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平凡な才能だが、ちゃんと人生の勝ち組になる方法

世の中には、東大やハーバード大学を出て、医者、弁護士、会社社長など、目立つ地位に行ける人もいるが、大半は、「真ん中あたり」「平凡でふつー」な人です。
「うちの大学、いわゆるFランク大学だからなあ」とか、「田舎育ちで、高卒なんだよ。どうしよう?」という人も多々いると思います。

まず、統計学の基本中の基本、標準分布のグラフを見ていただきたい。
これは、IQについて説明している方のグラフを引用します。

引用元 https://shakelog.com/iq-faq/


右端と左端が少なく、ど真ん中は厚みがあります。
21世紀は、おおよそ知識社会なので、頭がいいと得なケースは多く、収入もあげやすいです。

残念ながら、日本の平均賃金は下がっていて、真ん中の人が安いほうにずれていっているのです。悲しいことです。
これは、グローバル化で、「先進国の国内で、高度教育を受けた人を高く雇うより、発展途上国の物価の低い国の人に、安く同じ仕事をしてもらえばいい」と経営者が思っていて、そうするようになったからです。

このコンテンツでは、そういう真ん中あたりか、それより少し低い人が、「ちゃんと食べられるように生きていきたい。もうちょっと収入を増やしたい」という方向けにアドバイスを書きます。

たとえば、IT業界では、 Javaというプログラミング言語は人気ですし、仕事の数も多いのですが、単純なプログラミングは中国人、インド人、ベトナム人などに投げて、1人月20-30万円でやってもらえます。だから、日本人が「私はJavaのハイレベルプログラマーだ」といっても、ただのプログラマでしたら、40万円ほどしかもらえません。上級SEの業務も兼務していたら、60万円以上もらえることはありますが・・・。
この金額は、今の日本のIT業界からいうと、低い目の金額でしかありません。

参考 プログラミング別平均年収


一方、日本語で日本人のうるさいお客さんと話をして、設計ができる技術者は、月100万円でも150万円でももらえますので、(税金や社会保険や会社側の利益などを引かれますが)60-80万円くらいもらえると思います。
ですが、設計者は1-2人でいいのですが、プログラマは2-5人必要だったりしますので、平均の収入は下がってしまいますね。


他にも、「高度金融サービスが日本の金融界は下手くそ」とか、「日本の経営者はリスクを大きく取り過ぎて内部留保を多く取り過ぎる」とか、「デフレ基調でなんでも安いままで、高く売るのはきつい」「アホな日本人経営者は値付けで安くつける傾向がある」などがあります。

まあ、そんなわけで、現在の日本人は「あーあ、お金がなかなか儲からないなあ、給料が増えないなあ」と嘆きます。
おまけに、食料難や円安の影響で、物価が上がってきました。

なので、「月5万円で暮らす」とか「年収200万円でゆったり暮らす」的ななげかわしいシュリンクの傾向がみられます。
私にいわせれば、「3円安い大根買うために、3キロも向こうのスーパーに行くくらいなら、副業で週3時間でも仕事増やせよ!」といいたいところです。
3キロ・・・たぶん徒歩だと30分くらいなので往復だと1時間。それで3円だと時給が3円です。週1回買い物にいくと月にしたら4回で、12円です。
週3時間X4週で1200円なら、14400円です。
あきらかに差があります。「稼ぐ能力が低い」というのが、今の低収入の日本人の問題です。努力のやり方が間違っているのです。

正直、これを説明するとあまりに虚しくなるのか、逆切れでわーわーわめく専業主婦(夫)の人がいたりしますが、事実は事実です。リアルに努力のおかしさを自覚しないと、改善できないのです。
いまどきは、家で入力できて、月3-5万円になるような仕事だって、探せばあります。そういう探す努力もしないで、時給3円を嘆いたり、逆切れしたりしても意味がありません。

