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記憶の欠片(幼少期のエピソード)

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特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
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#リコドットコモ

呼吸を止めて一秒あなた真剣な目をしたから(リコドットコモさん)

5,6歳の頃、いつも路地で遊んでいたのだけど、 他にも子供たちの遊びスポットがあった。 それは、家の道を挟んで向かいにある材木置き場。 建物を解体した木材を、一時的に保管しておくのに使われていた 更地みたいなのがあった。 子供たちからすれば格好の遊び場になるのは当然で、 イツメンが集まり材木置き場で遊びだした。 積まれた材木によじ登ったり、棒を振り回したり。 その木材の中には、釘が刺さったままのものも普通にあって、 私は遊んでいたはずみでその釘に背中を強打した。 息が止

「シーっ」おばさん(リコドットコモさん)

5,6歳の頃、毎日家の前の路地で遊んでいた。 車通りが少ない路地だったから、近所の子供がみんな集まって毎日お祭り騒ぎ。 泣き叫ぶ子もいれば、大声で歌っている子もいるし、 ボールを投げたり、走ったり、もうやりたい放題。 近所の家の人は、それでも優しく見守っていてくれた。 でも、一人だけ毎日怒ってくるおばさんがいた。 「しーっ!!!しずかに!!!」 右手の人差し指を一本立てて、口の前に立てながら現れるそのおばさんを、 私達はいつしか「しーっおばさん」と呼ぶようになっていた。

石焼きいも(リコドットコモさん)

小学校に入る前だから、5歳か6歳の頃だったかな~ 私の家の前には車があまり通らない路地が続いていて、 近所の友達は毎日この路地に集まって遊んでいた。 誰がどこの家かもわからないくらい、 いろんな子が集まって、毎日遊んでいて、 ほんといろんな遊びをしてた。 中でも憶えているのは、石焼きいも屋さん。 何処から持ってきたのかわからないんだけど、 乗らなくなった三輪車を誰かが持ってきて、 それをサドルが下になるように逆さに地面に置くの。 そしたら、前輪のタイヤホイールの中に石を