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中学生のためのテストの段取り講座 その8 将来の夢は置いといて、将来の現実を具体的に見る

その8 将来の夢は置いといて、将来の現実を具体的に見る


 前回では、国が税金を取りやすくするために、できるだけわかりやすく働くことを求められていることをお伝えしました。だから、どうやって自立するかということをほとんど教えてくれないわけですね。国語、算数、社会、理科みたいな感じで、いろんな職業の授業とか、経理つまりお金の計算の仕方とか、教えてくれたらいいのですが、それはもうしないと決め込んでいるわけです。国、学校の段取りとしては。というわけで、現代ではそれは自分自身でやっていかないといけないわけです。
 みなさんが将来のことを考えるのはどういう時でしょうか。ちょっと想像してみてください。
 勉強をするわけですから、少しは、何かのために勉強するという理由みたいなものもあっても良さそうですが、学校の中ではいつまでも勉強する理由はあやふやですよね。
 でもちょっとだけ未来が姿をあらわす時があります。
 それは「将来の夢は何?」って聞かれる時です。
 みなさん将来の夢はありますか?
 しかし、この講座では将来の夢はほとんど考えませんので、気にしなくていいです。ほとんどの人が漠然としかないのを知ってます。僕だって、建築家になりたい、と小学6年生の時に一応、口にはしてみましたが、まわりに建築家の人はいませんでしたし、まわりの大人に建築家という職業がどのようなものなのかを詳しく教えてくれた人はいませんでした。だから、僕もほとんどわかっていなかったんです。自分の机を家に見立てて、布団を敷いて遊んでいたから、建築家になったらと言われただけです。高校生までは建築家のための勉強は一切してません。大学は建築学科に入りましたが、そこではもちろん建築設計の勉強をしましたが、それでも建築家という職業が一体、どんなものなのかは、そして、どうやって建築設計でお金を稼ぐのかということはほとんど習わないままに卒業してしまいました。その後、僕は高校生の時に見つけた建築家であり大学教授だった、僕の先生の設計事務所に入りました。そこでようやく仕事としての建築家の働き方を初めて経験することになったのですが、建築家という仕事は、土地を持っている人から依頼を受ける、という仕事しかなかったんですね。当然と言えばそうなのですが、僕は「なぜ土地を持っている人と持っていない人とにこの世は分かれてしまっているのか」ということを考えてしまいました。そんなわけで、土地を持っている、つまりお金を持っている人のためだけに働き続ける建築家という職業に疑問を持ってしまったんですね。このように、将来の夢は、あまりにも漠然としています。これでは段取りなんて組めませんよね。
 むしろ、将来の夢を持つ必要なんてない、と僕は思います。だって、現実は全然違うからです。段取り講座をやっている僕としては全くおすすめできません。
 だから夢に関しては、頭の中空っぽでいいと思います。漠然とふわふわとさせておいてください。何となく、こういう仕事をやってみたいなあくらいの適当なものでかまいません。
 じゃあどうしたらいいのか?
 今の自分を起点にして考えるんです。今の自分の延長として考える。今の現実の先にあるものとして考えてみましょう。
 つまり、将来の夢、ではなくて、将来の現実、を考えてみましょう。
 将来の現実? 意味わかりますか? 
 将来の夢は、みなさんが遠い未来に、こうなってたらいいなあ、みたいなイメージです。一方、将来の現実はどうなのかと考えると、遠い未来だろうがなんだろうが、同じ一日がみなさんには訪れます。日が昇り、朝が来て、お昼がきて、夕方になり、日が沈み、夜がきて、みなさんは今日と同じように、遠い未来も布団で寝るんです。
 そっちは想像しやすいと思いませんか? 
 なぜなら将来の現実は、全体量がわかっているからです。そうです。未来も同じように、1日は24時間ですから。
 というわけで、将来の夢はあやふやで先が読めませんが、将来の現実については段取りが組めるわけです。
 その前に、まずは今のみなさんの現実、つまり、今のみなさんの24時間を自分で観察してみましょう。
 まず何時に起きますか? 毎日、大体同じくらいだと思います。起きたあと、何をしますか? 学校は何時から何時までくらいですか? 学校から帰ってきたら何をしますか? 何時に寝ますか?
 そうです。テストの段取りを、さらに、1日の生活全体に広げてみるんです。
 