大多数の真ん中あたりの人が、少しでも暮らし向きが上向いて、人生の充実度をあげるヒントを少し書きたいと思います。

(1) 同じ業界で、同じくらいの職種での、各企業のあなたのキャリアと同じくらいの給与がいくらくらいか調べる。それで高いほうに転職する。

たとえば、NTT、NTTドコモといえば、泣く子も黙る日本優秀の大企業です。同じ企業グループです。しかし、NTT本体で課長になる人と、NTTドコモで課長になる人の給料はどうやら100万円以上差があるようです。NTTのほうがあきらかに上なのです。たとえば、100万円違うと、600万円の人と700万円の人ということになります。
(ちなみに、NTTドコモさんはネームバリューや仕事の内容の厳しさのわりに、どうも給与はそこまで高くないようです。グループ内で格付けやいろんな事情があるようです。)

どこの会社がどういう給与か、社風や社内の雰囲気はこういう転職サイトの口コミを見ればいいです。
(ブラック企業かどうか、残業が多すぎて倒れてしまわないかなども確認しましょう。)

(2) 「私は、高卒だから、大きい会社になんて入れない」という人はいると思います。その場合でも、2つの目立たない入り口があります。

(A)  人材派遣業で、3年以上働いて、正社員に採用してもらう。あるいは、紹介派遣で行くこと。(ただ、相手も正社員はそれほど増やしたくないので、3年ごとに契約を切る傾向はありますので、要注意です。ただ、10年同じ大手企業に派遣でいって、社会問題になったので、300人くらい一気に正社員採用して正社員になった人はいます。英断してくれそうな企業は、10年いてもいいかもしれません。一か八かですが・・・)
(B) トヨタなどは期間工という、半年だけ働くといった働き方があります。工場の組み立てなども当然募集しています。これが、現在なかなか募集に応じないということで、高卒などでも入社させてくれます。高卒なので大卒社員ほどの給与ではないですが、30万円以上の月給はある工場やポジションもあるので、年収200万円しかないアルバイトの方は、応募して様子を見るというのは手だと思います。

トヨタのような大手だと、期間工だろうと正社員だろうと、同じ福利厚生は受けられることが多いです。従業員福祉がいいだけでも、安定的に過ごせます。
たとえば、こんなですから、社宅や寮があるだけでも助かるという人はいると思います。

福利厚生がいいと、月に5万円相当の価値があるものもありますから、年収が同じでも、支出が抑えられます。それはせっかくなので、利用すればいいと思います。

どちらも社内でスキルをつけておいて、3,4年したら、同業他社で同じスキルのところに、正社員で応募すれば、採用される可能性は高いです。
できるだけ、深みのあるスキルをマスターするのがいいでしょう。また、ちょっと複数ジャンルの仕事もマスターしましょう。

高卒だけど大手勤務というのは、がんばればできることです。

(3) 多機能工に、スキルアップする。

日本では、「多能工」というのが喜ばれています。たとえば、建築業界では、大工さんもするが、壁塗りもするし、電気工事もできるような職人さんは、引くてあまたです。

こんなかんじです。ハイスキルな分、給与も少し多めなのです。大工の棟梁クラスだと、年収1千万円以上はたくさんいますから、その下で熟練工をしていたら、600万円もぜんぜん夢ではないと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=iS3Mue_fC8I


(4) 目立たない優良企業に入社する。
(要するに、レッドシーにはいかず、ブルーシーを探すということです。)

大卒の新入社員については、最初から明らかに名前の売れているソニーだの、Googleだのを狙わず、「知る人ぞ知る」くらいでわりと大手か、準大手、中堅の上のほうくらいを狙えばいいです。
人事はしばしばいいます。「うちの会社もソニーさんみたいに有名だったら、引く手あまたなのになー」といいます。引く手あまたの大手企業は、放っておいても、早稲田大学卒、慶応ボーイ、MARCH卒、関関同立卒などが応募してきます。しかし、人事もプロなので、あまり有名じゃないけど、あの大学のあの学部はいいよねと思っている大学や、高校だけどしっかりしてる学校などは、かなり知っている人が多いです。「地元の大学や高校だったら、やめないだろうから、いいかなー」などと思ってる人事もいたりします。

親の経済的な都合で大学にいけなかったけど、地方の名門高校や専門学校などを卒業した・・・というような方は、ぜひ、大手の高卒枠などを狙えばいいし、地元の中堅大手企業などの現地採用を狙えばいいです。

