見出し画像

貧困の元凶が何かという疑問への答

貧困の元凶は何ですか?

と尋ねられて、たぶん教育関係の人や社会福祉関係の人なら、だいたい知っている答があります。あまり考えたことのない人は、「当人の怠けでしょ」と答えられることが多いと思いますが、それも正解です。
貧困には、複数の大きな理由があるのです。

その中で、脳科学者でAIエンジニアでもある私が気になる一番大きい要因は、教育や情報不足などです。これは、先進国でも発展途上国でもそうです。

この本が大変面白いかなと思います。

この本を読むと、小学生レベルの国語の本を読むことさえできないという少年たちがいるということです。
また、今の世の中、3割の人は使い慣れた母国語で文章が書いてあっても、理解できないのだそうです。要するに、読解力がないのです。

(実際、某QAサイトでコメントを書いてくる方で、回答に書いてある私の文章をろくに理解していないで、追加の質問コメントをしてきた人が、ときどきいました。もう一度、読み直してくれれば、ちゃんと書いてあるのですが・・・)

もう1冊はこちらで、「境界知能」について書かれた本です。
一見普通に読み書きができているように思うが、部分的に苦手なことがあって、聞き取れない、論理的に変なほうに行く、確認も怖くてできない・・・といった、知的障害ではないが、健常者ではないグレーゾーンのケースが解説されています。

ちょっとした詐欺にひっかかるのも、情報弱者が多いです。
本をたくさん読まない、ニュースはゆがんだTV局1種類しか見ない、ネット検索もろくにしない・・・などをずーっとしていると、情報弱者になってしまいます。
QAサイトにいくと、「ググれカス」といいたくなるような人がいっぱいです。もちろん、直接有識者に聞いた方がいいケースもありますが、検索したら、いっぱつで答がでるようなのはたくさんあるし、中学や高校の教科書に書いてあったこともものすごくたくさんあります。
(実は日本の教育カリキュラムは、まあまあよいのです。80点くらいはあげてもいいと思います。残りは教えていないことで、よくはないのですが・・・)

たとえば、毎回釣銭を間違う人を、企業が採用すると思いますか? 上司が、「XXXだから、XXXしてくれ」という業務命令を理解しないで、極めて適当な仕事をしてしまう人がいたら、会社の上司、同僚は困りますよね? それに、会社の人事部や経営者が、(ものすごく人手不足なときを除いて)こういう人を普通、採用しませんよね(肉体労働なら、多少あると思いますが)。

安定的な高収入の仕事につけないと、当然、貧困になってしまいます。

「貧困の連鎖」という言葉がありますが、収入が少ないこと(貧困)と教育が足りないことは、ほとんど世界共通で連動しています。そして、親子の間で、継承されてしまうことが問題になっています。貧しい親は、教育の価値を理解できません。自分が実感していないのですから、多くは教育価値を認めないし、理解できないのです(もちろん、例外的に「自分はろくに教育してもらえなかったから、子供にだけは、ちゃんと教育をしてやるたい」という貧しい親もいると思いますが)。

そうなると、子供を高い学費を出して、大学まで行かそうと思いません。この結果、子供は高卒という教育レベルになってしまいます。今の日本は、大学進学率50%を超えたくらいなので、要するに半分以下のレベルになってしまいます。

日本の給料は、大卒と高卒とでは違います。月給で1–5万円は確実に違うでしょう。大学卒と大学院卒でも2-3万円は違っているはずです。
これが、ちり積もれば、一生では何千万円にもなります。ちゃんと安心して食べていける人と、お金がなくてぴーぴーいう人とに分かれてしまいます。

特に、家庭教育のレベルが低いと、貯金をしない、計画的にお金をつかう癖がないなどの問題があります。家庭教育は普通親がします。質問者さんも親から「お小遣いは、よく考えて使って、無駄遣いしないようにね」といわれたことがあると思います。たった、この一言でも立派な家庭教育なのです。これがないと、「今月は多くお金が入ったから、好きなものでも買ってパーっと使おう」とすぐ考える人がでてしまいます。貧困層は、この傾向が大きいのです。漫画などでも、酒を飲んで飲んだくれている親父などは、貧困家庭のイメージにあっていますよね?

私がなにか貧困について語るときに、「今日はおにぎり2個しか食べていません」というような大人を信用しませんといいます。
実際にファイナンシャルプランナーが貧困家庭に入って調査すると、こんなことがわかりました。たとえば、「おにぎりしか食べてません」というシングルマザーの母子の例です。
食べたもの・・・おにぎり、お店で買ったパン、カップラーメンなど。そして、高いビール(たとえばエビスビールなど)
使ったお金の出先・・・グッチの女性もの財布 5万円、子供(小学2年生)の習い事 2万円、ビール、お酒など3万円、たばこ 2万円、ゲーム課金 3万円、スマホ通話料(アプリ利用料、サブスクなども含めて)4万円・・・。
とまあ、こういうタイプが非常に多いのです。
おにぎりしか食べてませんっていう子供に、2万円の習い事がいりますか? その2万円で、お肉、魚、野菜をもりもり食べさせてあげてばいいですよね? 手作りか、もしくはバランスのいいお弁当を!!
酒、たばこ、ゲーム、ブランド財布・・・小さい子供がいる家庭に必要なものでしょうか? 必要ありませんよね。十分稼いでいる独身者なら、こういうものを買っても問題ないでしょう。しかし、小学生のいる母子家庭(父子家庭でもかまいませんが)が優先的に買うものではありません。
 要するに、家計の優先度がわからない = 家計管理教育ができてない・・・ということです。これも教育です。
 たぶん、日本では小学校、中学校で男女関係なく「家庭科」を習っているはずなので、「栄養のいいものを食べましょう、買いましょう」と教わっているはずです。貧困層は、家庭でも、義務教育で教わっても、ちっとも学ばないのです。つまり、教育が不足しているのです。


