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国内スタートアップ資金調達動向

Japan Startup Finance 2021 で朝倉さんの話を聞いた(8/19)

1.スタートアップ投資拡大中

国内スタートアップの資金調達総額が相変わらず伸びている
2020年後半、コロナショックにより資金調達総額の伸びが止まった
止まったと言っても前年2019年後半に比べて少なかったというくらいで、2018年後半よりは伸びている。

わかりにくいな。数字で書きます。

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2016年 前半 1212億円 後半1300億円
2017年 前半 1408億円 後半2077億円
2018年 前半 2314億円 後半2423億円
2019年 前半 2412億円 後半3110億円
2020年 前半 2565億円 後半2657億円
2021年 前半 3245億円 後半XXXX億円
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数字で書いたらもっとわかりにくいな。グラフじゃなきゃ・・・

2.コロナショックの影響もなんのその

コロナショックでへこんだ2020年後半ですら2600億
そして、2021年前半で3245億
前半より後半の方が多くなるので、2021後半はさらに増えるだろう
試算で年間6000億以上の金がスタートアップに流入していることになる。
数年前より金余りについては言及されていたが、
スタートアップ界隈の金余りが加速し、スタートアップにおいてはもっとも調達しやすい状態になった。

3.2021年上半期資金調達ランキングの特徴

2021年上半期資金調達ランキングでは、
1位 smartHR 156億 シリーズD
2位 smartニュース 142億
3位 Paidy 131億
と100億越えの大規模調達が並ぶ
さらに調達状況を見ると、これまでのフィンテックとBtoB SaaS全盛の様相から、アトナープ(54億調達 シリーズD、微量分析装置を設計製造する科学機器)やHeartseed(40億調達 シリーズC iPS細胞を用いた信金再生医療の実現化)を始めとする研究開発系のスタートアップでも大型の資金調達をしている

4.日本のレイターステージ

日本ではこれまではシリーズD以降は上場してしまっていた
その為、シリーズD以降をIPOせずに続ける事はなかったが、
しかし今は市場に金が余っている。日本でも米国のように未上場のまま続け、シリーズDEFと進めていく事が出来るようになった。
だが、国内にはシリーズD以降のレイターステージで大規模資金調達が出来る投資家は限られている。
そのためシリーズFなどの大規模資金調達の出資者は海外投資家である
今までは日本にはレイターステージは無かった
日本では、マザーズがレイターステージの役割を果たしていたのだが、
今は、よりレイターステージでより大きな価値を作ってから大規模IPOを行うという選択肢が可能となった
日本においてもレイターステージが出来始めている
シニフィアンのザ・ファンドなどは、まさに日本にレイターステージを作る活動をしている
大きくするまで待つ事が正解と言うわけではないが、
スタートアップとして選択肢が増えるという事は良い事だ。
ちなみに、日本におけるレイターステージの割合は10%程度にとどまり、アメリカの55%には遠く及ばないのが現状である。


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