ヴァイスシュバルツ 青ブタ「繰り返す世界」考察
はじめに
はじめまして。
九州でヴァイスシュバルツをプレイしているえびふらいです。
特に実績があるプレイヤーではありませんが、先日追加弾で強化された青ブタの構築を考えている際、とあるカードに興味を持ち、そのカードを軸としたデッキをかなり真剣に考察しましたので、自分のメモがてらまとめようと思います。
そのカードがこちらです。
第1弾で収録されたトンデモカード、「繰り返す世界」です。
コストは非常に重いですが、成功すればエクストラターンを獲得することができます。
新弾でストック、ハンド等のリソースを一気に獲得するカードが出たため、今ならこのカードを使うことがかなり現実的になったのではないかと思い、試してみることにしました。
「繰り返す世界」の制約の多さ
このカードで追加ターンを得るには、以下の４つの制約があります。
緑を発生させなければならない。
「朋絵」ネームを含むキャラがいないとプレイできない。
お互いのレベルが２以下でなければならない。
最終的にランダム落下でレベル１以上をめくらないといけない。
１．緑の発生
これはこのイベントに限らず、レベル０以外のカードを使う上で当たり前のことなのですが、緑を発生させる必要があります。
青ブタのプール、緑のカードに（あまり）魅力がありません。
何種類か面白いカードはあるのですが、この「繰り返す世界」と相性のいいカードはほとんどありません。
緑を発生させるためにどのカードを採用するか、基本的なことですがとても悩ましい制約です。
２．「朋絵」ネームの採用
上の項目と似た話になるのですが、「朋絵」にも魅力的なカードが少ないです。
強いて挙げるならこれらのカードになるかなと思います。
クロック回収集中はイベントを回収できる可能性がありますが、最大でも６枚の中からしか選択できない点、レベルアップ直後では全くうまみがない点など使いづらさが目立ちます。
無難なのは星杏互換、千里眼ですね。トップチェックは何かと便利な場面が多いですが、「繰り返す世界」を打つときにはシャッフルが挟まるので、これだけではケアできません。
新弾で追加された１点５ルックキャラ回収はデッキを掘る上でとっても便利ですが、キャラしか回収できないのがなかなかかゆいところに手が届かない感じです。
総じて微妙ですね。
３．お互いのレベルが２以下
「繰り返す世界」を打つためには６ストックが必要です。
単純に考えると最低でも２ターンかけて６パンする必要があります。
発動に必要なカードを集めるためにコストを払ったりすることを考えると、もっと時間がかかるでしょうね。
その間、相手がレベル３に上がらないように、また自分もレベル３に上がらないように、お互いに適度にキャンセルする必要があります。
これはかなり運に依存するところかなと思います。
４．最後に待つ運ゲー
上記の１～３をすべてクリアし、「繰り返す世界」を打つことが出来たとしても、最後に大きな壁が待っています。
デッキをシャッフルした後、トップがレベル１以上でなければすべてが不発です。
このゲーム、クライマックスはレベル０扱いですし、レベル０のキャラも入れないと序盤何もできなくなるので、おおよそデッキの半分くらいはレベル０になります。
なので「繰り返す世界」を打つ前にデッキのレベル０濃度を下げておく必要があります。
ちなみに山札を１枚まで減らした後でトップを確認してレベルが１以上であれば、「繰り返す世界」を確実に成功させることが出来ます。（トップチェックしてレベル０だったら目も当てられませんが……）
デッキ案①
まず、私がいちばん最初に試したのは新弾の「自分で決めた道 梓川 花楓」を使用したものです。
デッキレシピがこちらになります。
「自分で決めた道 梓川 花楓」を３面並べて連動を打ち、次ターンに「繰り返す世界」を打つことをコンセプトにしたデッキです。
この構築の強み・弱みは以下の通り。
強み
「自分で決めた道 梓川 花楓」３面連動で６ストックが１ターンでたまる。
山札からレベル０を最大９枚取り除くことが出来る。
返しの山が強い。
詰めの性能も悪くない。
まず強みに関してですが、「自分で決めた道 梓川 花楓」の３面連動に成功すれば、デッキのレベル０濃度を確実に下げることができ、「繰り返す世界」のエクストラターン獲得の確率がぐんと上がります。
また、キャラを最大９枚山札から取り除くことが出来るため、単純にキャンセル率が上がります。詰めの能力も持っており、「繰り返す世界」を打つことができなくても、この連動のもつパワーだけで戦うことができそうです。
弱み
レベル置き場のカードがレベル２帯まで黄色。
「自分で決めた道 梓川 花楓」の連動のために揃えなければならないパーツがかなり多い。
「繰り返す世界」を打つ準備がレベル２帯になってからしかできない。
