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推しカプ香水を作ってもらった話

kyo3

香水屋さんはとんでもないものを盗んでいきました
それは私の心です

京

noteでは二度目まして。京と申します。普段は余暇とお小遣いの大半を二次創作の小説に費やすかTwitterでぼちぼち妄言を吐いてる普通の人間です。突然ですが皆さんは、推し、もとい推しカプを感じたいと思ったことはありませんか？ふと文房具やアクセで推しカラー・モチーフの物を買ってしまったり、この色だけは左(右)に置きたいとこだわったり…私はあります。なんならこだわりすぎて部屋が左右で黒白に分かたれてしまいオセロ状態です。友人を招いた際に「葬式の時の垂れ幕？」と言い放たれたのは記憶に新しいです。まぁでもしょっちゅう死ネタを書いているので喪に服しているのかもわかりません。

何にせよ、思わず無意識に買い求めてしまうのは「推しカプを感じたい」という意識が潜在的に在るのでは？と思い当たった私はこう思いました。
推しカプに殴られたい。…すみません、誤解を招く言い方をしました。私は彼らのサンドバッグになりたいわけではなく、推しカプが在るのを感じたい。他人の解釈で殴られたいのです。
…とはいえ、これを他人に言おうものなら友人が減るのは間違いないので日々葛藤を抱えていました。
しかし時は経ち、今や現代は豊富かつ多種多様なサービスが溢れています。そう、推しカプ香水です。前置きが長くなりましたが、これはそんな気が狂った限界同人女による推しカプ香水レポです。参考になれば幸いです。


0.前提編

今回レポ内に推しカプ、もとい推しの名前は出しませんが(というか香水屋さんの規定上出せない)のですが知っておいていただけると分かりやすいかもなので概要だけおいておきます。布教の意味もあります。

世界観:めっちゃファンタジー、大陸ごとに文化や属性が(大体)分かれている。推しカプは東の大陸(森や自然が豊かで和風・中華な雰囲気)在住。
ちなみに東の大陸は森の後継者問題でざわつき、知略と悪意が巡り、その中で新たな勢力が森を潰さんと襲うみたいな洒落にならん状況下にあるんですが、推しカプはそれらに関係がなく普通に殺し合ってます。ヒードランかよ。

前提:先に述べたようにバチバチの宿敵関係。しかし仲間が居るわけではなくマジで1対1で生まれる前から殺し合う運命が決まっている。運命の赤い糸も真っ青。しかしその関係の癖して双方の口上は気楽な友人を思わせるようで複雑。

攻め:ヴァンパイア。飄々とした悪役。黒い獣に変身する能力を持つ。人間を下等とみなしており、受けとは永きに渡って対立しているがどこか友情のようなものを感じている面もある。(公式紹介文一部抜粋)

受け:ヴァンパイアハンター。凛とした正義感が強い爽やか青年。白い獣に変身する能力を持つ。攻めを宿命の敵として定義している。(公式紹介文一部抜粋)

この前提を書いているだけでシンプルに興奮してきましたが、大体こんな感じです。よろしくお願いします。


1.注文編

今回お願いしたのはこちらのscentlyさん。

香水を頼むにあたって、色々とサービスを調べたりはしたのですがこちら、なんと推し「カプ」香水が作れるとのことが決め手となりました。嗅ぎたい　推しカプ。あの二人の空気感を為す香り　嗅ぎたい。

サイトに飛び「さっそく香りオーダーシートを書いて始める」を選択。質問に答えていくタイプなので答えやすくて助かりました。何を言うか自分でも分からないから。今回は自ジャンルの二次創作イベントでの頒布も視野に入れていたので普段使いではなくキャラの概念表現を優先していただきました。

…何が怖いかって言うと、何を記入したかまるで覚えてない。多分興奮しすぎてたんだと思うんですが、自ジャンルをどう説明すれば？！と友人に泣きついたら「RPG風ファンタジーカードバトルゲーム」と返って来たのでそのまま使わせていただいたことしか。もし同士が居てジャンルの説明に困ったら使ってください。
ただ、「獣に変身して殺し合う二人をお願いします」と頼んで獣の血とか送られてきても困るのでちゃんと説明をさせていただきました。

わかるひとにはわかる

一度語り始めればノンストップガールとアンストッパブル、先行直線◎を取れる厄介オタクと自負していますが、何せ自由記述欄の最大字数は999字。簡潔にシンプルにわかりやすく、それでいてこだわりを。字書きの腕が鳴るぜ。
またこれらのオーダーシートは送信後は注文者側から見えないのでスクショを取るかメモをしておくことをお勧めしておきます。私は撮りました。ちょっと恥ずかしいので全文掲載は出来ませんが、もしこのnoteを読んで「注文してみたいけどオーダーシートの書き方が分からない、参考にしたい」などあればお知らせして頂ければ相談に乗ります。
また、苦手な香りや「こうしてほしい」というこだわりも書けるので全人類やってくれ。マジで。