私が勤務していた会社に、某石油会社がありますが、本社幹部は東大、早稲田、東工大卒などずらーっと一流大学卒で、年収は1500万円以上もらっている課長などはざらにいました。
しかし、その企業は、高卒は山口県の高校から採用したりしていたし、夜間勤務もあるので、40歳で1千万円以上もらっている高卒現場社員はごろごろいました。30歳ころには、ぽんと4LDKの広い家を購入し、他に投資用の土地を買ったりして、マクドナルドのような大手チェーン店に貸して地代を毎月もらっている人がいました。

石油業や電気、ガス業などのインフラ業は、事故を起こした東電以外では、わりとうまいこと経営しているところもありまして、優雅なサラリーマン生活をしている人はたくさんいました。残業も少なく、たしかに、クェート紛争などで突発的にトラブルになると急に忙しくなりますが、他はいたって、ルーティンでお金を稼ぐモデルができきっているので、毎日丁寧に仕事をしていれば、お金持ちになるのです。

他には、新潟県や富山県などには、日本海の港が近く、手ごろな家電を開発して売り出して、海外に出荷する中堅メーカーがあります。
他には米どころですから、おいしい米菓子の会社などもあります。こういうところは、今はちょうど海外進出すると日本食品ブームなので、すごく売れるのです。東京で働くのがすべてではありません。
地方の優良企業になんとかして、入り込んで長く勤務する・・・という道もあるのです。
たとえば、ドウシシャは、新卒大卒は360万円ほどの年収のようです。残業があれば、400万円くらいでしょう。22歳ですから、まあまあだと思います。

仕事っぷりはこんなかんじのようです。

他にはこちらの記事の真ん中あたりに、NTTの関連会社でフレッツ光の工事をする会社の作業技術者の話が書いてありますが、それなんて、当面何十年も仕事があると思います。作業着だって、当人が輝いていたらかっこいいのです。スーツでなんのスキルもない人より、作業着を着ていても、電気工事技能などを持っている人のほうが、ずっと確実に仕事をもらえます。

それ以外には、材料化学系、半導体部品、工作機器メーカーといったところが、地道でいい企業が多いです。大手の下請けであっても、案外と従業員500人くらいいたりすると、けっこうちゃんとしたお給料、従業員福祉などを持っているところがあります。
それどころか、10-20年ほど見ないうちに、従業員5千人以上になっていて、すでに大企業のところもたくさんあります。
たとえば、堀場製作所さんなどは関西の大学生がぜひ入りたいような、グローバル大手企業になりました。

サービスエンジニアの方で、年収400万円以上です。3-5年やっているような人なら、500-600万円は確実にくれるでしょう。

日本は、こういう地道な成長している製造業や関連会社が多いです。
完成品だけが、社会のすべてではありません。完成品の中に入っている部品や、材料を作っている企業で安定的にもうかっている企業は多いです。


(5) 年金体制がよい企業を探して入社するようにする。
こういうゆとりのある企業は、年金も3段目があったりします(ただ、今後はこういう制度は減るかもしれませんが)。
そうすると、15万円しかもらえない・・・というクラスの人が、追加で20万円もらえる・・・ということになります。

働いているうちは多少安くても、企業が積み立てておいてくれますから、リタイアしておから、お土産がもらえるのと同じですね。
けっこう小さい企業でもあるところはあるらしいので、「私などは中小企業でしか勤務したことがないが、月に3万円上乗せでもらえるのはかなり助かる」という70歳の方もおいでです。


(6) 低予算あるいは無料でスキルアップする。
今はアルバイトで、スキルがぜんぜん不足している・・・という方は、ハローワークで就業支援の訓練を紹介してもらえます。
(まあ、しばらく実家で暮らすなど、勉強しながらだとちょっと厳しいですが・・・。)


