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記憶の欠片(幼少期のエピソード)

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特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
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傲慢な社会は何を捨てにいくのか?Bちゃんの話(レモンさん)

今でもずっと知りたいと思っている本のタイトルがある 小学生の時の友達でBちゃんがいた 背が高く、控えめで、鹿のような眼をした女の子 私は小学校の時、活発なグループに所属していて、 Bちゃんは物静かなグループに属していた 小学校時代のBちゃんとの思い出は、卒業式のカラオケ大会。 活発な私は複数のグループに所属していた。 一方Bちゃんは、どのグループにも所属で来ていなかった。 私はBちゃんに声をかけ、 「一緒に”Wink(ウィンク)”を歌おうよ!」と誘った。 打ち合わ

怖さを曝け出したら、先生にめっちゃ褒められた(レモンさん)

小中学校の時の夢は小説家だった 母が幼少期に本を読み聞かせしてくれた事や、 お年玉やお小遣いは全て本を買うくらい本が好きだった。 それもあって、私は作文は得意だった。 わたしは、小学生にしては、ひねりの利いた文章を書けることに自信を持っていたが、 先生が私の作文を評価してくれた点は別だった。 それは、障子が怖いという作文 昔の家には和室があった。 和室の障子は西日が当たり、部屋に伸びる黒い格子の影は 私に不吉な連想をさせ、恐怖の対象だった。 その事を、思うがままに書いた作

きびすを返す彼(レモンさん)

私には息子がいる 彼は私とは違う。 空手を4歳からはじめ、今では黒帯まで持っている。 私とは真逆の存在だ。 学ぶ部分もあれば、理解できない部分もある。 それでもその幼い彼は、尊敬できる存在だった。 彼の憧れは「応援団長」 小学校の運動会で応援団長を見た彼は、 紅白の鉢巻きをして、胸をはり、 大声で応援する応援団長は憧れるには十分だった。 自分も応援団長になりたい その想いは小学生だった彼の心の1つの柱となっていた。 そしてもう一つの柱は騎馬戦団の団長になる事。

最後の跳び箱(レモンさん)

私は怖がりだ。 おばけも怖い、泥棒も怖い。 そして、マット運動で後転する事さえ怖い。 首の骨を折るんじゃないか、手首を捻挫するんじゃないか、 そういう想像が先走り 足が動かなくなる。 小学校の体育には跳び箱の授業がある。 小学校では6段飛べれば合格で、人によっては8段10段飛ぶ人もいる。 この跳び箱が曲者だった。 跳び箱は私に負の連想をさせるには必要十分だった。 私は跳び箱が飛べない。 それは運動神経の問題ではない。 負の連想で体が動かないのだ 私は一番低い3