 例として、僕が13歳だった時の1日を思い出してみます。

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 こんな感じでした。僕はとにかく夜が弱かったので、すぐ眠くなってました。夜9時にはもう眠かったです。そのかわり、朝が早いんですね。いわゆる朝型の人です。夜なにかやるよりも朝やる方がグングンできちゃってました。僕は、絵を描くことが好きだったので、よく描いてました。別に画家になれるほどうまいというわけでもありませんでしたが、とにかく好きだったみたいです。5時台に起きて、家族で寝ている中、一人で子供部屋に行って、机に座って、机を綺麗にして、筆記用具を整えて、白い紙を一枚出して、それで何かを描こうとすると、なんか気持ちいいんです。もちろん、部活やっていたので、テスト勉強を朝やらなくちゃいけない時もあったんですけど、その時よりも、やっぱり絵を描こうとしている時が何とも気持ちよかった。何というか、アトリエで作業しているみたいな感触があったんです。別に何を描こうとかもよくわからないし、自分独自の絵とかが描けるってわけでもなかった。小学生の時は、自分で連載漫画を描いてましたが、中学生になると、ちょっと変わってきて、好きな映画とか音楽のワンシーンを描くみたいな感じになってました。平日は朝の時間しか描けないのですが、休日になると、この朝早くからお昼までの時間、机であれこれ作業をしていると、なんか気持ちがグーっと上向きに上がっていくような広がっていくような、そんな気持ちよさを味わっていました。
 でも7時を過ぎると、現実に戻ります。学校に行かなくちゃいけないので、準備をします。そうすると、その気持ちよさの空気は少し変わってしまいます。別に学校に行くのが嫌いではなかったですけど、特に好きってわけでもなかった。僕としてはこの机で何かを生み出したい、という思いの方が強かった。よく考えてみると、もう中学生の時から僕はそうでした。部活なんか全く関心がなかった。でも、何となくスポーツやっておくかみたいな波に飲み込まれて、好きでもない野球部に入って、毎日バリバリやってました。体を動かすという意味ではよかったと思うんですが、やっぱり早朝のあの時間がいいなあとずっと思ってました。家に帰ってきてからだと、もう妹も弟も両親もいて、そうなると、あの机の上での集中できる時間とは全く違ってしまいます。できるだけ早く、一人で、机の上で、何かしたい。僕は建築家という漠然すぎる将来の夢と同時に、机の上で一人で静かにゆっくり何かを生み出したい、という将来の現実の予感を感じとっていたようです。
 もちろん、どうやってお金を稼ぐかなんか、想像もしません。何も知りませんでしたし、知りたいとすらわかっていませんでした。
 でも将来の現実の映像は見えていたようです。夜早く寝て、朝早く起きて、すぐに机に向かって、何かをしたいとずっと思ってました。
 僕がそうだったんですから、きっとみなさんもそういう時間があるはずなんです。
 なんか心地いいなあ、このままずっと続けばいいのになあ、と思っている時間が。
 それはすでにあなたに将来の現実が、ぽっこり顔を出している瞬間です。ぜひそれを思い出してみてください。