正直、即戦力ではないですが、会社によっては、「あー、手足がついていればそれでいいから。うちの会社内部で覚えてもらえばいいから」というスタンスの企業はけっこうあります。ですので、そういう優しいめの企業に、まず入り込めば、習ったスキルをプロらしいレベルに持ち上げることができます。そういう会社は少し給料も安いかもしれませんが、1年がんばれば、技能がつくはずです。3年やれば、けっこう一人前扱いです。
一人前になってから、条件のいい会社に転職して、できるだけ正社員で入ればいいのです。

誰にでも代替えできるような仕事ばかりをしていると、いつまでもたっても、安定した収入をもらえる仕事をもらえません。

(7) 人が嫌がる仕事も受ける。管理職になる。

学歴がなくても、まじめで地頭がいい人や、気が利く人、周囲に配慮ができる人は、管理職になればいいと思います。
若い人は「えー、管理職なんて板挟みで疲れるし、給料もたいしてアップしないじゃん」と思われると思います。
しかし、課長などの管理職は、階段のステップの1つでしかありません。会社はその社員の、「忠実度」を判定しています。企業は遊びではありません。趣味的な「楽しいから」だけの仕事ばかりされても、困るのです。160時間働いていたら、面倒くさい仕事は2-3割あったりします。
その場合でも、嫌がらずにやっていれば、上司や人事部から評価を得られて、「あいつは、本当に人が嫌がるきつい仕事でもがんばっているから、次の昇給はたくさんしてやろう」と思うものです。
それが、毎年毎年、10年以上続くと、結果は月10万円以上、年100万円以上の差が出てきます。
皆さんの周りで、「あいつ、大学は一流なのに、ぜんぜん仕事できないし、いつまでも平社員で、どうなの?」という人がいますが、要はそういうことです。あれも嫌だこれも嫌だという人を昇進したり、昇給したりするようなことを会社はしません。

知り合いの会社に、非常にわがままで趣味ばかりで平凡なデザインしかできないデザイナーさんがいました。当人は、のらくらとやっていましたが、ある時、そこの社長に「彼はどうなんですか?」と聞いたら、「あれはあの程度の仕事ぶりだから、安い給料しか払ってません。別にもう期待してないけです」とドライに言い切っていました。もっといい後釜の若いデザイナーがでてきたら、適当なタイミングでリストラするでしょう。そして彼は気が付かず、年収300万円のまま生きていくのです。
20代も30代も、10年もやっているのに、300万円しかもらえていない人は、このエピソードが自分に該当しないか、よく考えるべきなのです。


中間層な人は、変に派手で上昇志向や承認意欲ばかり追求せず、現実でプラスなものを地味なところでつかんで幸せを感じるべき・・・ということです。
自分の力をうまいこと使ってもらえて、それなりにいい給与をくれる、スイートスポットをいかに早くみつけるか・・・です。

人間には欲が果てしない人がいます。脳内で、ドーパミンが出すぎる人です。「もっともっと」と言い出し、「友達より、でかい家に住みたい。友達より有名な大企業に勤めたい」などと考えると、自分の能力や個性にあってるとは限りません。また、大きな家は維持費も高いですし、大きな企業はより厳しい倫理観や責任が追及されます。
でも、「中くらいでいいよ。普通にしんどくない程度で、こつこつまじめに幸せに生きていくんだ」と思えば、無駄使いも減るでしょうし、ほどほどを覚えます。

地方の田舎で、どう見ても小さいお店の小売業をして、2億円をためた80歳すぎのおばあさんがいます。そのおばあさんは、最後に葬式代や生活費、医療費を手元に残して、残りを国に寄付されました。
死んだら、お金があっても天国にもっていくことはできません。
また、年収1億円あっても、浪費で借金苦で自殺したり、破産する人もいます。

「中庸の幸せ」「バランスを考えた生活」が手に入れば、人はオキシトシンが脳内物質として出て、人生を幸せに感じます。

上を見てもきりがなく、下を見てもきりがないです。

困ったことや、誘惑があれば、「右見て、左見て、将来のこともよく考えて、紙に予算を計算したりして、安全なラインをみきわめましょう」ということです。

突然の事故で死んだ人から見れば、貧乏だろうと、ちょっと手足に不自由があったとしても、普通に生きていることのほうが、ずっとずっと幸せなのです。

AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!