手汗治療体験記②初診〜手術の準備

こんにちは、きょうこと申します。

今日は手汗治療体験記②ということで、クリニック初診の時のことをお話ししたいと思います。

受付〜説明会

4月28日、予約しておいたクリニックに行きました。クリニック名は伏せますが、手汗の手術では有名なところです。

このクリニックを選んだ理由は、手汗の手術件数が多いこと、保険診療が中心であること、私が看護師をしていた病院によく患者さんが紹介されて来たことです。

特に保険診療が中心というのはポイントです。美容外科や独自の治療法といった「保険外診療」が中心のクリニックは質にばらつきがあり、中には全くエビデンスがない治療をべらぼうな値段で行う悪質なところもあります。手汗の手術はれっきとした保険診療なので、保険診療中心のクリニックで受けるのが無難だと思います。

さて、当日クリニックに着くと、まず問診票を渡されました。これまでにかかった病気や飲んでいる薬など、基本的なことを書いていきます。私は双極性障害という精神疾患があり、薬もたくさん飲んでいるので、「精神科の患者は手術できない」と門前払いされたらどうしよう……と思っていたのですが、そんなことはありませんでした。

診察の前に手汗の患者さんを集めて合同説明会をする、と聞いていました。待合室を見渡すと、手のひらが汗で光っている人や、ハンカチを握っている人がいます。診察券を手渡す動作などを見るだけでも、手汗の人は何となくわかります。「手汗で苦しんでいるのは自分だけではない」ということが、単なる知識としてではなく、リアルな体験として感じられました。この人たちと友達になれたらいいのにな、という考えが浮かんできます。

10分くらいすると、小さな講義室のような場所に誘導されました。一緒に説明を聞く患者さんは8人で、お母さんらしき人が付き添っている若い子もいました。

手汗の基礎知識について説明を受けた後、スクリーンで手術の動画を見ました。胸腔内にある交感神経を内視鏡下で切る映像です。感想は「本当にすぐ終わるんだな」「小さな傷とはいえ胸腔に穴をあけて、日帰りで大丈夫だろうか?」などで、特にびっくりすることはありませんでした。

それから手術のリスクや後遺症の話がありました。最も気になるのは「代償性発汗」です。手汗が止まる代わりに、背中や胸、太ももの裏などの汗が増える現象をいいます。代償性発汗は手術を受けたほとんどの人に生じますが、程度は個人差があり、ほとんど気にならない人から日常生活に大きな支障が出る人までいるそうです。

説明会で聞いたところによると、代償性発汗がひどくて「手術を受けなければ良かった」と言う人は5%以下だそうです。代償性発汗の治療のために通院している人は1%程度。通院している人の8割が男性だというので、女性の私は「女性は代償性発汗が軽いのか?」と期待したのですが、医師はファッションの違いが大きいのではと言っていました。確かに男性は夏でも背広を着たりするので発汗が多いのかもしれません。

説明会で印象に残ったことはそれくらいで、あとは事前に調べて知っている内容でした。

診察〜術前検査

説明会の後、順番に診察を受けました。手術を担当する医師の態度で気になったのは、全然私の目を見ないこと(いわゆるカルテとにらめっこ)です。まぁ、タイピングが苦手などの理由で目を見ない医師は普通にいるようですし、看護師としての経験から「患者さんの目を見ない医師が必ずしも悪い人というわけではない」とわかっていたので、ギリギリ許容範囲としました。精神科のように長い付き合いになるわけでもないし、ちゃんと手術してもらえれば良いかなと思います。

診察は問診のみで、手汗が始まった時期、手汗の程度、手汗で困っていることなどを聞かれました。それから持病や薬のこと、過去に受けた手術のことを話し、最後に手術を希望するかどうか聞かれたので「はい」と答えました。診察前の説明会がIC(インフォームドコンセント)の大部分を占めているらしく、「同意書をよく読んで、サインして当日持ってきてください」と言われて終わりました。

その後は術前検査として採血、心電図、胸部レントゲン、身長体重測定などをしました。初診日に検査を全部やってもらえるのはありがたいです。

麻酔科の診察では、当日の絶飲食のことなどを聞きました。

私は全身麻酔が今回で2回目です。前回、挿管の影響で何ヶ月も声がかすれてしまったことや、目が覚めた時に吐き気が辛かったことを話し、対策してもらえるようにお願いしました。

麻酔科の先生の判断で呼吸機能検査も追加になりました。咳喘息の既往があるので念のため、とのことです。こちらは帰り際に受けたので結果はまだ知らされていませんが、病院から連絡がないということは手術に支障はないのでしょう。

入院への準備

手術当日は日帰り入院の予定です。麻酔から覚めて4時間くらい安静にしたら帰れるそうです。

以前、腹腔鏡手術で入院した時は手術翌日になって初めてベッドから降り、術後4日目に退院だったので、日帰りで大丈夫なのだろうか……と不安に思っています。手汗の手術でも回復が遅くて一泊入院になる人もいるようなので、帰れなさそうなら一泊するかもしれません。

入院に向けた準備は、まず上司に報告して休みを取ること。手汗ごときで……と思われていないか心配ですが、とりあえず了承していただけました。入院の翌日はテレワークにできないかと私から提案し、それも調整していただきました。

家族については、母と妹にはあらかじめ手術のことを話していましたが、父にはこの日帰ってきて初めて話しました。父には反対されると思っていたのですが、保険適用の手術だと話したら特に反対されませんでした。

結婚して家を出ている兄には、いまだに話していません。仲が悪いわけではなく、兄は育児で忙しいのでお見舞い金など気を遣わせたくないからです。

他に準備するのは入院申込書などの書類と、高額療養費制度の申請です(GWを挟んだこともあってまだできていませんが……)。手汗の手術は3割負担で12万円くらいかかりますが、私の場合は高額療養費制度の限度額を超えるので、もっと安くなります。限度額認定証の発行が退院に間に合わなくても、後から払い戻しされます。ちなみに初診日の支払いは3割負担で5750円でした。

前泊について

当日は自宅から直接向かおうと思っていましたが、妹の提案で病院の近くに前泊することにしました。

当日のスケジュールは
●朝食なし、7:30までに経口補水液と薬を飲む。それ以降は禁飲食
●8:55までに病院に到着
なのですが、自宅から病院に行くには満員電車に1時間乗らないといけないのです。

寝坊したり電車が止まったりすると終わりなので、病院から徒歩圏内のホテルに前泊します。

泊まるのは今夜です。手術はもう明日に迫っているのです。

入院のパンフレットを繰り返し読み、体調も準備も万端にしていきたいと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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