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わざわざアシンメトリーにしなくてもさ

こんばんなまらステ🖤❤️💛Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

ドイツで実験されているモノキャブという乗り物がなかなか面白い。

一般的な鉄道の線路に敷かれた2本のレールのうち片方を一輪走行することで、単線の線路を複線として使用できるというもの。

基本的にはもう片方のレールに補助輪を置いて2輪走行とし、すれ違う時だけ補助輪を引っ込め、ジャイロスコープによる一輪走行とする。

ドイツなのでもちろん電動でCO2は出さないし、自動運転。6人乗りのポッドが間髪入れずにやってくる。

廃線の活用策として研究されているようだけど、既存のローカル線の転用も考えられる。

さて既存の鉄道線を使うとなると、その規格に合わせていかなければいけない。

ドイツの車両の横幅は2,800〜2,900㎜程度、線路の幅は1,435㎜。

車両と線路の中心は一致するはずなので、中心からレールまで717.5㎜、車両の端に接して置かれるはずのホームまで1,400〜1,450㎜程度、レールからホームまでは700㎜前後ということになる。

モノキャブのポッドは1,435㎜離れたレールを使うのだからレールからポッドの端までは717.5㎜未満にしなければすれ違ったときにぶつかってしまう。

また、すれ違うときに車両同士がどれだけ離れているのかというのは運行速度にものすごく重要。

離れていれば離れているほど衝撃度合いが減って高速運転を行なうことができ、その間隔は在来線で500㎜、新幹線で900㎜、海外の高速鉄道は1mを超える。

一般的な鉄道よりは控えめの速度でいい、ということで車両同士の間隔は400㎜程度と考えると、レールから車両までは500㎜程度だろうか。

それに対してレールからホームまでは、ホームにぴったりくっついているイメージなっており700㎜程度あるとみられる。

つまりレールからの両端が500㎜と700㎜で偏っているアシンメトリーな車両になり、これは鉄道車両の常識を覆している。

だからこそ本当の意味での一輪走行はすれ違い時に限定して、基本的には補助輪を使っているのね。それでもだいぶアンバランス。

だけれども、ジャイロスコープを使った一輪だけで走るジャイロモノレールという方式は20世紀初頭には考えられていたことでもある。

だからもしレールから両幅が500㎜ずつ、全幅1,000㎜程度のシンメトリーな車両にしたら、補助輪なんて使わずとも走れるんじゃないのかって。

その場合、ポッドとホームの間は200㎜ほど空くから危ないよね。

でもそんなものとっくに解決しているのよ。

ご存知の通り、山形・秋田新幹線は在来線に合わせて寸法の小さい車両を使っており、それでミニ新幹線と呼ばれるわけだけど、

ミニ新幹線が東京駅をはじめ既存の新幹線ホームに入ってきたら危ないじゃん。ってなことで、とっくにこーゆー技術と配慮は確立しているわけよ。

モノキャブしか走らないんだったら、モノキャブ用にホームを合わせてもいいんだけども、なるべく既存インフラはいじらない技術ということのようなので。

もうひとつ、ポッドがアシンメトリーになっていると単純な逆走による折り返しができず、ループ線かターンテーブルを使わなきゃいけない。

これについてはインフラの追加が必要になってくるでしょ。

なお、日本はドイツが使う1,435㎜のスタンダードゲージではなく1,067㎜のケープゲージを用いるためアシンメトリーがますますやりづらいと思われる。

図まで描いて検証している方もいるし。

この方は軌道の外側に鉄板を置き、そちらに補助輪を置けばいいのではないかと仰っているけれど、シンメトリー構造✙乗降ステップさえできるならそれはいらない。

ただ、スタンダードゲージならポッドの全幅は1,000㎜程度なのに対して、ケープゲージなら600㎜程度とだいぶ狭くなるけどもやってやれなくはない。

んでモノキャブが向いているとすれば、単線であり、かつそれなりの市街地を走る路線だろうと思う。

最右翼は小樽の手宮線だろうか。

北海道で最初の鉄道である手宮ー札幌ー幌内間の一部で、南小樽駅から手宮駅の敷地に建っている小樽市総合博物館前まで線路が残っている。

線路が残っているからこそ廃線後にSLが走ったこともあるし、近年でも足こぎトロッコを運転してみるイヴェントが開かれたりしており、冬はキャンドルを置いて雪あかりの路なんてこともやっている結構な観光資源。実際LRTとしての復活構想を唱える声もある。

小樽駅から手宮まで頻繁に北海道中央バスが走っているけれど、この会社はとくにドライヴァー不足が深刻で近年減便しまくっている。

だから手宮線のモノキャブ化は割と真剣に考えられてもいいんじゃないかな。雪と海風が課題としてはあるにしても。

日本中見回してちゃんとレールが残っている廃線自体が珍しいし、事業として成り立たせられそうな廃線もなかなか見当たらない。

既存路線でいうと流鉄なんか結構いいと思う。

昔は常磐線のフィーダー路線として機能したけれど、TXができて流山から直接都内に出れるようになって以降はガラガラ。

「母になるなら流山市」と呼ばれるのはTX沿線のニュータウンの話であって、こちらは旧市街地を縫うように走る東京近郊の隠れたローカル線といえる。

経費を極力抑えながら、イケイケだった頃に松戸や柏に結構持ってた不動産で食いつないでいる状況なのよ。

ピークタイム1時間の輸送量が1,000人割っているので、モノキャブなら6人乗りのポッドを20秒間隔程度で回せばいいわけで。

ピークタイム以外は6席埋まったら発車する、くらいのノリで充分だと思う。今は20分に1本しか走っていないけど、それよりずーっと便利。

大量輸送が必要ではなく、そこまでの過疎地ではないというピッタリの路線じゃないだろうか。

子どもの頃、地元の電車を10分くらい待っている時に、どーしてもっと小さいロットでポンポン来ないんだろう、バスじゃなくてタクシーみたいになればいいのに、なんて思ったことがあった。

そんな未来が一部でも来てくれたら面白いんじゃないかって。

それじゃあバイバイなまらステ🖤❤️💛厚沢部煮切でしたっ✨

















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