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記憶の欠片(幼少期のエピソード)

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特に山もオチもない日常の一コマが、なぜか鮮明に記憶されている。 なぜそんなどうでも良い瞬間の記憶が、そのほか多くのビッグイベントの記憶よりも鮮明に焼き付いているのか。 あの日あの…
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#ソンバサウナ

二人だけの通学路(ソンバサウナさん)

小学校の時、私はマンションに住んでいた 私の部屋は503号室 そして303号室には保育園から一緒の友達のゆかちゃんが住んでいた 階段を降りるとすぐゆかちゃん家につく。 私の朝の日課は、ゆかちゃんを迎えに行って、一緒に学校に行く事。 だけど、ゆかちゃんには1つだけ問題があった。 それは登校の準備がすごく遅い事。 8:30に家を出ないと学校には間に合わない。 でもゆかちゃんは、8:30を過ぎてもまだ準備をしているの。 しかも毎日だよ!! 「早くしてよ!学校に遅れちゃう

手紙(ソンバサウナさん)

小学校3年の時 いや、2年生の時だったかな 私のクラスでは空前の手紙メモブームが到来していた。 授業中にノートの切れ端に手紙を書いて、授業中に回すというのが流行っていた 隣の人に渡す時、腕を振るふりをして渡すとか、 消しゴムを貸すふりをして回すとか、 今考えると、麻薬の密売人みたいな、趣向を凝らした技法が発展していた。 教師の目を盗んで回す手紙は格別で、中身なんて対して意味のあるの事書いてなかったよね。 その日も私は手紙を回していた。 いつも通り、大丈夫! 私の思

ペイズリー柄の夢(ソンバサウナさん)

小学校に入る前だから、4歳か5歳の事だと思います。 そのころ私は、まだお母さんと一緒に寝ていて、 不安に思うような事も特になかったと思う。 なのに、この時期繰り返し見る怖い夢があった。 その夢は、ペイズリー柄の薄暗い空間に、 私とキティちゃんだけがいるという夢。 私とキティちゃん以外誰もいない。 誰もいないだけじゃなくて、他は何もない。 ただそこにいるだけ。 無表情で黒く光るキティちゃんの目が、 私の心を見透かしているように感じた。 この夢を繰り返し何度も見た