もちろん、弱みもあります。「自分で決めた道 梓川 花楓」を早出しするためにはレベル置き場に「のこされた夢」と「二人の想い抱きしめて 梓川 花楓」の２種の特定カードを置く必要があり、そのどちらも色は黄色です。「繰り返す世界」を打つためには緑を発生させる必要があるため、クロックに緑のカードを叩くか、レベル置き場を操作して緑を無理やり発生させなければなりません。
また、「自分で決めた道 梓川 花楓」を３面早出しするためには、レベル２までに「自分で決めた道 梓川 花楓」を３枚と６ストック、対応ＣＸを手札に用意する必要があります。このデッキを試しに回したところ、この準備がとても大変でなかなか安定して達成することが出来ませんでした。
そして、たとえもしこの準備ができたとしても、実際に「繰り返す世界」を打つのは次の自分のターンになります。山は固くなっているとはいえ、うっかりダメージを通してしまうと自分がレベル３に上がってしまい、「繰り返す世界」を打つことはできなくなってしまいます。「自分で決めた道 梓川 花楓」にＣＩＰヒールがないのもとてもきついです。
結果、このデッキで「繰り返す世界」を打つのはあまり現実的ではないという結論に至りました。
デッキ案②
次に私が注目したカードは新弾の「意地悪な笑み 桜島 麻衣」です。
デッキレシピはこちらです。
「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動効果で、相手キャンセル時に１ストックと１ハンド獲得を２面に与えることができ、それで溜めたリソースを使って「繰り返す世界」を打つことをコンセプトにしたデッキです。
この構築の強み・弱みは以下の通り。
強み
レベル１帯からリソースを稼ぐことが出来る。
色発生が難しくない。
門を採用しているので枝連動が連打しやすい。
「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動効果が「繰り返す世界」を打つコンセプトと相性がいい。
強みとしては、まずレベル１帯から準備を進められることが挙げられます。
「意地悪な笑み 桜島 麻衣」はレベル１帯から早出しすることができ、１枚で連動効果を２体に付与することが出来ます。うまく連動効果が決まれば１ターンに６ストック以上溜めることも可能です。
レベル置き場の制限もないため、１帯で黄色、２帯で緑を置けば色発生に困ることもありません。また、もう一つの連動を門連動にしているため、枝連動を連打し爆アドを稼ぐことも難しくありません。
そしてこれは一番の強みですが、「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動効果と「繰り返す世界」を打つコンセプトがかなりマッチしています。「繰り返す世界」を打つためには相手をレベル３まで上げてはいけませんが、キャンセルを強要させることでそれを回避しつつ準備を進めることが出来ます。
弱み
リソースの稼ぎ方が相手のキャンセルに依存している。
「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の早出しに４面が必要。
デッキのレベル０濃度を直接下げることができない。
詰めに「かけがえのない存在 牧之原 翔子」を採用しているため経験６が必要。
弱みとしては、まずリソースの稼ぎ方が相手のキャンセル依存で確実性がないことが挙げられます。「意地悪な笑み 桜島 麻衣」には「ドラマ撮影 桜島 麻衣」というサポートカードがあり、ソウルパンプしてくれるので一応キャンセル率アップに貢献してくれるのですが、どうしてもアドをとれるかどうかが不確定です。（ダメージを通すこともテンポアドと言えなくもないですが……）
そもそも「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の早出しには盤面が４面埋まっていることが必要なのですが、レベル０の枚数を可能な限り減らしたいこのデッキにとってはそこのバランスが難しく、たまに盤面条件を達成できないことがあります。無理をして早出ししても、相手がキャンセルをしなかった場合、リソースがジリ貧になってしまいます。
また、「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動効果は控え室のキャラをハンドとストックに置くので、直接山札のレベル０濃度を下げることはできません。これに関しては、控え室のレベル０のキャラをハンドとストックに置いて山札をリフレッシュすることで疑似的に達成することが出来ます。
「かけがえのない存在 牧之原 翔子」の経験条件に関しては、「繰り返す世界」を打つこと自体には直接関係しませんが、門で枝を回収して連打したいですし、1番相性の良い連動だと感じたので仕方ないかなというところです。
