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中学生のためのテストの段取り講座その5 スケジュールの作り方

その5 スケジュール表の作り方

 そろそろ、じゃあ、実践では一体、何をするのかってことを今回はお伝えします。
 でも無茶苦茶簡単なので、多分説明はすぐ終わります。
 学校のテストで好成績をおさめるには、もっと言うと、全てのテストで満点を取るには、つまり、学校で一番になるには、子供ではなく、大人になることが重要です。時間割を見て、毎週受け身になっている観客としての子供を捨てて、むしろ時間割を作っている先生の視点に立つってことです。エンタメとしての勉強を卒業し、みなさんが将来自立して生きていけるようになるために、仕事として、勉強をやってみましょう。仕事ですから、学校とは違いますので、段取りが必要になります。そして、段取りを組むためには、前回お伝えしたように「全体量」を知る必要があります。テストの全体量ってことは簡単ですね、はい、テスト範囲ってことです。それに従って、では早速テストのスケジュール表を作ってみましょう。
 
 テストのスケジュール表の作り方

 ① まずは全体量を早急に把握する

 テスト範囲はテスト前になると、先生が教えてくれると思いますが、テスト範囲をできるだけ早く知りたいところです。テスト範囲はクラスごとではなく、学年ごとに決まるので、そうすると、先生の勝手にはいきません。つまり、複数の先生で、共有してます。これも段取りってことですが、テスト範囲は早めに決まっていることが多いです。先生の側になって考えると、そうでもしないと先生たちも上手く授業を進めていけないからです。というわけで、先生が発表する前から、ぜひとも一度、先生に聞いてみてください。今回はテストでいい結果をおさめたいと思っていて、勉強を頑張りたいので、早めにテスト勉強に取りかかりたい、なので、テスト範囲が決まったら、すぐに教えてくださいなんてことを言えば、教えてくれると思います。そんなふうに先生に聞くのが恥ずかしい人もいると思うので、もちろん強制はしません。でも、なんにせよ、テスト範囲は早めに知れば知るほど、テスト勉強は楽になります。全体量を知ることを、後手に回さないでください。まずやることです。この確認をしないことには先に進めません。

 ② 全体量をテストにかかる日数で割る

 全体量がわかると今度はテストにかかる日数で割ってください。あ、そういえば、テスト前日は余裕をもって臨みたいので、テスト前々日までに全てを網羅しておくことにしましょう。

  全体量➗(テストまでの日数ー1日)

 例として、アオはテストの十日前からはじめましたので、それぞれ教科書やワークのテスト範囲のページ数を9で割るんです。難しいところ、簡単なところ、とか何にも考えないでいいです。とにかくひたすら均等に割る。範囲が45ページなら、一日5ページずつやるってことです。そうすると、テストの先日までに全ての範囲を網羅できます。必ず、一日余白は開けといてください。

 ③ 最後に、割り振ったページ数をスケジュール表に書き込む

 全てを俯瞰できるように、5教科全てのスケジュールを一枚の紙にまとめて書いてみましょう。縦軸に5教科をそれぞれ書いて、横軸に日付を書くだけの簡単なものです。そこに、ある日は何ページから何ページまでやる、とページ数を書き込んでみてください。
 
