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岐阜市型とかいらないよ

こんばんなまらステ❤️Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ⭐️

各SNS見てくれてる人はわかっていただけてると思うけど、この4日間岐阜と愛知にいて今夜帰る。

んで気になったトピックとして「岐阜市型BRT」というのがある。

タイトルの通りだけど、まじでこれ疑問しかない。

というのはBRT、即ちBus Rapid TransitはBusがRapidなTransitであり、そこに我流とかローカライズという概念は不要だと考えているから。

Rapidの基準は嚆矢であるクリティバ🇧🇷をはじめ、世界各地の基準を見る限り表定速度(停車時間を含めた平均速度)20km/h以上と考えるのが妥当だろう。

それと共に定時性も重要なファクター。

こうしたものを追究してきた結果として連節バスが使われるケースが多いけれど、連節バスを使っていても遅かったり定時性に欠けるものもあれば、普通のバスでも充分にBRTの基準たりうるものもある。

ひとまず岐阜市の連節バスに名付けられている「清流ライナー」に乗った結果としては混雑で1分遅れで出発したのもそーなんだけど、定刻5分遅れで到着したので4分遅れたことになる。

乗った区間は4.9kmと推計され14分で結ぶ予定だったので、定刻通りなら表定速度は21km/hだけど、遅れた結果16.3km/hまで低下してしまった。

途中の停留所の乗り降りはほとんどなかったし、ほとんどみんなICカードタッチで乗り降りする信用乗車のような感じになっていて乗降にそんなに時間がかかった様子はない。

つまり単純に信号や渋滞で遅れたということ。

ってことはBRTの水準といえる定時性のマネジメントがそもそもできてないってことになる。

秒単位で実態を把握してダイヤを組めばいいのかもしれないけど、それをやると表定速度があかんわけで。

車内の混雑、つまり強烈な需要を見て「清流ライナー」自体は必要だと思ったけど、それをBRTとか言う必要あるのかな。

幕張をはじめ連節バスを使ってるところの多くはBRTなんて名乗ってないし、今の日本でBRTを名乗っているところというと鉄道路線の代替、それに新潟、東京臨海地区でも連節バスを使っていないか、使っててもそれに統一されているわけじゃない。

多少バスレーンを整備したり、バス路線を再編したりといった取り組みもしているけれど、別にBRTを名乗る必要はない。

BRTの資質たりえないことがわかってるから岐阜市型とか言い出すんだけど、ホントやめてくれ。

ちなみにもう少し詳しい取り組みを見てみると、

https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/hrt54/com_policy/pdf/H290223brt-toyama.pdf

岐阜市はかなり頑張っている。ここまできちんとバスと向き合っている自治体自体が少ないとすら思う。

市営バスを譲渡して名鉄グループの岐阜バス(岐阜乗合自動車株式会社)がほとんど独占しており、岐阜バスと岐阜市のマンツーマンの関係で済むことがまず大きいけどね。

ただし細かい輸送は株式会社日本タクシーに委託したコミュニティバスが担っているけれど、岐阜バスと対立する関係でもないから、岐阜市の仲立ちによって双方の連携もされている。

市町村合併の結果、旧柳津町のみ名阪近鉄バス株式会社、近鉄グループというかその下の三重交通グループが走っているけれど、岐阜市街には無関係。

今回岐阜県に行ってみて、知らなかったわけじゃないけど実感したのは大垣を中心に名阪近鉄バスのテリトリー、つまり近鉄系のテリトリーになっていて、名鉄系のテリトリーである岐阜市周辺とは毛色が違うんだな、っていうこと。

大垣に乗り入れる養老鉄道は近鉄の完全子会社だけど、実際には沿線自治体の支援スキームを受けて走らせている。

その近鉄が岐阜、名鉄が大垣への乗り入れを画策して両社が激突したこともあり、岐阜羽島駅に名鉄が乗り入れたのはそーゆーこと。名鉄系のバスは撤退してしまったけど名鉄電車は15分間隔で運行しているし、名阪近鉄バスも大垣から乗り入れていて両グループ混在の地になっている。

兎に角ね、岐阜市型バスシステムとかバスルネッサンスでもなんでもいいけれど、それを推し進めて世界基準のBRTを目指すといえば、完全に応援したんだけど、中途半端なものを名乗った上に居直られるのは腹が立つ。

ただ、岐阜市の気持ちもわかんなくはないんだよ。

元はといえば岐阜市は路面電車廃止派だったけれど、晩年はどちらかというと残す方に動いていた。

それに対して岐阜県警と岐阜県が非協力的、というか岐阜県警はガチ廃止派だった。

ここで岐阜の街を見ていくと、金華山(稲葉山)の麓の「岐阜」(斎藤道三の時代は「井ノ口」と呼ばれていたのを織田信長が改めた)と中山道の宿場町「加納」の二重構造になっている。

織田家の没落後、中山道が整備されたこともあり加納に城ができてそちらが栄えるのだけど、県庁所在地に選ばれたのは岐阜の方で官庁が集中した。

一方で加納には東海道線や現在の名鉄が岐阜駅を設置し、歩いて30分程度の岐阜と加納は一体化していく。

そしてその間の柳ヶ瀬や徹明町が商業・歓楽エリアになっていき、路面電車がこれらを有機的に結びつけていた。

しかしながらモーターリゼーションの進展にいち早く反応して1966年に県庁が郊外の薮田南に移転、県警もついていき、その後県警は独立した庁舎を県庁の隣に建て、県庁も今年旧県庁の隣に移転した。

県庁・県警が岐阜城下町離れたことで大企業の支社・営業所も岐阜城下町から離れていくから、岐阜城下町や柳ヶ瀬の衰退を招いただけでなく、

県庁・県警の思考も車社会中心になり、中心市街地や路面電車を守ろうとはしなくなった。

ということで路面電車は廃止され、柳ヶ瀬は死んだけれど、元々路面電車で形造られていた都市なので公共交通で移動する動線は根強い。

ということで岐阜市はバス改革に動いたわけだけど、県庁や県警が非協力的だからやれることは限られてしまう。

恒久的なバスレーンを置いたり、バス優先信号を設置したり、といったことでどうしても蹴つまずいてしまい、思い描くBRT像に辿り着けない状況にある。

岐阜市型BRTを謳うのはささやかな抵抗の意味もあるじゃないかなと。

幸い国土交通省は岐阜の取り組みを応援しているので、市と国と名鉄グループが手を取り合ってやれるところから改革していくしかない。

何にせよ岐阜市型BRTと言い張るではなく岐阜にBRTが走ることを目指してくれ。

岐阜市型とか言い出した時点で世界基準を目指すつもりがないと断定してよかろう。

それじゃあバイバイなまらステ❤️厚沢部煮切でしたっ✨



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