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新たなる被害者面をする人々が、でてきそう


こういう「何言ってんだー?」という人が多くなると、まともに働いて、まともに年金保険料を支払って、まともに老後のために貯金してきた人々が損をするということになりかねません。

「年金受給年齢までずっと自営業であれば、年金は国民年金だけ。しかし、令和4年度の年金保険料は月額16,590円、満額の受給額は月額64,816円と、とてもではありませんが、これだけで老後生活を賄うには無理があり、事前に何らかの対策が必要です。」
「両親とずっとクリーニング店を経営してきました。生活は楽ではありませんでしたが、老後の年金は確保しなくてはいけないと思い、国民年金の保険料だけはずっと納めてきました。しかし、いざ年金を受け取る手続きをしてみてビックリしました。これだけしか受け取れないなんて…。貯蓄もほとんどありません。死ぬまで働けということでしょうか!?」


まず、「国民年金」は自営業者のための年金制度です。自営業者には、定年がありません。定年がなく、零細企業の自営業者で低所得の人が多いので、納入する年金保険料は安いのです。高額にとると、毎月支払えなくなるからです。
それに自営業者は、経費を経費として落とすことができるので、節税や保険料をどう払うかは、自分である程度コントロールできます。また、自営業者は、サラリーマンに比べて、小さくてもお店や工場を持っている人が多く、資産があります。たとえば、家族経営の蕎麦屋さんなどは小さくても、お店が店舗兼住宅だったりしますし、こういう家族経営のお店は、お父さんとお母さんで80歳になっても働けます。また子供が店を相続していれば、手伝ってもらえて、そこから養ってもらえるというのが前提です。
(子供がいない場合は、養老的な支援がないので、自力で用意しなければいけません。)

他の会社員が入る「厚生年金」になると、会社が補填してくれますが、総額では、この保険料は全体で、10万20万円とかになることが多いです。
しかし、会社員には別に「定年」があり、60歳や65歳で会社を辞めないといけなくなり、安定的な収入がなくなります。そのため、会社からの補助もあり、かなりの高額を天引きされ、その結果、月20万円もらえる人もいます。
ちなみに、下記は東京都の健康保険料・年金保険料になります。赤線は、サンプルとして、額面40万円の人の保険料を示しています。ちょっと見にくいですが、健康保険と年金で 46,945円+75,030円=121,975円です。当人から天引きされるのはこの半分ですが、いきなり毎月12万円ですから、バカにできない金額です。しかし、これがつもりつもって、年金機構の運営で配当金などがついてきた結果が、毎月支払ってもらえる年金金額になります(基礎年金部分+厚生年金部分)。12万円も払っているのですから、物価上昇などもあり、15万円16万円もらえるかもしれません。住宅ローンがなければ、食べていける年金額かなと思います。
(ちなみに当人は払わないでいいですが、会社はこれ以外に、子ども・子育て拠出金というのを支払っています。これが、いわゆる子供手当の原資になります。)

(私が年収1000万円以上だったとき、毎月40万とか50万円とか天引きされていたと思います。まさに、生活保護の人が月11万円ほどもらえますから、中産階級のやや上ランクの人々は、(税金を別にしても)1人で3人分も4人分も無職の生活保護の人を食べさせていっているのと同じになります。生活保護の方は、「病気で働けなくてつらい。生活保護もらっても最低額だから辛い」と思われるかもしれませんが、いくら高収入であっても、真夜中まで働いて、こんなに引かれる勤労者の立場も少しはわかっていただきたいです。億万長者になれば、所得税でもすごい金額が引かれます。何千万円、何億円もです。大学院にいって勉強したり、他人が嫌がる3K仕事をしたり、土日も出勤して働いて、株を購入したり、リスクを取って新しいビジネスを始めたりして、大変苦労してお金を稼いで、1億円貯金ができるようになった人だっています。さも、「親から遺産でもらったんだろ。だからいっぱい引かれてもいいじゃん」という思い込みは、いい加減にしてもらいたいかなと思います。)

ちなみに、いざとなれば、部分的に生活保護を受け取ることもできるのですから、すごく悲観的になることもありません。そのための生活保護です。


Yahooには、常識的なコメント回答者も多いので、コメントを一部ご紹介します。

受給年齢になって、初めて受給額を知るほうがおかしい。 ある年齢になれば毎年通知が来ているので、それをちゃんと見ていればこのようなことは起きません。 それだけの事です。 また、その金額でよかった時代は3世代同居で子供が親を養う前提もあったのではないでしょうか。 その前提が崩れただけであり、自分の無関心が元凶に思う。
受給額が少ないのは、保険料が少ないからでしょ。厚生年金は、会社と折半だが、天引きで生活が苦しくても徴収される。しかも倍以上徴収されているのだから、受給額が増えるのも仕方ないと思う。そもそも受給額が低いのなら国民年金基金で保険料を多く払えば、厚生年金と同じように追加の受給もできるはず。最低限の保険料で多くの保険料を払っている厚生年金と同じ額貰えると思う方が都合が良すぎなのでは?
それに、自分の都合で保険料を払っていない人が多いのも国民年金が低い理由でもあるのでは?厚生年金でも、非正規のように収入が低くて保険料も納入できないときもある人と比べてみないと意味がないと思う。」

