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あなたは、李香蘭を知っているか?

以前、国会議員までされていた山口淑子氏なのだが、若い時に「中国人アイドル」として売り出してしまったのだ。
たまたま、親が中国人の友人がいて、「美人な子だから、芸能人になればいいよ」的にデビューしてしまったらしい(父親が漢学者だったそうだ)。
その時の中国向け芸名が、李香蘭なのだ。もちろん中国語も話せるバイリンガルである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E6%B7%91%E5%AD%90


美人で歌もうまくて、これはもう売れ売れになったのだ。
まあ、聞いてごらんになるとよい。

中国語はよくわからないが、日本語歌詞もあり、これが昔の日本の歌らしく、とても情緒的なのだ。
おまけに、ゴージャス系美人で、あまり和風ではない。ちょっと大陸の匂いのする美人だったのだ。

「夜来香」

https://www.youtube.com/watch?v=uuAczdK377c

「蘇州夜曲」(そしゅうやきょく) 西條八十作詞、服部良一作曲

作詞も作曲も日本人なのに、曲がちゃんと中国風になっている。まあ、2人とも天才だし、ヒットメーカーなのですごい。
「髪に飾ろうか」というところが好き。「桃の花」は中国ぽいけど、情緒的だ。西條八十先生が選ぶだけある。桜でも梅でも蘭でもだめだ。

https://www.youtube.com/watch?v=2ZMnDwQBMjI


こちらは、年取ってからだが、老女になっても普通の人とは違う。


(隣の男性は共演の長谷川一夫氏で、往年の二枚目俳優だったのだ。)

うーん・・・歌のうまい人は後世にもいるが、李香蘭本人はやっぱり違うのでありました。


当然、第2次世界大戦がはじまると日中ビジネスなどふっとんでしまう。
しかも、実は日本人だってのがばれて、逮捕されてしまう。
逮捕されて、「スパイだ」という裁判にかけられるのだ。

この先は(まあ、日本で国会議員になっているので、無事帰国された)、実は劇団四季の「李香蘭」というミュージカルになっている。
これが、かの劇団四季のドン 浅利圭太先生がプロデュースしたので、素晴らしいできなのだ。
数年おきくらいに上演されるので、機会があったらぜひご覧になるとよい。

(野村玲子氏は、当時劇団四季きってのトップ女優なので、一番近い気がしますな。昭和の匂いが多少する。)

このとき、中国人の裁判官は、今と違ってまっとうだった。Wikipediaに裁判時の裁判長の言葉が記載されているので、引用する。

「李香蘭は中国人と思われていたため、日本の敗戦後、中華民国政府から漢奸(売国奴・祖国反逆者)の廉で軍事裁判にかけられた。そして、李香蘭は来週上海競馬場で銃殺刑に処せられるだろう、などという予測記事が新聞に書かれ、あわや死刑かとも思われた。しかし奉天時代の親友リューバの働きにより、北京の両親の元から日本の戸籍謄本が届けられ、日本国籍であるということが証明された。

結果、漢奸罪は適用されず、国外追放となった[5]。無罪の判決を下す際、裁判官は「この裁判の目的は、中国人でありながら中国を裏切った漢奸を裁くことにあるのだから、日本国籍を完全に立証したあなたは無罪だ。しかし一つだけ倫理上、道義上の問題が残っている。それは、中国人の名前で 『支那の夜』 など一連の映画に出演したことだ。法律上、漢奸裁判には関係ないが、遺憾なことだと本法廷は考える」と付言を加え、李香蘭は「若かったとはいえ、考えが愚かだったことを認めます」と頭を下げて謝罪した[6]。」


とても名曲なので、最近の歌手もカバーしています。



まあ、昔は中国もおおらかだった。まともな正義のある人もいた。
(とはいえ、たいがいなやつは阿Q正伝みたいなのは、いっぱいいて、承認はずるいし、うそつきもそうだ。当たり屋もいまみたいにたくさんいた。一部のまともな人が必死で国家をまわしていたのかもしれない。)

今では、●チガイ893国家だ。
共産党がやっぱり悪いんだろう。


ちなみに浅利圭太先生は、「キャッツ」や「オペラ座の怪人」など英国ミュージカルを日本にひっぱってきて劇団四季を大きくしたのだが、作詞家が別にいるときでも、セリフがもっとも美しく、効果的になるように改変している。
この日本語の美しさを理解していたのが浅利先生で、日本原作のオリジナルミュージカルを作ろうとしたのが、この「李香蘭」なのであります。
こちらもぜひご覧ください。


まさかの小田和正!!
うますぎ!!


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