 僕は小学生の頃から、とにかく円グラフを描くのが好きでした。円グラフは、おそらく学校の時間割からヒントをもらっているはずです。円グラフを描くのは、決まって、休みの日でした。土日、そして、夏休みなどの長期休暇です。僕は、何かやろうと思って集中するとうまく集中できるんですが、ぼんやりしていると本当にずっとぼんやりしてしまって居心地が悪かったんですね。何をすればいいかすぐわからなくなってました。でも、円グラフを覚えたら、本当に、自分がやりたいと思うことがどんどんできたんです。小学生の頃は、連載漫画を一人で描いてましたので、そうすると、1日じゃ完成しないわけです。一つの話に数日かける必要があるし、それも連載なので、どんどん続いていくわけです。読者は弟ただ一人でしたが、それでも一人いればもう僕は一人の作家みたいなものです。そうやって、勝手に、自分で、何とか適当に理由をつけて、集中する機会を伺っていたのかもしれません。
 というわけで、僕は言葉は知りませんでしたが、小学生の時から、段取りをやっていたようです。
 その段取りは円グラフからはじまりました。夜寝る前に、作っておくんです。何時に起きて、何時から何時までこれやってアレやってと。そうすると、小学生の時の休日なんて、何やっているのかどうか記憶にないまま終わったりしますが、円グラフに描いたことはちゃんと実現することができました。どうやらこの時から、書いたら、大抵のことは実現すると感じていたようです。連載漫画なんてできるとは思っていませんでしたが、やってみたい、週刊ジャンプを書いている漫画家みたいにやってみたい、漫画家ができるんだから、自分にももしかしたらできるかもしれない、同じ人間なんだから、と、円グラフに描いて、毎日コツコツやっていくと本当にできました。連載漫画はのちにさらに束にして、自家製の漫画雑誌まで僕は作るようになりました。この調子で、テスト勉強もちょろっと円グラフの中に入れておくんですね。そうすると、テストもいつもうまくいきました。
 円グラフでその日のメニューを書き込んでみる。この方法は本当にうまくいくのでぜひやってみてください。

 それがみなさんの現実なのです。現実とは、つまり、毎日、どの時間に、何をやっているかだけです。
 何をやって稼ぐとか、働くとか、どの会社に入るとか、大学に入るとか、そういうことではありません。
 毎日、何をしているか、だけです。その具体的な行動を自分でいつも観察しておくといいですよ。
 これもテスト勉強のためのスケジュール表と同じですね。つまり、スケジュール表とはテスト勉強のためだけにあるわけじゃないんです。
 もっというと、スケジュール表だけが人生です。この先ずっと、みなさんには毎日、同じように24時間がやってきます。
 みなさんは、休みの日に、何をしたらいいのかわからない、みたいなぼうっとしてしまうことがありませんか?
 僕はたびたびありました。しかも、僕は、ゲームをしたり、漫画を読んだり、していればいいのに、そういうものが全然面白いと思えてなかったのです。誰かが作ったものを、読んだり見ているだけだとすぐに退屈してしまいました。そんなわけで、退屈しのぎの方法が簡単ではありませんでした。テレビとか見ても、30分くらいですぐに飽きてしまうのです。
 そんなわけで、暇のつぶし方、に色々と工夫が必要でした。そんなこともあって、漫画は読まずに、自分で描く。ゲームもやらずに、自分で紙でゲームを作る。そんなことをしなくちゃいけなかったんです。すぐに退屈してしまう体質だったとも言えます。そこでどうにか暇を潰す方法を自分で無茶苦茶考えるようになりました。
 友達と遊んでいたら、自然と時間がすぎていきますよね。あれはあれで素晴らしいです。でも、僕は毎日、友達とずっと夜まで遊ぶというタイプではなかったので、そうやって、友達と日が暮れるまで遊ぶという日は限られてました。人といすぎると疲れてしまうから、ちょうどよかったんですが、その代わり、暇を潰す必要がたびたびあった。
 僕は無茶苦茶暇人だったとも言えます。今は自信を持って、暇人でいますが、当時は、何となく、暇な自分てダメなのかも、なんて思ったりもしてました。でも漫画に集中していると、たとえ暇でも楽しかったんですね。というか、暇じゃないと漫画なんか描けないわけです。そんな感じで、僕は暇とよく向き合ってました。