自営業なら給与所得者以上に経費として計上できる金額も大きかったのでは?きちんと将来を考えている自営業者は儲かった時に浮かれて浪費するのではなく貯蓄したり、投資したり、民間の保険に入ったりして備えていたのでは?」

結局は自分で考えてお金を使わなかったからこういう事になっているだけだと思うのですが。最近は確定拠出型年金やiDeCoの制度ができましたが、昔から民間の保険会社の年金保険もありましたよね。それに自営業の所得捕捉率は低いんですから、色々と得をしてきた面もあると思います。年金受給の段階になって焦るとか凄い今更感があるし自己責任だと思います。」
「これに限らず なんでも人と比べてもらえる額が少ない、ひどい! と、短絡的なものが多いけれど 厚生年金や健康保険料、所得税に住民税 きっちり計算されて、きっちり天引きされています。 社保だけで10万以上持っていかれる人も多くいる中 自営などは、色々経費で落とし税金を払ってない人多い そもそも、国保の額は社保に比べて安い。 それくらいしかかけてないと、そりゃ手取りも少ない。 それに、受給の時期まで調べなかったのかも疑問 それを、悲劇の人みたいな表現は違うと思う

「大分前の話だが、お客さんにレコード店をやっていた個人事業主のおばあちゃんがいた。
もう売れないし、年なので商売を止めるとの話だったが、小規模企業共済を永らく掛けていたとのこと。
これが自分へのご褒美と今から20年以上前の話だが当時2千万強の共済金を受け取っていた。金融機関から進められて加入したと話していた。
いろいろな制度があるしそれに触れる機会も多い。
若い時はなかなか先を考えられないが、その時は税理士なり金融機関なりの話を聞いて将来の備えをすることが大切なことだと思ったし、立派なおばあちゃんだなあと思った。」

私は社長をしていたこともありますので、たとえば、銀行や保険会社などから、こういう共済や個人保険の案内を年中、もらいます。
それに年金保険機構から資料も毎月送ってきます。
DMが来なくても、市内の商工会議所にいけば、教えてくれますし、加入先を紹介してくれます。
税理士さんと節税の相談をしていたら、この手の話は毎年出てきます。
それどころか、ほぼ大きい市内には、年金相談窓口がかなりの数で設置されています。だいたい県内に数か所はあるはずです。
平日抜けるのは、自営業であれば、自分で決めればできることなのですから、たとえば奥さんにお願いして、そういう年金相談窓口に電話するとか、直接相談しにいくべきだったのです。
たとえば、日本年金機構のQ&Aページなどもあります。

コメントでご指摘のように、毎年年金のご案内通知が日本政府から送られてきて、そこには予想受領年金額が書かれています。それを見れば、「ああ、足りなければ、小規模企業共済に入ろうかな」と普通は思うものです。

それに個人自営業の方であっても、厚生年金に加入することはできます。
わからなければ、数万円程度だと思いますが、社会保険労務士に相談することだってできました。
また、70歳まで働くとしても、55歳や60歳から準備すれば、まだ10-15年あるのですから、年100万円ずつ貯めても、1000-1500万円は貯蓄ができます。できないのは、よほど効率が悪い経営なのか、金ばかり使っているか、大病などで働けないかなどです。大病で働けない場合は、条件があえば、障害年金などをもらえますので、足しになるでしょう。

そういう貴重な情報をシャットダウンして、すっぱり忘れて、自分が悪いくせに、さも「社会が悪い」的な発想で被害者ぶる人には、変というものです。

他の常識的な人もいうように、「自己責任」の通りだと思います。
そもそも、持ち家やお店の設備を売れば、何百万何千万円にもなるかもしれません。
それを手放しもせず、田舎の小さい家に引っ越しするなどもせず、「毎月のもらえる年金が少ない」とぐちるのは、卑怯というものです。
自営業者は、景気の波を受けやすいですから、景気がいいときに、貯金しておくべきだったのです。
もちろん、30年40年と働いていると大病を患って、貯金がすっからかんになるときもやってきます。でも、自営業者には、定年はありませんから、体が動く限り、好きなタイミングまで働くことができるのです。ある意味、ありがたいことです。
それを「死ぬまで働けってか?」というのは、お門違いというものでしょう。
というか、そもそも国民年金は、65歳以上であれば、好きなときまで働く自営業者が、最低限度の年金をもらえるために設計された年金制度です。
いやなら、厚生年金に切り替えればいいだけです。その代わり、毎月の支払保険料は2倍になります。その金をケチった人が、少ししかもらえなくても、しょうがないのです。

「国民年金のみの受給者の方は、年金をもらい始めるまでにしっかり貯蓄をしておくか、65歳を過ぎてもずっと働き続けるか…。」
はい、その通りなのです。

しかしまあ、この高木 智子氏というライターさんも、ファイナンシャルプランナーか、社会保険労務士か何かの資格を持っているかと思いますが、そんな基本の基本さえ知らないで、何を言っているのか理解できません。専門家として、どうかなあ???と思います。


おまけ
こんな風に節約して、若いうちから貯金をためておけばよかったのだ。


AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!