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2023開業予定の鉄道新線を斬る③宇都宮ライトライン

こんばんナマステ💛🖤Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

今年開業予定の東急・相鉄新横浜線(日吉ー新横浜ー羽沢横浜国大)、福岡市営地下鉄七隈線(天神南ー博多)、宇都宮ライトラインをひとつずつ効果と改善点を見ていく3日間の最終回だよ💫

今日見ていくのは今年8月の開業を予定している宇都宮ライトライン。

宇都宮ライトレール株式会社が運営する宇都宮芳賀ライトレール線が正式名称で、そのニックネームがライトラインとなっている。

ライトラインの「ライト」はもちろんライトレールのLightであるとともに、宇都宮のニックネームである「雷都」をかけている。

栃木や群馬は雷が多く、群馬のお米にはゴロピカリの名がつくなど、栃木や群馬の人にとって雷は忌避すべきものではなく誇るものらしい⚡️⚡️⚡️

したがってライトラインの車両デザインももちろんサンダーテイスト⚡️⚡️⚡️

宇都宮市東部にある清原工業団地と宇都宮駅を結ぶLRTを建設するというのは今世紀に入ってからずーっと言われていて、交通渋滞が激しくて「宇都宮駅から清原は東京より遠い」なんて揶揄されていた。

東京へは小山を通過する東北新幹線やまびこ号が48分で結んでいるから、約10km東にある清原へはそれよりも時間がかかったことになる。

そこでLRTということになったけれど、90年代から2000年代は日本全国至るところでそんなことが言われていた。

それは確かに既存の路面電車に低床バリアフリー車や連節車が入り、広島や福井では路面電車と郊外電車との直通運転が進み、富山ではローカル線がLRTに生まれ変わるなどの大きな影響を与えたけど、ド新規の敷設はひとつもなかった。

だけど宇都宮は意志を曲げず、とうとう実現することになった。掃除当番のときほうき片手に「ロックンロールで世界を変えてみせる」と言ってた子が本気でそーなってしまったような衝撃がある。

したがってライトラインが成功したらLRTは一気に地域交通の成功モデルとして注目を浴び始め、再び全国にLRT構想ブームは起きるだろう。

反対論もあったけど市や県の粘り強さを市民輿論が根強く支持したことに加えて、最大の抵抗勢力だった市内の路線バスの大半を走らせている関東自動車が一昨年にみちのりホールディングス傘下となってから態度を一変させライトラインに経営参加することになり一気に事が進んだ。

清原まで来ればすぐそこはもう芳賀町、ということで事業化段階で加わることになり、JR宇都宮駅東口から芳賀町内にある芳賀・高根沢工業団地の本田技研正門前までの14.6kmが第1期開業区間となった。

第2期開業区間はJR宇都宮駅を高架で越えて宇都宮のダウンタウンを通って駒生町の栃木県教育会館前までとなる予定。ここはそれこそ関東自動車が絶対反対していたところを味方につけた瞬間から話がトントン拍子に進んでいる。

さらに近年観光地として大人気の大谷資料館方面へ伸ばす話にもなっていて、観光路線としても活躍することになりそう。

また、東武宇都宮駅付近から南側や終点の2つ手前の芳賀町工業団地管理センター前停留場から芳賀町中心部方面への支線が検討されているほか、JR在来線、東武宇都宮線、真岡鉄道といった近隣の鉄道への直通を見越してレールの幅を揃えていて、これらへの乗り入れもありうる。

ということで宇都宮のみんなが歓迎しているものにケチをつけたくはないけれど宇都宮の人達はLRTをちゃんと知らないわけだから、こんなはずじゃなかった😭にならぬよう外からの目をつけておこう。

全線14.6kmを普通が44分で結ぶとされていて、停車時間を含めた平均速度(表定速度という)は20km/hをギリギリ割り込む程度。

日本の既存路面電車は10km/h台前半が大半なので遥かに速く、欧米のLRTの基準にも一応達している。

さらに快速を走らせ、37〜38分になるといい表定速度は23km/h程度になる。そのために途中2箇所に追い越し設備を置く。

最高速度は日本の既存路面電車と変わらぬ40km/hで始めるけれど、14.6kmの区間に19しか停留場が置かれず平均距離が近郊電車並みの0.81kmと長いのと、信用乗車といって乗降の際にいちいち運賃収受を確認しない欧米では当たり前のやり方を日本の路面電車で初めて採用するためすべてのドアを開けるので乗降時間が減って速く走れるし定時性も増す。少数の不正乗車を捜すコストよりも、電車を速くダイヤに正確に走らせる方が効率がいいという判断に基づく。日本の他の都市でもやるべきだと思う。