 僕がアオと一緒に作ったスケジュール表は以下の通りです。

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 はい、これで終わりです。僕がテスト勉強に関して、直接伝えたい方法はこれだけです。簡単でしょ?
 テストはどういう勉強をするのかが重要ではありません。問題の解き方はそれぞれでいいし、自分のやりやすいようにしてください。そんなことは問題になりません。なんとかなるもんです。
 とにかく大事なことは、自分で時間割を作るってことです。スケジュール表を作る。つまり、これが僕が大工の笠井さんから教えてもらった段取りってことですね。それも一日だけでなく、テストに向けた十日間のスケジュール表を作る。僕は1日の予定を日課と呼んでます。日課を継続することで段取りを組んでいくんです。
 日課はいつも同じ量がいいです。そして、できるなら、少し余裕があるくらいが一番いい。100%の力を出す、というよりも80%くらいの力でできることだとより長く継続することができます。あとその日は調子がいいから、とどんどん先までやらなくてもいいです。日課として決めたところまで終わったら、力は余っていても、終わらせていいです。ここで体力を蓄えておくと、翌日もまた楽にできます。その日の力をその日に出し切らないでください。でも一方、ちょっと100%の力を使っても、今日は上手く進めらなかったって時はどうするか。もちろん、土日などの長く勉強できる日に回すのもいいですが、それまで1日5ページやってきて、それなりに上手く継続できたなと思えていたら、この日だけは120%くらい使って、頑張って、残業してみてください。このように時々、力が足りなくなる時があるので、簡単に終わることができた時は、さっと勉強を終わらせてください。その時に溜め込んだ力を、こういう時に使うんです。
 とにかく頭に入れておくのは、毎日、定量の勉強をするってことです。
 人間はムラのある生き物です。生き物であることがムラです。波です。調子がいい時もあれば、悪い時もある。天気の日もあれば雨の日もある。実はどちらも重要で、どちらもあることで僕たちは生きていくことができます。だから波のまんまに生きていくことも大事です。波は波で意味がある。しかし、その波のまま、ムラのままに動いていると、決めたことを終わらせることはできません。でもそれはそれでいいんです。そういう人生もありです。僕自身も自分の心の波、体の波に自由にやらせて生きていくことも大好きです。しかし、確かにそのやり方だと何事も終わらないし、完成はしません。それでいいんだと思った事柄についてはそのスタイルでやってます。
 その逆もまた然りなのですが、つまり、決めちゃうと、全て、本当に終わります。完成します。

 スケジュール表を書いたみなさんはもう必ず、スケジュールを終わらせることが確定しているのです。

 もちろん、それが無理なスケジュールではないという条件はありますが。大体、10日間、本当は二週間くらいあると、無茶苦茶楽だと思いますが、それくらいが、今の中学生のテストの範囲だと僕は思います。だから、全体を9で割ったページ数くらいなら、5教科全て1日にできるんじゃないかと思います。もちろん、5教科を二日で終わらせてもいいとは思いますが、僕としてはいつも定量がやはり体の調子を整えやすいので、5教科を毎日勉強するにはどれくらいのページ数でやればいいのかってことを考えてみた方がいいんじゃないかと思ってます。
 一つ、決めたことが終わると、それで、気持ちがいい感じになります。
 毎日、適当に先生から渡された宿題をやるのでは、満足感はなかなか得られないのですが、自分で組んだ段取りの一部を一つ終わらせると、とても楽になります。
 これは何度も言っていることです。宿題には全体量がありませんが、段取りを組んだテスト勉強の1日分は、全体量の9分の1なので、一つやると、その分、完成に近づくと実感しやすいからです。やっていることは似ているように感じますが、そこで得られる感覚は全く別物です。
 できるだけ目に見えるような形にしてください。
 その一番の方法がスケジュール表を書くってことです。
 これが段取りってことなのですが、段取りとは頭の中で考えることではありません。段取りとは、体の中に頭の中にあるものを外に出すってことです。
 だから、段取りは必ず紙と鉛筆を使ってください。実際に段取りは書いてください。書かない段取りは段取りではなく、あくまでも想像の世界です。
 想像の世界は常に変化します。常に忘れます。常に覚えておかないといけない。体として負担が大きすぎるんです。
 人間ってなぜ物が止まって見えるか知ってますか?
 カメラだったら、移動するときに、残像が残っていたりするじゃないですか。でも人間の目には、全ての輪郭がはっきりと見える。
 これは嘘だからです。本当は輪郭ははっきり見えていません。どれもが動いているので、実際は残像だらけの映像が目には映り込んでいるんです。しかし、それだと混乱するじゃないですか。だから、目は補正をして、過去の記憶をもとに、それこそ15秒前くらいまでの記憶です、その記憶の映像をもとにおそらくこんな形なんだろうと、今見えている世界を作り上げているんです。
 これと段取りの話がどう繋がるのかって? 
 僕もよくわかりませんが、思い切って、外に書いてみました。
 要はスケジュールも頭に入れているだけじゃ、残像だらけの何かヘンテコな絵みたいになってしまうので、理解することができなくなるってことです。
 だから、とにかく頭の中で考えないこと。勉強するときはできるだけ頭を使わないようにしましょう。ただでさえ、生きることに必要のないことなんです。勉強って。ほっとくとすぐに怠けてしまいます。ドラマを見ちゃいます。だって、ドラマの方が、そのエンタメの方がみなさんが生きていくためには喜びとして必要なので、どうしても勉強よりもドラマに向かってしまうんです。向かった気持ちは向かわせておけばいいんです。そうすると喜びが発生します。喜びを感じると体が元気になります。体が元気になるとなんでも上手くいきます。

