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DMVは普及できるのか?

昨年12月25日より徳島・高知県境の #阿佐海岸鉄道 にて道路と線路を行き来できる #DMV (デュアル=モード=ヴィークル)がいよいよ動き出した。

そこで昨日はDMVで阿佐海岸鉄道のエリアに観光客が来るようになるのかについて書いてみた。

阿佐海岸鉄道や地元にしてみたら永遠に世界で唯一のDMVであってほしいだろうけど、国交省やトヨタは他の路線にもどんどん入れていきたいはず。

では一体どんな路線に今後入っていくのだろうか。

国交省の方針としては当面、以下の条件に限るとしている。

◆DMV専用線区

◆単車運行

◆線路上で行き違いせず

◆閉そくによる続行運転

◆長大トンネルなし

◆モードチェンジは線路両端のみ

最初は既存の路線に自由に乗り入れができて、例えばローカル線では高校生の通学ラッシュでは通常の列車、それ以外の時間はDMVにしてお年寄り向けに病院まで乗り入れる、とかそんなことが言われていたはずだった。

2010年代前半には多くの路線で実験が行われたけれど、これらはみなこのような使い方を想定していた。

けれどこれじゃあDMVの本来の特性である道路と線路を行き来できるという特性はほとんど活かせない。というわけで実験をしていた路線ではなく、突如名乗り上げた阿佐海岸鉄道で実用化が決まった。

そのニュースを見た時こんな条件を呑める路線があることの方に驚いてしまった。高校生が朝と夕方に数十人乗るか、2箇所以上で他の路線と繋がっていていざというときに迂回路にできる、バスにはできない価値を持つ路線しか今はほぼ残っていないんじゃないかな。

阿佐海岸鉄道の輸送密度(kmあたりの輸送人員数)は170人。200人未満の盲腸線もしくは孤立線というのがDMV導入の条件なんだろう。実際に近年はこの数値の路線が次々廃止されている。三江線は迂回路になりえたけどね💦

あとは線路が残ってる廃線とか使ってない貨物線だよね。奥多摩駅から奥多摩湖の間にはまさに使ってない貨物線があるから、これを使って奥多摩駅から小菅村、丹波山村までの快速バスが走れば便利だ。

廃線系はさておき、上記の条件に見合う路線をJRで見繕ってみると、留萌線、津軽線(中小国ー三厩)、久留里線(久留里ー上総亀山)の3つしかない。

DMVは北海道での走行実験で雪に乗り上げて脱線してしまい、これに対してのソリューションはまだ出ておらず、まずは雪国以外でやってみようということになった。だから、留萌線と津軽線での導入は難しい。夏は線路、冬は道路を走るというのもいいけどね。除雪費用がハンパねえことがJR北海道の財政を圧迫しているわけで、冬は黒部のトロッコ同様線路を閉鎖して除雪なんかやめちゃえばだいぶ収支は良くなるはずだ。

津軽線の場合、DMVが三厩から竜飛岬とか連れてってくれたらそれはそれでいいよね。昨夏の世界遺産会議で縄文遺跡として世界遺産登録された大平(おおたい)遺跡もある。新幹線の秘境駅と呼ばれる奥津軽いまべつ駅からの二次交通を一気に改善できる切り札になりそうではある。

ということは通年でまともにやれそうなのは久留里線しかない。これは2つの意味でアリだ。

ひとつは亀山湖を越えて鴨川の亀田病院に向かえば利用価値が高いということ。実際久留里線と並走して走る高速バスなどはそのような系統で走っている。

もうひとつはJR東日本がDMVを持つということだ。

JR東日本は未来を見据えて自動運転やWi-Fi・GPSを使ったオペレーションで信号機を無くす研究を続けている。この2つこそDMVの未来に必要不可欠なものだ。

まず自動運転。鉄道とバスの両方を運転できる人材が必要なことがDMVの大きなネックになっている。ならばせめて線路区間だけでも自動運転できたら、必要なのは通常のバスドライバーだけなので人材確保はだいぶ楽になる。バスドライバー自体今の日本では超がつくほど不足してる💦ので、道路でも自動運転ができればいいけどね。

信号機を無くすのはDMVにとって本当に大きい。無線によってDMVと通常の列車を線路上で共通管理することができるから。DMVは車体が軽いので、鉄道の信号システムを検知できず独自のシステムを採用せざるをえない。だからこそ国交省はDMVは専用区間でしか走らせないとしている。

というわけで国交省とトヨタはJR東日本と房総南部のバスを仕切っている日東交通にDMVを売り込めばええんでないの。

JR東日本が技術を花開かせてくれれば、DMVは一気に色んな路線に導入でき、日本中、いや世界中に普及させることができるはずだから。

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1/11 20:00〜、Clubhouse『 #インドの衝撃 ( #インド大学 )』にてこちらの話をします。お暇でしたら耳を傾けてください❣️








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