電咲響子

新都社で漫画を描いてます。

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最近の記事

書評:呪は紅く~鬼哭啾々あやかし綺譚~

眼帯の少年「善」と詰襟の少女「鴉」のタッグが紡ぐ、現代あやかし退治奇譚です。 鬼の瞳や両片思い等のギミックを満載しエンタメ全開で疾走する物語は、万人の心に呪をかけ紅い読了感を残します。 拝み屋の穂積善は『呪符刀』を使い妖を倒してゆくのですが、そこは青二才。 毎度ギリギリの戦闘を繰り広げます。死が常に隣にある感覚でしょうか。 もちろん戦闘パートはド迫力で描写されており、手に汗握ります。 日常パートでは、肉体的苦難はもとより精神的苦難にも苛まれます。 殺るべきか、生かすべきか

    • 年齢調査

      10~19歳 05% 20~29歳 45% 30~39歳 40% 40~99歳 10% #備忘録

      • 叩き上げと温室育ち

         創作活動を行っている人たちの中には、絶賛だけ欲しいという人が多々います。私はその方々を「温室育ち系作家」と呼んでいます。  彼らの特徴のひとつに、少しでも作品を批判されると批判者に対して怒りをあらわにする、というのがあります。自分を過大評価していませんか?  自作品に誰よりも愛着があるのは創作屋として当然のことです。が、それは最大でも内輪の範囲だけの話。不特定多数に見られる公の場に自作品を晒し、数多の"自分とは異なる感性"を持った消費者からの批判は、あって然るべきだと思

        • 書評:ホルマリン漬けの銃弾

          血と硝煙に彩られた、硬派で軟派なクライムサスペンスです。 物語の導入部はごく普通。かと思いきや。 「主人公」のクラスに美少女が転校してくる、というベタな展開で始まります。そして、すぐさま終わります。 その少女は主人公と一緒に下校し、家に行くというありがちな展開が続きます。そして、すぐさま終わります。 なぜなのか。なぜなら『ホルマリン漬けの銃弾』だから。 日常から非日常へ様変わりする瞬間、あなたは異臭漂う世界に囚われているはず。 特筆すべきは、登場人物たちの魅力です。

        書評:呪は紅く~鬼哭啾々あやかし綺譚~

          思い出はモノに宿る

           思い出はモノに宿る。  この言葉の捉え方は三者三様だ。思い出の品を見ることにより、昔を想い出して懐かしむ人もいる。思い出は物に宿るのではなく心に宿るのだ、なんて言う人もいる。どちらも正しいと思う。  創作屋にとって、過去に自分が創った作品とは、ある意味で黒歴史(消してしまいたい過去)である。今見ると、どうしようもなく稚拙で、馬鹿馬鹿しくて恥ずかしい作品だったりする。逆に、思い出の品のように「こういう時期もあったなあ」なんて、過去を懐かしむ場合もある。  もしくは、作品に

          思い出はモノに宿る