 体に良いことをしましょう。喜びを感じることをしましょう。
 宿題なんかやっても喜びを感じないでしょう? 宿題やるくらいなら、全部自学をしますとか言って、自分で決めた段取りに従って、テスト勉強をノートに書いて、宿題として提出する方がいいです。それだと、段取りも完成に向けて終わらせることができるし、宿題という楽しくないことも同時に終わらせて、お得感が強く、これも喜びに繋がります。
 宿題を終わらせても気持ちは上がらないのに、決めたスケジュールに従って段取りを消化していくと嬉しいのは、やっぱり自分で決めたことを終わらせるのは喜びを感じるからです。
 どうやったら喜びを感じれるようにするのか。
 勉強が楽しくない、と言っていてもつまらないです。そのまま体だけ大人になって、仕事がつまらないと言う人になってしまいますよ。
 そうじゃなくて、どうすれば喜びを感じるのかってことに注目するんです。
 まあ、勉強は楽しくありません。でもテストで学校で一番とったら、なんか嬉しいんですよ。それはわかるでしょ?
 しかも、学校のテストで一番取るのは超簡単です。学校で習ったことを全て、間違いなくできるようになれば、必ず一番になれるんです。
 みんなは学校のテストですから、先生の段取りに従ってやってます。だから、エンタメとしての勉強です。本気度が違います。そんな環境ですから、自分だけ、本気で仕事としてやれば、すぐに一番になれます。別にテストで一番になることが偉いわけでもなんでもないですよ。どうすれば喜びを生み出せるのかっていう実験なんです。

 喜びを自分で生み出し、継続することで強く感じれるようになっていく。

 これこそ、みなさんが自立したあと、自分で会社を起こし、一人で生きていくときに一番重要になる方法論です。
 だからそのための実験として、修行として、訓練として、テストを好き勝手に活用していこうぜ、と僕は言っているんです。
 それはとにかくスケジュール表を書くだけで終わります。そのスケジュールが無理なく、あなたの体に合ったものなら、本当にテストで一番になれるでしょう。自分の体に合った時はすぐにわかります。1日、段取りに従って勉強して、体がキツくなるか、程よい疲れか、どっちかが必ずやってくるので、きつい時は、次回のテストはもう少し早めにスタートしてみてください。二週間もあれば誰もが余裕のスケジュール表を作ることができると思います。とにかく勉強よりも先に、何よりもスケジュール表です。つまり段取りです。
 これが完成し、しかも目に見える形になって、机の前の壁に張り出すことができたら、もう八割方完成です。
 あとはその予定に従って、毎日定量こなし、こなすために喜びを感じるかをチェックして、喜びを感じるはずなのですが、その喜びはまた明日の定量の勉強の励みになるでしょう。
 目的地を設定し、そこまで少しずつ進ませていく。スケジュール表を作ったみなさんはもう、時間割を毎週先生から渡されるみなさんとは全く別の人間になってます。
 時間をコントロールされる存在から、自分で時間を作り出す存在へと変貌してます。
 その時、コントロールされる時間と、作り出す時間が全く異なる時間だと感じてくれるはずです。
 実験に、今度の日曜日、試してみてください。
 実験1は何も考えずに、ただ日曜日を過ごしてみてください。
 次の週は土曜日の夜何時に寝て、日曜日の朝何時に起きて、そこから何時に朝ごはんを食べて・・・みたいに日曜日の24時間を全て円グラフに書き出してみてください。
 それで、過ごしてみてください。
 予定を立てなかった時には何もしなかったみなさんが、円グラフに描いた予定の全てを簡単にやり遂げているのを自分で実感できるはずです。
 体の中の予定は予定ではありません。予定は紙と鉛筆で書いてはじめて予定になります。
 紙と鉛筆に書いたことは事実になります。スケジュール表に書いたことはそれが無理な設定でなければ、必ず完成させることができるんです。
 それは僕自身が毎日やっていることでもあります。
 最後に僕の仕事の話を少しして、スケジュール表を作る話を終わりにしましょう。

