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相鉄・JR直通線はオワコンか

昨日は、来年3月開業が決まった #新横浜線 について失望と改善案を書いた。

そこで浮かび上がってくるのは先行開業していた #相鉄JR直通線 の今後の帰趨。

新横浜線ができると、同じ武蔵小杉を経由して、特に東横線だと渋谷・新宿でもカブってしまう。

東急直通とJR直通の比較はのちほど書いていくけど、ひとまずやる気次第で本数を増やせる東急と、思うように増やせないJRでは勝負も見えてくるのではないか。

そして何よりも相鉄・JR直通線は利用者に歓迎されていない。

コロナのせいにしてるけど、コロナで減っている鉄道需要は概ね2割ほど。期待値100に対して現状が80ならコロナのせいにできるけど、現状は50。コロナがなければ62.5にしかならないことになる。新横浜線と関係なく存在価値を見直さなければいけないことは明らかだ。

元々は「 #神奈川東部方面線 」という名称で、地下鉄と繋がる #東急目黒線 、平塚または東海道新幹線の「相模新駅」に向かう #相鉄いずみ野線 を繋げる壮大な構想の一環。

最初は東急と #相鉄 のバイパスを鶴ヶ峰に通して、鶴ヶ峰から二俣川までは複々線にするようなことも言われていた。

ひと昔前は相鉄の沿線需要が右肩上がりで、二俣川から横浜まで地下急行線を造るとまで言われてたぐらい。

でも、横浜で降りる人の6割以上はJR、京急、東急で東京方面に向かうというデータもあって、それなら動線に沿う「神奈川東部方面線」の方が理に適ってることになる。

ただ、横浜駅に投資してきた相鉄として、横浜駅に寄ってくれない人が増えることは痛し痒しでもあった。相鉄が本気で動かなかったのもそこにある。

ところが風向きが変わってきて、相鉄は沿線人口の減少に悩まされることになる。リンク先から引っ張ってくると、

相鉄の輸送人員は近年低迷している。年間輸送人員がピークをつけたのは1995年度。その後9年連続で減少。いったん持ち直したものの、現在、再びマイナス傾向にある。神奈川県内を走る大手私鉄、東急、小田急電鉄、京浜急行電鉄の輸送人員が基本的に増加基調にあるのと比べ、相鉄の苦戦が目立つ。

この要因の一つに沿線の急ピッチな高齢化がある。相鉄沿線の中心部分を占めるのが、二俣川などの駅がある横浜市旭区。旭区は65歳以上の高齢化率が24・1%と市内で最も高い(横浜市平均は19・6%)。それまでの農地や山林が戦後、住宅地として一気に開発され、急激に人口の増加した地域が多い。

ってところ。

これまで東京に向かう人がわざわざ横浜で乗り換えること自体が異常だったんだけどね。都心や乗り換えなしの路線沿線に住めるなら絶対その方がいいじゃん。

相鉄沿線にはせいぜいズーラシアくらいしか目立った観光施設もなく、あとは最強の集客施設として二俣川の運転免許センターがあるくらい。大学も横浜国立大学をはじめいくつかしかない。

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ラッシュと逆方向だったり、日中や土日祝日の需要が多くないから、どうしたって経営効率は悪い。

これまで横浜駅への需要が圧倒的過ぎて、かつ沿線住民がどんどん増えていたので、横浜駅に投資を集中した方が効率がよくて、他の私鉄のように沿線開発を重視したこなかった。

ついでにいうと小田急の複々線化が一向に進まなかったことで、小田急から相鉄経由で都内へ向かう人も多かったので、これもドル箱になった。

そうした前提が崩れてきた時、相鉄は「神奈川東部方面線」に泣きついた。

だけどイマドキバイパス線を整備することすらひと苦労で大きなお金と時間を要する。そこで相鉄は自社の路線のすぐ近くをJRの #東海道貨物線 が走ってることに目をつける。

特に自社の西谷駅とJRの羽沢貨物駅が近いのは好都合だった。西谷は既に追い越し駅としてホームが2つあったし、貨物駅ならスペースは充分にあるからだ。

JRとしても、大崎の近くにある横須賀線と湘南新宿ラインのジャンクション(旧蛇窪信号場、現在は大崎駅扱い)で横須賀線と湘南新宿ラインが平面交差になっているのを解消する見込みがあり増発ができるはずだったから、この構想に乗った。

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これが2004年のことだけど、18年近く経って未だにジャンクションは改善されておらず、湘南新宿ラインは思うように本数を増やさないでいる。また、これが支障になってダイヤが乱れる原因にもなっている。

何はともあれ2019年11月30日に直通運転が始まったはものの、平日の朝で1時間に4本、日中は2〜3本と本数は極めて少ない。

しかも横浜経由より運賃が高く、例えば二俣川から渋谷だと、横浜から東急経由で471円、横浜からJR経由で595円、直通電車だと769円(いずれもIC運賃、この先も同様)と大きな差がある。