 そして、今、いのっちの電話で、僕は死にたい人と、毎日電話をしてます。もちろん、この行為も暇な僕の時間の有効活用なわけです。暇な時間、電話にでて、それで少しでも人が楽になるならいいですよね。そんな感じで、もう10年以上もやっているのですが、死にたい人には特徴があります。もしかしたら死にたい人の特徴ではなく、人間全ての特徴かもしれませんが、僕は死にたい人の電話しか受け取っていないので、比べることができません。なので、死にたい人の特徴ということにします。
 それは何かというと、みんな暇を潰すことができないんです。
 一人で家でゆっくり過ごして、それなりにまあ楽しいかなあ、なんていう日々が送れていないんですね。
「一人でいると苦しくなってしまう」「仕事もしないで、家で寝込んでばかりいる自分はどうしようもない人間だ」
 そんなふうに自分に言ってしまってます。そりゃ苦しくなりますよね。死にたいという辛い状況なのに、さらに、自分のことを悪く言っている。それだと治るものも治りません。
 そこで、僕はどんなアドバイスをするかというと、つまり、一人でゆっくり楽しむコツを伝えます。
 一人でゆっくり楽しむ、これがみなさんできないんですね。だから、ただでさえ、うつ状態なのですが、さらにどんどん苦しくなっていくわけです。
 話を聞いてみると、結構、僕の小学生時代に似ているんですみんな。つまり、暇なんですね。それで退屈している。どうやら、死にたい人の多くが、退屈してます。
 しかも暇の潰し方をほとんど知らないんです。だから一人でいてもつまらないとしか思えないんですね。これはかなりきついです。
 だから僕は、その人が死にたくなくなるようにすることはできないんですが、どうやって、その日1日の時間を過ごすかってことをアドバイスするんです。みんなそれができなくなっている人ばかりです。つまり、人が死にたい時、とは、退屈している時です。たとえ暇でも、自分であれこれやりくりしながら一人で料理でも作って、散歩したりして、まあ、友達いなくても、それなりに楽しむ、みたいなことができている人は死にたいとは思いません。死にたい人のほとんど全ての人が、退屈し、家で横になって、将来を不安に思い、手に持っているスマホでずっとネットを見ています。
 だから、円グラフで、自分の1日を考える、さらには将来の夢は放っといて、将来の現実、将来の1日をどうするかを考える。これはみなさんが自立して生きていくために必要な技ですが、同時に、自立するってことですから、つまりは死にたいとは思わない人生を送るためにも有効です。
 死にたくなったらどうするか?
 これはとても緊急の課題ですが、誰かからこんな話をみなさん聞いたことがありますか?
 ないと思います。ほとんどの大人は子供に死にたくなったらどうするか?を伝えていません。理由はもうわかりませんが、僕が電話で話している限りは、ほとんどの死にたい大人が、死にたい時にどうするかということを教わっていない状況は知っています。
 みなさんには死にたくなったらどうするかということについては、僕の電話に電話してと伝えておきます。みなさんは中学生ですから、僕はまず、死にたいと思わないように生きるためのコツを教えたいと思って、この段取り講座をやっているつもりです。死にたくなる前に、退屈に耐えられなくなっている。これが僕が調査してきた結果わかってきたことです。なので、退屈しないように段取りを組めばいいだけです。しかし、退屈しないようにするために、ただ忙しくしても、何も楽しくありません。そうではなく、暇の過ごし方を身につけるのです。とにかく友達と遊べば、もちろん知らない間に時間はすぎていきます。でもそれは毎日できません。人と群れれば何となく誤魔化せるのですが、そうではなく、一人でゆっくり過ごすことを楽しむ、その技術を身につけて欲しいんです。なぜなら大人になると、大抵の時間を一人で過ごすからです。
 忙しくしていればいい、学校や部活、習い事、いろんなことをやって、暇を潰せばいいと思う人もいるかもしれません。しかし、大人たちを僕はずっと観察していますが、会社で働いて忙しいからといって、退屈していないわけではありません。学校も部活も会社も全部、段取りは自分じゃないんですよね。段取りってことは時間の使い方ってことですから、時間の使い方を人任せにしているってことでもあるんですね。だから、暇の潰し方の技術は全然、大人になっても向上しないんですね。もちろん、会社にいながら、週末は釣りが好きで、釣りばっかりやってます、みたいな上手な人もいますよ。その人は、暇の潰し方を学んでいるわけですね。もっと言うと、暇の潰し方を覚えると、もはや、何でもできます。どんなところにいても、人任せにしない癖がついてますので、もう無敵です。お金が無かろうが、気にしません。つまり、暇の潰し方こそ、学ぶべきことなんですね。しかし、現代では多くの大人が、僕も観察している通り、暇の潰し方を知りません。研究してません。技術を向上させてません。なので、何もしないと退屈、それとお金がないと死ぬ、この二つが合体して、何も考えずに会社で働きまくってます。
 ぜひとも中学生のうちから、この暇の潰し方を身につけて欲しいんです。これは本当に無敵ですから。なんせ、友達がいなくてもお金がなくても、一人でゆっくり静かに楽しめるんですから。社会から認められる、周りからすごいと思われる、みたいな無駄なことも全く必要なくなります。本当に笑っちゃうくらい気が楽になりますから、ぜひとも一人で楽しめる技術を身につけましょう。つまり、それが円グラフの目的です。
 