このデッキを何回も回してみたのですが、「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の使用感の良さにびっくりしました。簡単にリソースを得ることができ、「繰り返す世界」の発動はとっても容易でした。
知り合いと試しに10戦やったのですが、そのうち8戦「繰り返す世界」の発動に成功しています。使うことができなかった2戦はどちらも相手がどでかい打点を通してレベル3に上がってしまったためで、準備自体は完璧にできていました。
ちなみに8回「繰り返す世界」を打って、エクストラターン獲得に成功したのはなんと0回！ 成功確率がかなり高い山でもことごとく失敗しました。多分私自身はこのカードを使うのに向いていません。ただ6ストック2ハンドを控え室に置いただけの雑魚です。しかしエクストラターン獲得に失敗しても勝負自体にはほとんど勝利しています。
結果、「繰り返す世界」を打つだけならこのデッキはかなりいいデッキでした。エクストラターン獲得に失敗してもそのまま押し切れるだけのパワーもありますし、回していてとても楽しいです。
そして同時にこんなことを思いました。
このデッキから「繰り返す世界」を抜いたら最強なのでは……？
デッキ案③
使用感
緑のカードが抜けた枠に「黄昏の夕空 梓川 かえで」や集中等を採用し、かなり丸くした構築です。枝連動を連打することで控え室のキャラをハンドとストックに溜め、次の山を強くしつつ、早出しヒール等でレベル2帯で長く戦うことができます。
電源等の盤面が強いデッキがあまり得意ではありませんが、美夏拳や足立でごまかしましょう。
最後は「かけがえのない存在 牧之原 翔子」の門連動で打点を押し付けていきます。２弾までの構築では「かけがえのない存在 牧之原 翔子」を３面発動させることはストックが足りずに難しかったのですが、この構築ではストックも潤沢にあるので３面連動がかなり現実的になりました。なんならそこに魔石内臓の「こぼれ落ちる涙 梓川 花楓」を合わせることもできます。魔石とモカの相性はかなり良く、相手のデッキの山を崩した後のモカはかなり強烈に感じました。まぁ、魔石じゃなくて光景だったらもっと強かったんですがね。（普通の光景は追加１コストなのになんで魔石は追加２コストなんですかね。公式は光景＜魔石だと思ってるってこと？）
注意点
このデッキ、個人的にはとっても使用感がよく、お気に入りのデッキができました。
ただ、一つ気を付けなければならないことは、当たり前のことですが調子に乗ってストックをためすぎると光景をモロに食らってしまうので、適度にストックをはくか、あまりためすぎないようにすることが大切ですね。
溜めたストックを有効に活用できるカードがあるのならどんどん溜めてもいいのですが……
……ん？
溜めたストックを有効に活用できるカード……？
あるじゃないか！！
デッキ案④（暫定リスト）
戦い方
このデッキは「繰り返す世界」を打つことに執着せず、基本的にはデッキ案③と同じように「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動の強みを押し付けていきます。リソースを確保しつつ山を強くし、２帯で耐久を図ります。お互いにダメージが通らず膠着してしまう場合は選択肢の一つとして「繰り返す世界」を打つというような感じです。
たとえ、エクストラターン獲得に失敗したとしても、枝の連動さえ打てればリソースは回復できますし、余っているリソースの使い方としてはいいかなぁという感じです。
「繰り返す世界」を打つためだけのデッキではなくなったため、打つためのカードは最低限しか採用していません。
採用カードについては以下の通りです。
採用カードについて
黄色のレベル3で一番使いやすいかなというカード。経験６のために、できれば０帯でクロックに叩いて、レベル置き場に置きたいです。詰めのタイミングでたまに１０枚落下を使うこともあります。
タダ出しと魔石が一緒になっているので、実質２コス魔石。イベントだったら魔石は１コストだろうけど、キャラだから２コスなんですかね。光景は追加１コストなのに？ 相手のデッキを壊す手段が追加されてるのはいいですね。
ストックさえあれば３面連動することも可能です。３枚モカはやっぱり強力で魔石も合わせればかなり打点を通せます。このデッキだとドラが多いので４点になりがちですがトップチェックで少しだけケアできます。
経験６のためにレベル置き場に置きたいカード。コスパ最強の早出しヒールで、盤面踏みながら出しても枝連動でリソースを回復できるため、このデッキと非常に相性がいいです。ぐるぐる回して２帯を長く戦いましょう。
このデッキの軸。何度も連動を打ってリソースを稼いでいきたいですね。無理して早出しすると、相手がキャンセルしなかった場合リソースが回復できずにジリ貧になってしまうため、しっかりタイミングを見計らうことがとっても大切です。初パンでクライマックスを噛んでしまった場合、ストックに埋もれていくことがあるので、３アンして盤面維持することもしばしばあります。