新線の整備費用を早く回収したいのはわかるけど、もう少し競合を意識した値付けにしないと話にならない。

当初、相鉄線内は半数が特急だったのに、昨年3月のダイヤ改正では日中は各停になってしまった。沿線客を広く集めたい意図はわかるけれど、遅くなれば時間短縮効果は薄れるし、車両の回転率も大幅に悪くなり経費は増える。しかも昨日書いたように、各駅停車は生活インフラであってJR側のダイヤ乱れでそれが乱れるのは決していいことではない。いろんな意味で悪循環に陥ってしまっている。

ここに来て新横浜線が開業したら、相鉄・JR直通線は廃止になるんじゃないかとすら思う。

どーなるのかなぁって思っていたら、新横浜線の叩き台を見て絶句してしまった。

その内容は、東横線から相鉄への直通は少なくても日中はないし、しかも東横線からの新横浜直通は各停になる見込み。

JR直通が素晴らしいサーヴィスを提供していて勝ち目がないならいいけど、はっきり言って酷いサーヴィスに対して忖度して何になるんだろう。それって利用者を馬鹿にしてるよね💢

そうであったとしても、目黒線の急行が相鉄線内では特急になることも見込めるので、JR直通にとっては安心してはいられない状況がある。

そこで昨日予想した内容から、目黒線急行→東横線乗り換えとJR直通の競争力を比較してみる。

新横浜線の運賃については以下の前提にする。

①東急は恐らく新横浜線の開業に合わせて値上げを発表しており、12.9%値上げするのでそれを反映する。ひとまず東急以外は値上げしないものと考える。

②相鉄・JR直通線の羽沢横浜国大ー西谷は30円の加算運賃を設定しており、新横浜線においても新綱島ー新横浜、新横浜ー羽沢横浜国大で30円ずつ加算するものとする。日吉ー新綱島の加算は常識的に考えればできず綱島と同一と考える。

まず、渋谷ー二俣川で考えると、JR直通は44分前後、運賃は前述の通り769円、約30分に1本。

これに対して東急直通の場合は、昨日の予測から武蔵小杉ー二俣川は元住吉・鶴ヶ峰通過で22分。渋谷ー武蔵小杉はFライナーで13分。現在武蔵小杉ではFライナーと目黒線急行が3分で接続しているので38分になる。以前は同じ時間に接続するようにしていたのを混雑緩和とかダイヤの乱れを防ぐためにわざとずらすように変えた経緯があるので、これを戻したら35分にできてしまう。ずらした理由も大事なことなので完全に戻すかはわからないけど、1〜2分ずれを是正する可能性は大いにある。ただ、見かけ上は速くてもいくら同じホームとはいえ武蔵小杉で乗り換えがあることと渋谷が地下であることは不利に働く。湘南新宿ラインが成功しているのは東横線の駅が不便だからという理由もあるわけで。

運賃は東急の渋谷ー新横浜が19.4km、現行なら251円なので12.9%値上げすると端数切り上げで284円、相鉄は新横浜ー二俣川が9.9kmで199円。したがって渋谷ー二俣川は284円+199円+新横浜線加算運賃90円となり、573円となる。JRより200円近く安い💥

しかし新宿/新宿三丁目ー二俣川で見ると、JR直通は変わらず769円なのに対して、東急直通はメトロ分の168円が加わり741円と拮抗する新宿三丁目というのも微妙。意外とJR直通はいけるかもしれない。

ただし、JR直通は思うように増発ができないのに対して東急直通はやる気次第で増発可能。

ここで昨日書いた改善案を引っ張ると、東急直通は目黒線急行+東横線Fライナーに加え、副都心線池袋直通急行も出てくる。つまり30分間に2回利用できることになるので、JRより利便性はかなり上がる。

もちろん東横線と湘南新宿ラインがそうであるように共存共栄もできるだろうけど、それならばJR直通はJRにしかできないことをした方がいいんじゃないのか。

それが昨日も最後にチラッとだけ書いた、横須賀線品川行きへの振替。そのまま横須賀線を進んで東京駅まで行ってもいいのだけど、兎に角東急には逆立ちしてもできないこのルートに切り替えた方がいい。

いくら品川が近年大発展を遂げていて、かつリニアも来るとはいっても渋谷・新宿よりは需要は少ないように見える。ただしそれはそれなりのシェアを確保できてからの話だ。

相鉄・JR直通線のライバルは東横線だけじゃない。海老名や大和からではどうしたって複々線化でブイブイいわせている小田急には敵わない。大和ー渋谷なら東急田園都市線というライバルもいる。

だけど品川行きならば、海老名や大和、さらには海老名乗り継ぎで本厚木方面からの利用も呼び込める。

実は東海道貨物線や横須賀線が東海道線と比較して迂回ルートを通っているために、品川ー二俣川では横浜乗り継ぎと比較して時短効果がないうえに100円以上高い。しかも結局本数も少ない。

それでも乗り換えが減ることで、それなりの人気を集めるだろう。少なくても渋谷・新宿で東急とシェアを奪い合うよりは得策だと思う。

これを上回る抜本的なやり方というのも実はある。だけど今すぐにできることではないから、それについてはまた明日書くことにするね💫

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