 まずは今度の土日のために、円グラフを描いてみてください。親にどこかに連れて行ってもらう、友達と遊ぶ、ことはとりあえず置いといて、まずは自分で全部一人で過ごすとしたらと仮定して、24時間を割り振ってみてください。何時に起きて、まず何をするか、休憩も入れてください。こんなのを食べたい、なんてことも入れてもいいかもしれません。コロナで大変でしょうが、ずっとこもっていても苦しくなるので、家の中だけでなく、家の外にも出てみましょう。あんまりキツキツにしないでください。余裕を持って。なんせみなさんも僕と同じく暇なんですから。暇であって欲しいなと思います。最近では忙し過ぎる中学生もいるようで、おじさんはちょいと心配です。今は、暇、退屈を全身で浴びて、だからこそ、そこから、自分のやりたいことを見つけていくいい機会ですから。僕もとにかく暇でした。そして、30年経過した今、将来の現実そのものに到達した僕ですが、やっぱり今も暇です。予定は何もありません。でも、一人でゆっくり楽しむ技術を訓練してきましたので、全然苦じゃないんですね。というか、暇がないと、人間、これをやりたいと思っても実現できないんですね。当然です。時間がないと何もできません。というわけで、現在の僕の24時間はこちらです。

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 寝る時間と起きる時間は変わってませんね。そうです。13歳の時に心地よかったからそのままです。朝起きたら、今は、子供たちに朝ごはんを作ってます。でもこれはただ家事をしているというよりも、僕は料理をするのが好きなんですね、料理ももちろん一人でゆっくり楽しむための技術の一つです。かつ、料理は同時に創作でもあるんですね。僕は料理をしては料理の記録を残し、それを本にしたりもしてます。だから漫画を描いていた頃と同じような感じです。それが終わり、学校がはじまる時間くらいから、13歳の時は学校に行ってましたが、今は、本を書いてます。これがお昼まで。小学生の頃、感じとった将来の現実をそのまま、やってみているわけです。一人で机の上で何かを生み出す。もちろん、連載漫画の時と同じように、円グラフと同時に、スケジュール表も書いてます。僕は毎日原稿用紙で10枚分の原稿を書いてます。そうすると、30日で300枚。これで一冊分の原稿になるのですが、つまり、1ヶ月に一冊本が完成します。年に12冊くらい書くのですが、出版社がこれは本になる、と言ってくれてお金を出してくれて本になるのが、年に5冊くらいです。あとは、本にはなりませんが、いいんです。僕は一人でゆっくり時間が過ごせたんですから。それだけでも儲けものです。
 お昼はお昼ご飯を自分で作ります。みなさんもぜひ料理はやってみてください。これは本当に暇も潰せるし、栄養にもなるし、人に作ると喜ばれるしで、いいことばっかりです。暇を潰すにはこの毎日必ずやってくる食事の時間をいかに過ごすかが鍵ですので、料理は機会があったら、どんどんやってみてください。
 午後の時間は、学校の代わりに、絵を一枚、そして、僕は音楽もやっているので、一日一曲作曲し、録音まで済ませちゃいます。これが終わるのが大体午後6時。あとは、家に帰って、家族のみんなに夕ご飯を作り、お風呂入って、夜9時に13歳の時と同じように寝ます。
 このように、将来の現実は、実は、今のみなさんの現実とそんなに変わりません。当然です。同じように24時間の時間しかありませんから。大人になったら変わるわけじゃないんです。だからこそ、今のうちに、訓練することができるんですね。
  
