見出し画像

幽霊の見える青年(アキシ)

この前、近所の喫茶店に行ったの
僕ねカフェ巡りが趣味だけど、その中でもよく行く定番の店
こじんまりしていて少し古臭いんだけど、
僕常連だからみんな顔見知りで、常連同士で談笑とかよくするの。
その店ら僕のサードプレイスになっていたんだよね

その日は1人でカモミールティーを飲んでいたんだ

すると近くに座っていた青年が僕に話しかけてきた。初めて見る青年だ。

「僕、幽霊が見えるんですよ。」
唐突に青年から出た言葉をいぶかしく思いながらも、なぜか僕は引き込まれた。

僕は不審に思いながらも、返事をせずにはいられなかった。

「えっ?えっ?僕には何か憑いていたりしますか?」

すると青年は、
「あなたの左肩の上に、赤ちゃんの幽霊が載っていますよ」
と教えてくれた。

「え?え?僕赤ちゃんに心当たりないよ、え?え?」
動揺した僕はそそくさと店を出た。

それから事あるごとに左肩が気になる

いつもなら肩こりだと笑い飛ばすところだけど、あの青年に会ってからなぜか気になる。

僕はもう一度あの喫茶店に行き、
あの青年を探した

結局青年は見つからず、僕はいつもの席につき、カモミールティーを飲んでいた。

ふと人の気配を感じ、その方向を見ると、
あの青年がいた。

僕は席を立ち、青年に近づく。
青年もそれに呼応するように立ち上がり、僕に向かう。
対面した僕は、その青年に話しかけた。

その時台拭きを持ったマスターが近づいてきて僕に言った

「あきくん、この前からなんで鏡に話しかけてるの 笑」

そこにいたのは青年ではなく、
鏡張りの壁に映った自分の姿だった


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?