40km/hというのは軌道法という戦前にできた法律に基づくカビの生えた規制によるもので、併用する道路は50km/hなのにおかしい。ライトラインでは国交省からの認可が出れば50km/hへ向上するとのことだけど、そもそもこの酷い法律が何故変わらないのだろう。

路面電車が併用道路に合わせて5〜60km/h反対する国会議員なんてひとりもいないはずで、日本の国会議員がまったく仕事をしてこなかった証左。次の選挙で現役議員は全員落とすべきでしょ。

ひとまず道路併用区間では50km/h、鬼怒川を渡る軌道専用区間では70km/hで走る準備はできており、普通は40分(表定速度21.9km/h)、快速は33分(同26.5km/h)になる。

今の内閣総理大臣は日本で一番の路面電車ネットワークのある都市から選出のはずなので、この政権の間に実現を迫りたい。つーか軌道法の条文をちょろっと書き換えるだけで反対する議員の存在自体が考えられないんだから次の国会でさっさとやれば、ライトラインの開業に間に合うはず。

ダイヤについても疑問がある。昼間は普通のみ1時間に6本、つまり10分に1本、ピークタイムは普通と快速を合わせて1時間に10本だという。昼間より普通が減るとは考えにくいので普通8本、快速2本かな。

そーじゃなくて快速をデフォルトにしなければいけない。昼間は快速と普通を10分に1本ずつ、ピークタイムは7.5分に1本ずつ。コストはもちろん嵩むけども、地域振興効果は絶大なものになる。車両が足りないにしてもせめて普通の半数は快速が欲しい。

しかしながら規制緩和後の速度であっても、例えばJR宇都宮駅から石橋(14.1km)まで11分、氏家(17.6km)まで16分、下野花岡(15.6km)まで20分、鹿沼(14.3km)まで14分、東武宇都宮から国谷(13.5km)まで20分というのを見ると愕然とする差がある。

地元では宮環と呼ばれる宇都宮環状道路の内側では路面電車としてのメリットもあるけど、そこから先は専用軌道にして100km/hくらいは出してほしかった。郊外でも併用軌道になっているのは疑問しかない。

宮環の外側では今後、車道との分離を推し進めて高速化を図ると共に、西側区間では同じ轍を踏まないでもらいたい。

はっきり言ってこの程度の速度ならバスでも出せたわけで、BRTにした方がいいと思っていた。鬼怒川渡河区間ではガイドウェイを設置すればアデレード🇦🇺のように100km/hまで出せる。

ただ、宇都宮市内のLRT建設反対論者の主張を見ても「バスの改良」こそ口にすれど国内外のバスの先進事例をきちんと学んだと思われるものは知る限りひとつもなく、そもそもディベートになってなかった。自分が宇都宮市民ならもっと全力で反対したのになぁ。

過ぎたことを言っても仕方ないのでLRTを選んでしまった以上は、とことんその利点を活かせる展開にしなきゃいけない。

それは将来的に3連節バスを超える輸送力の車両を運用するとともに、JRや東武電車に乗り入れること。そのとき70km/hしか出せない車両は足手纏いになるので、特にJR東北線に合わせた120km/hを出せるようにしてもらいたい。

西側区間を整備するにあたりJR宇都宮駅の北側を高架で乗り越える予定なので、ここから西側区間からJRの黒磯方面へのアプローチ線は設置しやすい。

輸送力を考えれば、東京方面への乗り入れはしづらいので黒磯方面に乗り入れられればそれでいい。

高架を走る東武電車への乗り入れは、やはり再び高架にするのが最適か。

ライトラインには1kmで60mよじ登る急勾配ができるので、それと同じ勾配ならかなり短距離で東武宇都宮駅に入れる。多少東武百貨店をくり抜かなきゃいけないけどね😅

また、東武電車と市内南部で交差するJR日光線への乗り入れも東武宇都宮駅経由で求めたい。

色々ツッコミどころはあるものの、まったくのど新規路線を開業させるに至った手腕には敬服しかない。

日本国内で路面電車が完全に新規開業するのは75年ぶりだというからビックリ⚡️

これが成功して、そして日本中にLRTの新規構想が百出される未来を願ってやまない。

その時はもちろんここでひとつずつ精査するよ〜⚡️

それじゃあバイバイナマステ💛🖤暑寒煮切でしたっ✨

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