 ちょっとまとめてみましょう。
 ① まずは今の時間の過ごし方を円グラフで観察してみましょう。これでみなさんの今までの無意識で過ごしてきた時間の使い方を自覚してみましょう。嘘はつかないでくださいね。とにかく今の自分がどんな時間の過ごし方をしているのかを確認する必要があります。ワークノートとかでも答えを見て宿題を済ませてしまうと、どの問題がわかっていてどれがわかっていないかが判別できなくなるでしょ。そういう感じで。 ② 今度は夜寝る前に次の日の円グラフを書いてみて、その通り動いてみてください。これは暇の潰し方の訓練にもなります。休日にやってみるといいでしょう。 ③ 現実の時間の付き合い方が見えてきたら、今度は将来の現実について、楽しく想像して書いてみてください。コツは、今の現実の時間の中で、心地良かったことを思い出し、それをどんどん将来の円グラフに取り入れてみることです。

 どうですか? こんな感じでやると、将来の夢、みたいな漠然とではなくて、今の現実のみなさんの生活の延長線上として、未来が見えてきたりしませんか?
 みなさんは子供ではありますが、一人の人間としてもう10数年生きてきたんです。だから、もう自分がどうやって過ごせば心地よいかは体がわかってます。得意なことも苦手なこともわかっているはずです。苦手なことはもう克服することなんか諦めちゃいましょう。だって、体に合っていないんですから。そりゃもちろん、わがままな人間は会社では使えないみたいに言われるかもしれません。でも僕が伝えたいのはそういうことを克服しなさいということではなく、もうすでに、みなさんの体の中で感じ取っている、やってみたいことに目を向けて、今のうちにガンガン伸ばしちゃおうってやり方です。ヒントは、体が楽、なんか楽しい、ってやつです。そこに少しでも気付いていたら、円グラフに書いて、毎日の生活に取り入れてみてください。休日を利用して、もし、一人暮らしで生活していたら、みたいな感じで、10年後の自分という設定にして、架空の円グラフを現実の生活の中で実践してみるなんてこともできるかもしれません。細かいやり方はそれぞれに編み出してみてください。

 お金の話は全然しませんでしたね。お金は無理なところでは発生しないというお話なんです。無理強いの世界ではお金は重くなります。転がっていかない。まずは自分の体が楽で、楽しく、一人でも平気で、どんなに暇でもゆっくり心地よく過ごすことができる、状態を作りたいんです。それは軽く、愉快で、気持ち良い世界。知ってますよねみなさんも。きっと知っているんです。自分が楽でいれるやり方を。それを生活の中に時間として取り込んでいく、それを実践してみてください。それが継続していくことで、流れがおきます。その流れ自体がお金になるんです。この辺の話はまた今度にしましょう。まずは時間の設定です。ぜひ楽しんでやってみてください。それができたら、次回の「継続」についての話に進みたいと思います。
 ではまた休憩しましょう。お疲れ様でした。


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