 もう少し詳しく書くと、このようにいつもお金をすぐ使う貧困層は、健康維持にも注意を払いません。わかっていても、朝までお酒を飲んだり、タバコをたくさん吸う人もいます。食事もバランス考えないで、味が好きなものだけを食べてしまいがちです。年中、カレーとラーメンばかり食べる人とかもいますよね。それが長く続くと健康問題が発生します。健康意識も低いと、40歳50歳になると病気になりやすくなるわけです。病気になると働けません。親の遺産でもない限り、働けなくなったら、数か月で貧困層に落ちてしまいます。

仮に年収2000万円だったとしても、病気で収入がなくなったら、貯金を取り崩すしかありません。しかも、こういう教育レベルの低い人は、貯金もたいしてしていないのです。こうなると、失業すると、すぐ貧困層に落ちてしまいます。

教育レベルが高く、かつまじめに働き、他の人とうまくやっていける人は、がんばっていれば、中産層やお金持ちになることができます。(なお、教育レベルが高くても、いばってばかりだったり、愚痴や嫌みばかり言う人ような、周囲を嫌な気持ちにする人はだめです。誰からも嫌われやすいので、おいしい仕事を回してもらえません。自業自得ですが・・・。努力の方向を間違っている人もだめです。成果が出ません。
10年20年とがんばれば、50歳ころには、家を買えたり、ある程度のまとまった貯金もできているはずです。そうすれば、余裕ができて、貧困から脱却できます。

また、情報弱者は、詐欺にだまされやすく、何かを購入するときでも、実際は価値のないものを高く買ったりします。これでは、多少稼いでいても、出費がいつも増えてしまいます。そうすると、当然狭い範囲から、高いものをつかんでしまう可能性が多くなってしまうのです。
情報弱者は、多くの場合、視野を広げたり、他人の意見を聞くにしても複数の人の意見を聞いて比較しなかったり、ネットで丁寧に検索したりしません。
また、すぐ「思考停止」をします。深く考えないのです。しばしば、投げやりになって、責任放棄をするし、思考放棄もするのです。


「この仕事、楽そう」といって好き嫌いで仕事を選びますし、時給の高低で決めたりもしないようです。職種の将来性も考えません。
仕事を探す先も、安易に駅前にある人材募集雑誌で探すだけか、ハローワークに相談に行く程度です。事前に資格を取っておいてから、ヘッドハンターに相談する・・・ということもしません。
ヘッドハンターは人事のプロ、転職のサポーターです。「年収1000万円の仕事ありますよ」なんて話を何本も持っているのです。
3-4人は顔見知りのヘッドハンターの名刺をもっておくべきで、「どうしても転職したい」となったら、相談できるようにするか、お気に入りの転職サービスサイトに登録しておくべきなのです。
スキルが低くても、年収500万円以上の仕事はいくらでもありますし、「人手不足だから、3か月くらい教育するから、長いこと勤務してほしい」と思っている優しい会社だっていくらでもあるのです。


以上のように、貧困の多くは、教育が低いことです。情報弱者も含まれます。

竹田先生の入学式訓示をリンクしておきましょう。

他には、ネガティブな気持ちや自己卑下など気持ちの問題もあげられます。

「よし、今日もがんばっていこう!」という人と、「あー、今日も会社にいくのがやだやだ。今の仕事なんてうんざりー。よその仕事のほうがいいよなー」と思っていやそうな顔をしている人とでは、エネルギーが違いますし、周囲の引き立て度も違います。やはり、元気そうな人に「次の仕事は、あの人に頼もう」と思うものです。お金というものは、気分で、明るい人のほうに吸い寄せられるのです。

それ以外にもある(健康問題やお金の問題もありますね)と思いますが、お役に立てば幸いです。
迷ったときは、あえて、白い紙のノートに、何をしたいのか、何ができるのか、いまの会社の何が不満か、どうブレークスルーするかなどを、つらつらを書いて、頭を冷やしてみるのがいいと思います。

根本的に、脳の障害があって、「天然性怠け者病」もあるかもしれません。これは、私が勝手に名付けた脳の病気なので、まだ科学的に証明がされているわけではありませんが、子供や貧困層の大人を見ていると、どうも脳内におかしい点があるように思います。

将来、論文が書けるくらい研究できたら、ご報告したいと思います。

AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!