 僕は仕事をしてます。僕は自分で株式会社をやってます。そこの社長です。社員は他に妻だけが働いています。
 僕の仕事は、最初にもお伝えしたように、まず本を書いてます。そして、絵を描いてます。そして、音楽をやってます。あとはいのっちの電話という09081064666、つまり僕の携帯電話番号を公開して死にたい人からの電話を受けてます。まあ、仕事といえばそれくらいです。仕事ですので、それでお金を稼いでます。
 本について。本を書こうと思うじゃないですか。本ってテストとは全然違います。まず書こうと思っていることはどんなことかわからないまま書き始めます。答えがありません。決まりもありません。僕の場合は誰かから依頼されて書くわけじゃなく、思いついてから突然書き始めるので約束も締め切りもありません。全てあやふやです。そんな状態で、この前は、原稿用紙2000枚の長編小説を書き上げました。みなさんも時々使っているあの原稿用紙です。400字詰めの。もちろん、手書きではなく、全てパソコンで打つので、実際には原稿用紙2000枚が家にあるわけじゃありません。80万字くらいの小説をパソコンで書いたってことです。
 何も考えず、ぼんやりと2000枚の小説をかける人はほとんどこの世にはいないでしょう。一生書くことは難しいはずです。
 しかし、僕は毎日10枚の原稿、つまり4000字の原稿であれば、さっきみなさんにもお伝えしたように、1日の作業としては80%の力でできるんですね。そこで、カレンダーに毎日10枚ですので、月曜日10枚、火曜日20枚、水曜日30枚・・・と10枚ずつ足していく枚数を書いていくんです。やることは本当にそれだけなんです。それを200日続けると、みなさんはテスト勉強10日間でしょ、僕は200日続けるんです。そうすると2000枚になります。一生かかっても、誰にも書けないような2000枚の小説が、なんと段取りを書くと、200日で終わるんです。なんか嬉しくないですか? 絶対実現不可能だと思っていることでも、1日に80%の力でできることを継続することで、ありえないこともできるようになります。
 そのために必要なのが、1日の定量です。みなさんがどれくらいの力を持っているのか。あなたの力の80%は一体、どれくらいなのか。
 そのことを計測するいい機会になるのがテスト勉強なのです。
 
 ちなみに僕の1日の定量は、

 ①本 原稿用紙10枚の原稿
 ②絵画 一枚のパステル画
 ③音楽 一曲、新曲を作曲し録音する
 ④電話 三十人の死にたい人からの電話を受ける

 です。最初は10枚原稿を書くだけで、ひいひい言ってましたが、今ではこれだけを80%の力で毎日継続することができてます。
 つまり、1年間に3650枚の原稿、365枚の絵、365曲の音楽、10000人の死にたい人の電話を受けているんですね。
 定量は訓練すればするほど伸びます。どこまでも伸びます。人間に不可能なことはあるかもしれませんが、段取りを組めば、あらゆる不可能が可能になります。
 なぜなら、1日の定量が決まると、人間はそのように体を変化させていくからです。
 それは喜びのためです。義務ではありません。お金のためでもありません。
 はっきり言っておきますが、人生はお金ではありません。お金を稼ぐためだけにつまらないことをしても人生つまらないだけです。
 大人になって切り替えることはできないので、ぜひみなさんも中学生のうちに、これを頭に入れておいてください。
 なんのために仕事をするかって、これからあなたたちはテストで好成績をおさめて喜びを感じるのですが、
 それ以上の喜びを見出し、手に入れるためです。
 それ以外にないっす。これまじっす。お金のためではありません。お金を持っていても、親友がいなければ喜びはありません。
 喜びを感じていないのに、人を助けることはできません。喜びを先に知ることです。そうしないと人助けに意識が向きません。人を助けるとどんどん親友ができます。それはあなたの人生を本当に心から楽しくさせてくれるでしょう。そうすれば、あなたはもっと人助けをしたいと思います。
 そして、この喜びの種みたいなものを、これからあなたは自分が決めたスケジュール表に沿ってやるという行為だけで味わうことができるんです。
 そして、いい結果が必ず出るんですが、なぜなら全ての範囲を網羅するからですが、しかも、1日空けてますから、二度も帰り道を歩けます。
 今、アオが学校から喜んで帰ってきました。
 テストの結果が思った以上によかったみたいです!とても嬉しそうな顔をしてます。
 そうです。この喜びです。自分で決めた時間で、時間を生み出し、その時間の中で、自分なりに動く。
 これには塾は叶いません。自学に勝る勉強はないんです。
 そして、人生のための塾もありません。
 人生を遠く見るとき、とにかく自学の技術を高める以外に道はありません。
 しかも、それは他では得ることのできない喜びを生み出します。
 この喜びこそ、生きる原動力なのです。

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