ビストロミツと誕生日


6月28日は娘の誕生日。現在、憧れの北の大地で一人暮らしをしている。

「誕生日はミツのケーキを食べたい。プレゼントはそれにして」

ミツ、それは私の中でも3指に入る素敵な店。福岡市の中心部近くだが、こぢんまりとした佇まいのビストロである。10年以上前に福岡で暮らしていたことがあり、美味しいもの三昧の福岡の中でもこの店は白眉だ、と感じていて家族でなんども食事に行った。福岡を去る、最後の晩餐もここだった。

シェフの平田さん(なんとなくグッチ裕三っぽい)率いるスタッフの、プロであるが親しみやすい雰囲気。見ていて気持ちの良い動き、好きなものをこだわって作り上げたのだろう、店のインテリア。ピカピカのキッチン、大切に扱われているのだろう、食器や鍋、料理道具たち。

中でもひそかにサイコーだ、と絶賛しているのは、トイレ。わたしにとってトイレは非常に重要。トイレがきちんとしていない店や会社は絶対だめだという信念がある。ミツのトイレは素晴らしい!贅沢なつくりというのではない、なんという居心地の良い、そして見たことのないトイレ。店に行くととりあえずトイレに行ってしまうという。ここのトイレに行くだけでも価値があると思う。

もちろん料理は絶品。どれも美味しく、料理に対する愛情が詰まっている。肉も、魚も、たっぷり添えられた野菜たちも。店のプレートに書かれたメニューを決めるのが悩ましくも愉しい(^^♪問題は量が多すぎて堪能しきれないところか。でも昔から持ち帰ることが出来たので、翌日頂いてそのおいしさにさらに驚くという仕組み。

ワインの品揃えも、、いかに料理に合って、食卓を楽しく囲めるかに添ったもの。そしてデザートがまさに、ここでしか食べられない素晴らしさ。ここのデザートだけ食べに行くのもありだろうな。デザートのなかでも季節の果物のスープ、がイチオシなのだが(桃のスープ、苺のスープ…といってもただのフルーツをスープにしたのではない)残念ながら、それは店でしか食べられない。

娘に送るのは、ガトーショコラ。これは以前から取り寄せることができた。娘が人生で一番最初に覚えた電話番号は、自宅ではなく、ミツの電話番号。以前はあったはずのウエブサイトはなくなっていて、電話をかけるしかない。

ガトーショコラを注文し、そうだ、このコロナでもしかしたら料理も送ってもらえるかも、と聞いてみたら何種類か送れるという。娘はガトーショコラのほかに、「ミツのご飯おいしいよねえー。カモのコンフィとかーー💛」と騒いでいたのだがなんと鴨のコンフィを送れるという。合わせて注文。

内容と、誕生日当日に着くようになどひととおりお願いして、振込先などを確認したら・・・電話を受けてくれているのは、平田シェフご本人だった!と、「ひとつお聞きしていいですか」とシェフ。

「どうしてわざわざ横浜からご注文くださってしかも送り先が北海道なんでしょう。なかなかないケースなので・・・」

「以前そちらに住んでいまして、よく伺っていました。娘が進学して北海道なのですが、どうしても誕生日にミツのケーキを食べたいから送ってくれと言いまして。そういうわけです」

「・・・お嬢さん、6月28日がお誕生日なんですか?」

「そうですが?」

「・・・わたしもです・・・」

ええええええ!!それはびっくり。なんと大好きなビストロミツのシェフと誕生日が一緒とはね💛

きっと素敵な誕生日になるでしょう、嬉しいサプライズ😊

ふたりとも、ハッピーバースデー🎂









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?