと言ったら同業者には冥王星のような冷たい目で見られそう🥶
とりあえず精神的な宇宙を説きがちのインド信者はニガテなので、自分はリアルな宇宙とインドのコラボに期待することにしたい。
ロシアや中国よりも見学者に対する閉鎖的な姿勢には項垂れるけどさ。
それじゃあバイバイナマステ💙暑寒煮切でしたっ✨
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?