足元、愉し
ずっと下駄が欲しかったのです。下駄というと浴衣に合わせるものを想像されるのですが、わたしが欲しかったのは、見た目草履とかなり似ているもの。つまり、浴衣の下駄ではなく、普段の着物に合わせるものです。
じゃあ草履だっていいじゃん!と言われそうですが、違うのです。草履と下駄の違いは、素材。草履の台は、コルクでできています。それが布で包んであったり、エナメルだったり、格が高いのは草履です。対して下駄は木で出来ています。形はいろいろ。天狗さんの履いてるのも下駄ですし、風呂上がりのカラコロも、浴衣にあわせて裸足で履くのも下駄ですね。また、草履は雨の日には履けません。コルクが濡れてしまって崩れてしまったりします。(経験あり)ですが、下駄は大丈夫です。
いわゆるフォーマルな着物、ソシアルな場に出る着物には草履です。ですが、カジュアル着物には下駄が似合います。形は草履といっしょでもまんま木で、塗ってあったりで、きれいな布でくるんであったりはしません。フォーマル着物はそれがあるととっても安心なので(場にふさわしい装いができる)重宝するのですが、着る頻度は低いです。なので、ちょっとおしゃれしたいときの草履と、カジュアル着物用の下駄があるととてもいいのですね。スーツやきれいめワンピースのためのパンプスと、休みの日に遊びに行くための歩きやすい靴のような感覚です。
ですが、わたしは下駄を持っておらず、普段草履で代用していたのですな。いわゆる染の着物にはよいのですが、昨今おうち着物を着用することが多く、いかにも普段着な着物に草履はやっぱり変。靴だけよそいきのひとみたい。
で。実は半年前の銀婚式のときにダンナにプレゼントは下駄がいい、といったのですが、ついつい先延ばしになっていたのです。ようやく入手しました。
向かったのは、東京都品川区にある丸屋履物店さん。https://www.getaya.org/ 草履、下駄、雪駄の違いもこちらにわかりやすく書かれています。ここは種類が非常に充実しています。台も様々、鼻緒の種類も半端なく、それぞれ組み合わせて自分のオリジナルを作れます。自分の履きやすいようにすげてくれるので、すこぶる快適なものが手に入ります。店の隣りに駐車スペース(来店前に電話予約要)もあるので安心。駅も近いです。旧東海道品川宿にあり、時代を感じさせる街並みも素敵です。
まず、台選び。草履と同じ形の舟形を希望。足が当たるところが和紙になっているというしゃれたのもありましたが、前もってネットで見て気になっていた、えんじ色の塗り下駄の台にしました。鼻緒が、また迷うんだよね^^散々迷って、これから暑くなるからなんだろうな、小千谷縮(麻)の涼しげなものにしました。(写真右)鼻緒はすげ替え可能なので、冬になったらあったかい感じの別珍とかに変えてもいいわよねえ、むふふ。
また、実家に埋もれていた二本歯の雨下駄の鼻緒もチェンジ。エナメルで、おしゃれな薄紫色を見つけ、履きやすいようにすげていただきました。さらに、歯があやうかったらしく、修理までしてもらいましたーー。雨の日も着物が楽しみになります!(^^)!
で。財布および運転手として同行したダンナ。ちょうどついたときに同じくらいの年頃の夫婦らしき二人組が来ていて、彼の方が雪駄を買い、超快適(^^♪と大喜びで帰っていったのです。そして、男性用コーナー(これがまた充実している)を見ているうちに… 自分の分が欲しくなったらしい。台と鼻緒を楽しげに選び始めました。(写真上)
自分の好みの下駄、雪駄を入手してごきげんなわたしたち。次はお金を貯めて宮崎の染織こだまさんで、木綿の着物を買いたいーーーと思うのでした😊
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