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スクラム初心者によく説明するし、一年やっている人にもよくいうこと

#普段よく話していること を文章に起こしておくの大事ですよねっていうことで、スクラムにおけるリーンと経験についてふわっとした話を書いておきます。深淵に迫るっていうよりは入門的な話です。


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よくある現状

アジャイルコーチをしていると効果的なアジャイル実践が求められますが、理論の理解不足や実践の難しさに直面していることが多々あります。特にスクラムの採用初期には、形式にとらわれ過ぎてしまうことがあり、経験主義とリーン思考を理解することに対して見失いがちです。

スクラムを導入するときにはスクラムガイドを参考にしたりトレーニングを受けたりする中で、経験主義とリーン思考の理念を掲げることがおおいですが、実際の運用ではいくつかの問題に直面しています。

例えば、経験主義では、知識は経験から生まれ、意思決定は観察に基づいて行われるとされています。これは、実際のプロジェクト運営において、透明性、検査、適応という三本柱を基に進めるべきであるとされています。しかし、これらの原則が十分に理解されずに形式的に取り入れられることがあり、その結果、本来の目的を見失ってしまうことが少なくありません。

また、リーン思考はムダを省くことで本質に集中し、効率的な価値創造を目指す考え方としてスクラムガイドで紹介されています。これにより、プロセスの無駄を削減し、顧客にとって真に価値のある製品を提供することが目標とされています。しかし、現場ではこのリーン思考を誤解し、単に機能やプロセスを削減することに終始し、結果的に顧客のニーズを見落とすことがあります。これは、リーンの原則を形式的に適用し、その背後にある哲学を深く理解していないことに起因します。

さらに、スクラムを導入する際のもう一つの課題は、組織文化とのミスマッチです。従来の階層的で命令型の組織文化の中で、自己組織化されたチームが自律的に動くスクラムのアプローチを取り入れることは、大きな文化的な変化を必要とします。この文化的な変化がうまく管理(リーダーによる支援が)されず、組織内の抵抗に遭遇すると、プロジェクトは中途半端なアジャイル実践に陥り、期待された成果が得られないことがあります。

また、スクラムマスターやプロダクトオーナーなどの職責に対する理解不足も問題になりがちです。これらの職責はスクラムの成功に不可欠であり、適切なトレーニングと経験が必要ですが、しばしばこれが軽視されがちです。不適切な役割分担や責任の所在が明確でないことで、チームのパフォーマンスが低下し、プロジェクトの目標達成が困難になります。

これらの現状を踏まえると、スクラムの導入に当たっては、単に手法を導入するのではなく、その哲学と原則を組織全体で深く理解し、文化とプロセスの両面からアプローチすることが重要です。また、リーン思考に基づく無駄の削減は、形式的なプロセス改善に留まらず、チームメンバーやステークホルダーとの連携を強化し、組織全体で共有される価値観を形成していくことが求められます。そのためには、全員が参加するワークショップや定期的なフィードバックセッションを設け、継続的な学習と改善のプロセスを組み込むことが有効です。

このように、スクラムやアジャイルの導入は単なる方法論の適用にとどまらず、深い理解と組織文化への適合が必要です。各チームメンバーがそれぞれの役割を自覚し、リーン思考に基づく無駄の削減と経験主義の原則を生かすことで、プロダクトの質を向上させ、顧客満足度を高めることにコミットできます。

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