そんなこんなで必要事項を記入して送信・注文・決済。
これだけで2時間溶けた。汗メチャ出た。

2.愚かな人間編

唐突に毛色が変わってしまいましたが、違います。幕間みたいなものです。
今回この香水は自ジャンルの二次創作イベントでの、頒布も視野に入れている、といいましたね。
香水を注文した当時、イベントギリ3週間前。さて、注文してから調合して貰って手元に届くまでいつか。公式さん。

Scentlyさん「まちまちですが大体3～5週間後ですね」

さっ…ササササササンカラゴシュウカン？？！？！？！、！？！？？？？！
間に合わんが？！？？！？！？？！？(当たり前)

人生で一番計画性の無さを呪いました。ホントバカ。何を躊躇ってたんだ1年前の俺。とっとと動けバカ。テメェは俺なんだから買うに決まってんだろ。

しかしながら他の方のレポを読んでいると「1週間弱で届きました！」「2週間で来たぜどうなってやがる！！(歓喜)」という声もあり、私は泣く泣くイベントがあり、それに間に合わせたい旨をメールでお伝えしました。これで断れたら諦めよう。いや断るだろこんな無茶ぶり。

私「オーダーシートに描きそびれてしまったのですが実はイベントが3週間後で…難しい所かご無理を申し上げるようですがなるべく早く配送の方をして頂けるとありがたいです…」
Scentlyさん「承知しました！せっかくの機会ですもんね！イベントに間に合うよう可能な限り対応させていただきます！」

は？

待って


神かよ

惚れるが？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？？

香水屋さんはとんでもないものを盗んでいきました
それは私の心です(伏線回収)
初恋をした瞬間(とき)、幼稚園でも中学生でもなく””今””だわ。倍の値段を払わせてくれ。そういうサービス無いんですか。

当然の事ですが、皆さんは余裕をもって注文しましょう。今回はたまたま通りましたが、繁忙期だったりする可能性もあったので…。クソ…このご恩を返す方法が注文しまくることしかないのが歯がゆい。次も頼もう。信頼が出来る人だこの人は。ガチで向き合ってくれてる。結婚してくれ。

3.届いちまったよ…”ブツ”がよォ！編

いよいよ本性を隠さなくなってきましたが、届きました。本当に早かった。

ヤベェ


それでは開封してみましょう。


あ、あああ、ああああ…

お、推しカプのイメージカラーだ！？？？？！！
イメージカラーについての質問は「黒(赤)、白(青)」としか答えてなかったので間を取って紅白で来られたらどうしよう…おめでたすぎる…とか思ってたんですが私の頭がおめでたいだけのとんだ杞憂でした。二人の色が混ざり合って、美しいグラデーションを成している…ハ？？？気が狂うが…？？
ちなみに色はカラーコードでも指定が出来るそうです。ヤバ。
左は香水のボトルで右はレター。香水の解説が載っています。見ましょう。


解釈

内側にもグラデが施されています。オタク心を理解しすぎている。
どうやらトップノートで攻め、ミドルで受けに、ラストノートで二人の香りになるそうで。

いや

本気で殺しに来てんじゃねぇか。

なんだよこの三段構え？？！？？！右フック左フックストレートをキメるな！！！！！！！！！！！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！！！！(情緒不安定)

動機がヤバいですが解説を見ていきましょう。TLやスペースでも騒ぎすぎて「うるせぇ女」と呼ばれたあの惨劇を繰り返してはいけな

「上品であるが飄々とした人物であると解釈しました。ラベンダーの香りは優雅で上品な香りが特徴的です」

ラベンダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー？！？？！？？？！？？！？！？！？？！？？！？！？！？？！？！？？？？？？！？！？？！！？！？！？！？？！？！？？！？！？

え？ラベンダーってあの？あの…安らぎの代表格の？え？攻めってラベンダーなの？あいつが？人を煽って揶揄ってけらけら笑うような、あの？え？アイツが？(不敬)(失礼)

…失礼、取り乱しました。あの解釈からラベンダーを選び取るのか…！となってびっくりしてしまった。左ページを見ていただければ、もちろん他にも”攻め”を構成する香りの数々が描かれています。攻めを表現するのにコリアンダー(パクチー)にメチャクチャ”理解”る…って頷きました。クセがあるんだよ……月桂樹…月桂樹…森…殺し合ってる…森…？？？
助けてくれ　プレーリードッグみてぇな叫び声しかでない。