２コスト１盤面の美夏拳。２ハンドの美夏拳も黄色にあるのですが、ストックのほうが使いやすいかなぁということでこちらにしました。
このレシピではあまり無理して狙ってはいきません。溜まりすぎたストックを吐く手段、上振れカードとしての採用です。これを打つときにはちゃんと枝連動を構えてからでないと、失敗したときの立て直しが厳しくなります。成功すればそのままほぼ勝ちにつながります。
「意地悪な笑み 桜島 麻衣」をサーチしつつ、パワーパンプ、ソウルパンプができる専用サポートカード。このカード自身もパワー５０００出るため、１帯のアタッカーとしても普通に使えます。いっぱい並べれば並べた分だけソウルを上げられるため、サイドアタックでダメージを調整することもできます。あんまりしたことないけど。
「繰り返す世界」を打つための緑カードを採用するためにデッキ案③の枠を調整していた際、これまではレベル２のコンソ拳とレベル１思い出拳だった枠を１枚にしたカード。使ってみてやっぱりコンソ拳は便利だなぁと感じました。
ランドセルガールも「ルガール」ですね
「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動は連打してなんぼですので、相手の盤面が強いと、なかなか強く使えません。電源に対してごまかすカードとして、控えからいつでも出せるのはかなり強く感じました。クライマックスフェイズの初めに出せるので、地味に「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動の盤面条件を達成する助けにもなります。
実は青ブタのプールに控え集中ってこれまでいなかったんですね。効果はシンプルですが、クライマックスを噛んだ際のトップチェックも便利でした。「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の盤面条件が達成できない際、集中ヒットで無理やりキャラの枚数を増やさなければいけないときがあるので、本当は枚数を増やしたいです。
Xルックでクライマックスや「繰り返す世界」を探しに行くことが出来ます。中央ソウルパンプも「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動効果とかみ合っていて、「意地悪な笑み 桜島 麻衣」を１面しか立てられないときに、効果付与の対象として優秀です。
「朋絵」ネーム兼緑発生用のカード。「繰り返す世界」を打つときには、手札にこのカードを２枚準備し、このカードの効果で手札のこのカードを置き、無理やり緑発生します。「意地悪な笑み 桜島 麻衣」の連動効果をしっかりと使えていれば、２枚集めることは難しくありません。また、１週目の山を削る手段としても優秀です。キャラ回収じゃなくてカード回収だったらもっと至れり尽くせりだった……
このデッキでは単純にオカ研としての運用ですが、思い出に飛ぶ効果も「繰り返す世界」と相性がいいです。また、「意地悪な笑み 桜島 麻衣」を早出しするのに盤面を埋めなければいけませんが、キャラの枚数を増やすのにも貢献してくれます。
クラマ入れ替えをガン積みすることで、門を引いても枝連動に変えて連打できるようにしています。また「意地悪な笑み 桜島 麻衣」は控えがある状態でしか真価を発揮しないため、序盤の山削り要員としてフカ次郎効果は便利です。たまに無理やり「繰り返す世界」を探しに行くのにも使ったりします。
３０００レベル１正面移動は広いプールの中でも一番強い初動だと思います。生き残った後でも木漏れ日効果の役目があり、活用すると「意地悪な笑み 桜島 麻衣」を２面早出しするのにも役立ってくれます。終盤でも使える初動ってめちゃくちゃ便利ですね。
おわりに
追加が来てから１か月。ひたすら「繰り返す世界」を打つ構築を真剣に考えてきました。ある程度納得のいく構築が出来て満足していますが、「繰り返す世界」を抜いたほうがいいのではという感情と、いや「繰り返す世界」を入れたほうが強いという感情が、定期的に入れ替わっています。
この１か月はずっとこのデッキを使っていました。公認大会で優勝したりもしましたが、圧倒的に制限時間内に終わらせるのが難しいです。相手とキャンセル合戦になった時には、３５分でお互い２－０で両者敗北になったこともありました。
フリーの対戦等ではそこそこ楽しめると思いますので是非使ってみてください。そして、もしより良い構築が出来た時には教えてください。
ここまで長々読んでいただきありがとうございました。また考察したいデッキがあったら記事を書くかもしれませんのでよろしくお願いします。
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