葦のこゑ聴かんとすれば橋に人 石田郷子

「椋」2021年12月号より。

同作者の「来ることの嬉しき燕きたりけり」(『秋の顔』(ふらんす堂、1996))、「掌をあてて言ふ木の名前冬はじめ」(『木の名前』(ふらんす堂、2004))と並べて眺めたくなる一句。三句の共通点はなんだろう。

自然と人間の共存、とでも言うのだろうか。そんな貧弱な表現しかできない自分にがっかりする。季語をフランクに手元へ引き寄せる力が作者にはある。

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