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コピルアクより…

わが家は、焙煎業を生業としているので、時々思いもよらない生豆の焙煎の依頼がくる。その中の一つが天然のコピルアクだった。

インドネシアの旅の始まりの扉が開くキッカケの前のキッカケだったと今からは思う。3人がかりで下準備から焙煎とそりゃ凄かった。

一般的にコピルアクといえば映画の〝最高の人生の見つけ方〟でジャック・ニコルソンが飲んでいたあのイメージしか私にはなかったが、実際驚くほどのジビエ臭に私は一口飲んでノックアウトされた。

「一体、何がおいしいんだ?」

と、3人で眉間に皺が寄った。珍しいからか?腸内発酵か?しかしカップ一杯飲み終える頃には自分の体から獣の匂いの汗が出る思いだった。

焙煎を依頼されたので、焙煎した豆は依頼主に渡すのだがそれはイベントで使われていた。興味があって、イベントに参加している人に「どうして、そんなにコピルアクが飲みたいのか?」と質問して歩いた。

一番印象に残ったのは

「なぜ、ジャコウネコはコーヒー豆しか食べないか?それに興味があるからです。」

だった。その時は、なるほどと思ったが、のちにジャングルで天然ホヤホヤのコピルアクと遭遇した時、ジャコウネコは本当にコーヒーしか食べないのだろうか?ジャングルにある貴重な食養源となる果物は厳選して食べるだろうが、天然のコーヒー自体が珍しいのでその他も食べる気がした。(個人の見解です)

どちらにしろ、完熟した赤いコーヒーチェリーは生物にとって魅惑の食べ物には違いはないだろう。ジャコウネコは生で人間はローストしてドリップして口にする差です。

よって私はコピルアクよりインドネシアの謎のおいしい(コーヒー)豆の方を楽しむ方を選んだ。

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