受けも見ていきましょう。
純粋な雰囲気！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ミュゲ！！！！！！！！！！！！！！！！！

すみません、一文一文がぶっ刺さってしまって…。そうなんだよ…受け、純粋なんだよ…石鹸なんだよイメージが…そうなんだよ…ミュゲってすずらんなんですね…かわいいね…青年…まってこの次来るのお二人の香りじゃマテ心臓心臓持たな

最後に、「お互いがお互いを殺し合う運命」であるが、「その関係は奇妙な友情めいている」というお二人には「信頼」という花言葉を持つジュニパーベリーの香りもきっと似合うでしょう


…放心してました。しんらい。あの二人って”信頼”してるのか。信頼なんだ、あの二人の間に横たわる独特の雰囲気は、空気感は、友情と呼ぶには憎が混じり、かといって断じるには情が混じるあれを人は”信頼”と呼ぶのか。いや

最高だな？？？？？？？？？？？？？新刊が出るが？？？？？

すみません、ここまでで4000字に到達していますね。いい加減香りの実況に入ります。本題です。

ぷしゅ、と吹いた瞬間。癖のあるスパイシーながらもどこか苦みと甘みが交じり合った複雑な味わいある上品な香りが。けど上品なのに、お高く留まっている感じが無く、上品・高貴さを持ち合わせながらもどこか飄々とした狂気性と少年らしさのような、宿敵に情を抱く歪さと感情の複雑さがあって、全てが情緒を狂わせてくる。気が狂う。せ、攻めだ…攻めがそこに居る…

やがて時間がたつにつれ、攻めの残り香を追うように爽やかな香りが鼻をくすぐりました。トップの攻めの香りが残ってるから宿敵を追ってきてる受けのイメージとも思えるし、もしくは受けの根幹を成している部分が攻めなのだとも取れてマジでブチ上がります。トップノートから移り変わる瞬間が”アイツを追ってる”とも取れるのが　いや　本当　助けて。

受けの香りは爽やかながらもミュゲの柔らかな爽やかフローラルというか透明感のある優しい香りで深く頷いてしまった。純粋。ミュゲ。そう。そうなんだよ。香水とは感じさせないほどの自然な香りで、青年で、どこまでも受けで。先程の攻めとはまるで対立的なのが刺さる。こんなに、こんなに色を変えるの。ねぇって。

嗅いでいると最終的に突然柔らかな香りが突然牙を向くように変わった。
え、何？！？？？！ってなった瞬間にさっきぶりのスパイシーでスモーキーな香りが香って、え、待って攻めじゃん！？？？？！？？おかえり？！？え、でもまって、ちゃんと受けも居る…？！まって、これ…ふ、二人の香りだ？！どこまでも奥深くて、攻めが戻ってきたとも言えるのにちゃんと受けも居るというかマジで「ふたり」で気が狂う。マジでブロマンス　さっきまで受け単体だったら爽やかで優しいのにそこに攻めが加わった瞬間バチバチにスパイシーで複雑で”空気感”になるの　ウ、ウワ～～～！！！！！た、闘ってる！！ライフワークしてる！！
それからどんどんと奥深くなって、複雑な関係性が、互いが最期に強く香る　駄目だ　気が狂う～～～！！！！！！！！ってなった瞬間に

最期の最期で、ふわっと苦さとスパイシーさが抜けて深い”甘さ”が混ざった愛の香りがして　僕は何も言えなくなった

これがジュニパーベリー


信頼


ありがとうございます　幻覚がメチャクチャ鮮明に見えました。受けが抱きしめられてたような気がしますし、最後にどんなに憎まれ口をたたいていても相手が愛おしくて仕方がないって、そんな笑みを浮かべてた。そしてそれをうっかり目撃したモブの気分です。最高です

感想

最高でした。気付いたら5000字書いてた。バカ？
マジでよかったです。布団に吹きかけて事後だ！！！！！って叫びました。いや本当に最期に甘い香りが来るんですよ。お付き合いいただきありがとうございました。概念香水、おすすめです。
私はこれから攻めと受けを一本ずつオーダーしたいし、他の推しカプでもオーダーしたいですし、なんならこの香水を追加で頼む心づもりです。それでは。

おまけ

ジュニパーベリーのこともあって、他の花言葉について調べたんですが

ラベンダーが「あなたを待っています」で森の奥深くで宿敵が自分を殺しに来るのを待っている攻めを見出し、受けのすずらん(ミュゲ)の花言葉が「純粋」「純潔」で唸ってたら「幸せな再会」で変な声出て爆発しました。


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