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「販社様」(その4)- シードマネーをプレゼント

シードマネーとはビジネスの初期段階に投入される資金のことですが、投信業界でシードマネーといえば、投資信託設定時にその投資信託に投資される資金のことをいいます。

シードマネーをプレゼントするとはどういうことかと言いますと、投資信託設定時に、投信委託会社自ら又はそのグループ会社の資金でもって、ある販売会社の取扱いでその投資信託を取得するということです。

この場合の販売会社は、販売力のある販売会社であることが多いです。

シードマネーの本来の趣旨は投資信託設定時の安定したポートフォリオ構築のためなどですが、この場合のシードマネーは、本来の趣旨とは異なり、販売会社へのセールスインセンティブの意味合いで用いられます。

販売会社の報酬は、販売時の手数料(アップフロントティー)と期中の受託者報酬(代行手数料)で構成されますが、いずれも、その取り扱う投資信託の純資産を基準に計算されます。
つまり、取り扱う純資産が多ければ多いほど報酬が高くなります。

投信委託会社のシードマネーがあると、その分が販売会社の最低保障報酬になるのです。

販売会社がシードマネーを強要するというのは聞いたことがありませんが、投信委託会社の営業ツールとして利用されているというお話です。


阿吽の呼吸で、

「シードマネーの予定はありますか?」(※)
と聞かれたり、
※意訳:「シードマネーを入れてくれるんだったらおたくの投資信託取り扱ってもいいよ」

「〇億円のシードマネーを入れる予定があります。」(※)
と伝えたりするのです。
※意訳:「シードマネーを入れるんだから、最低でもこれくらい売ってよね」


どっちもどっちですが、こちらも「販社様」を表す事例と言えるでしょう。

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