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柔道整復師 柔整理論 鎖骨骨折まとめ

■概要

・鎖骨は胸骨と胸鎖関節を、肩甲骨と肩鎖関節を作る。

・鎖骨の下には鎖骨下動脈・鎖骨下静脈・腕神経叢が通る。 
 (合併症を理解する際に重要)

・中央•遠位1/3境界部が力学的に最も弱い。
 (骨折部位を理解する際に重要)

■発生機序

★最も頻度が高いのは介逹外力で、
 ・肩峰をついて転倒(最多)
 ・
手をついて転倒
し、中央・遠位1/3境界部で発生する。

・直逹外力は遠位部に多い。

・発生機序は認定実技、文章問題で問われやすいので確実に理解する。
・特に介逹外力の機序は頻出。

■転位・変形

★定型的転位(基本的な転位)

◾︎完全骨折(成人の場合が多い)
 ・近位骨片  後上方 (胸鎖乳突筋)
 ・遠位骨片  下方+短縮 (上肢の重量+大胸筋)

•転位の方向は認定実技で必須。
•転位の方向と原因は過去何回も出題されている超重要ポイント。絶対に覚える必要がある。

◾︎不全骨折(小児の場合が多い)
 ・上方凸変形 腋窩を持って抱き上げると号泣、痛みが増す

・「腋窩を持って抱き上げる」は、認定実技の肘内障の鑑別で用いる。

■症状

・異常可動性、軋轢音は著名。
★頭を患側に傾ける、顔を反対に向ける、患側の腕を支える、肩幅は小さくなる。

・疼痛緩和肢位は認定実技で必要になる。
・イメージして覚えよう。

■合併症

・腕神経叢損傷 (鎖骨の下を通るため)
・鎖骨下動脈損傷 (鎖骨の下を通るため)
・肺尖部損傷 (肺の上先端は鎖骨よりも高い位置にあるため、骨折時に傷つけることがある)

・鎖骨の周りに何があるかを理解できていれば想像がしやすい。
・合併症の確認は認定実技で必須事項となる。
・肺が鎖骨の上まであるのは意識しずらいので注意。

■整復・固定

・胸を張った姿勢が基本で、助手に姿勢を作らせて術者が整復する。
・助手は患者後方と側方。
・術者は患者正面に立つ。

・助手と術者の立ち位置を問われることもあるので、認定実技で理解しておく必要がある。
・あくまでも整復するのは術者。
・姿勢を保持させるのが助手。
・役割を反対にして問われたこともあるので注意。

・肩甲骨を動かさないようにすることが難しいため、固定は困難であることが多い。
・さまざまな固定法があるが、基本的には胸を張った姿勢。

・特にセイヤー絆創膏固定は内容をかなり詳しく問われるので注意。

◾︎腋窩枕子 テコの支点

︎◾︎第1帯 肩を外に引き、短縮転位の防止
◾︎第2帯 患肢を持ち上げて、下方転位の防止
◾︎︎第3帯 前腕の重さで、骨折部を圧迫

■後遺症

・固定が難しいため、変形癒合や偽関節となることがある。
機能上の問題となることは少ない。

■最後に

認定実技、必修問題で必要になるであろう箇所をポイントでまとめてみました。

ここにあるものを理解できていれば、鎖骨骨折に関しては最低限戦うことができると思います。

頭の中でイメージしながら理解してみてください。

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