J2視覚化計画2024〈第17節〉

#J2視覚化計画2024

首位清水、2位長崎が勝って試合数×2を超える快走ペース。今節勝利した横浜FC、岡山がこれを追う。その後ろはズラッと縦長に伸びる展開。下位3チームとも勝点1を得て、これを反撃に転じるきっかけにしたい。

J2予報士 夢叶のJ2天気

みなさまごきげんよう。「J2天気」のキャスター・J2予報士の塩鶴夢叶（しおかく ゆめか）です。早いもので5月最後の週末となりました。あと2節で対戦が一巡して今季のJ2前半戦が終わります。そういえば今季からJ1、J2、J3全チームが参加するルヴァンカップは、J2勢から唯一長崎が残っています。2週間後にプレーオフラウンドとなりますので、長崎（といわき）の前半戦消化が遅れます。

今週まずは栃木の概況から。田中-柳下体制で降り続いていた雨が止み、雨のち曇りへと回復中です。今節は敵地・愛媛に乗り込んで小林伸二監督の2試合目。タイトで献身的な守備で相手のチャンスの芽を摘み、ボールを能動的に動かしながら敵陣に攻め入るスタイルは「小林伸二色」が色濃く出ていた気がします。ボールを奪われても、サボらず奪還にかかるしつこさは、19位に低迷するチームには見えませんでした。課題は攻撃面ですが、南野選手の惜しい場面もありましたし、高さ勝負ができるタレントもいますし、1つ結果が出れば大きく天候が快方に向かう可能性を感じます。

一方の愛媛は曇り。5月に入って勝てなくなり、前節は千葉に7失点。大敗を喫した後で、栃木相手に少し慎重になっていた印象です。石丸監督は試合後「あまり内容がなくて申し訳ない」と語っていますが、栃木のタイトな寄せの前に攻撃の糸口をつかめませんでしたね。序盤戦で躍動していたサイド攻撃も他チームから警戒されつつあります。逆にいえば昇格組だからと侮られず、相手から対策される立場になったということ。後半は石浦選手を中心に少しずつチャンスを生み出せそうでしたが、モチベーションの高い栃木の守備を上回れませんでしたね。でも何とか無失点で終え、7失点ショックを振り払えた点は前向きに捉えたいところです

千葉は曇り一時晴れ。前節・愛媛に7得点圧勝の勢いでリーグ最多得点チームとなり、2位長崎との“攻気圧”対戦に臨みましたが、結果はロースコア0-1での敗戦。ただ、内容は悪くはないと思います。特に前半は千葉のハイプレス旋風が吹き荒れ、押されまくったのは長崎の方。前半アディショナルタイムに訪れた小森選手の絶好機を外してしまったのが痛恨でした。逆に長崎は直後にワンチャンスをモノにして得点。決めきるか外してしまうか、紙一重の差が大きな差になります。後半はリードした長崎が余裕を持ってバランスを整えたためチャンスが遠くなりましたね。今のスタイルですと、やはり先に点を取ることができるかどうかが上位グループ進出のカギになりそうです。

甲府はどんより重い曇り空。ゴールデンウイーク以降は黒星が先行する状況で、今節は上位横浜FCを迎えました。リーグ最少失点の堅守・横浜FC相手に挙げた先制点は、ファビアンゴンザレス選手が中央で収めてウタカ選手に繋ぎ、一気に抜け出したフィニッシュをアダイウトン選手が押し込むという「助っ人トリオ」3人の能力で崩したもの。J2では規格外の攻撃力を見せつけましたが、守備面ではクロスの出し手への寄せが甘く、似たようなパターンから2失点の逆転負けを喫しました。これで6試合連続の複数失点です。木村選手や三平選手など主力の怪我離脱も増え、苦しいチーム事情ですが、前線の外国人トリオの破壊力は抜群。そのため、チーム全体のバランス大気が不安定になっています。

仙台は晴れのち曇り。5月の4試合をすべて1点差勝ちの4連勝の好天の中、今節は岡山を迎えての上位対決となりました。序盤からジャッジの“アヤ”もあり、PKを得て先制したものの、すぐさま失点。その後岡山の秩序だった守備を崩そうと長短織り交ぜて攻撃を試みましたが、後半開始直後に失点。さらに岡山のパワフルなカウンターに失点を重ね、接戦をモノにしてきた勝負強さはどこへやらの4失点。晴天はにわかにかき曇ってしまいしまた。清水、千葉、そして岡山と上位の力のある相手には失点を許してしまっており、目に見える課題です。攻撃面は、クロス攻撃も中央突破も、短くつなぐことも長いパスを飛ばすこともできる器用さが仙台の持ち味ですが、相良選手のミドル以外のスベシャルな武器がほしいところですね。

【発令中の警報・注意報】
なし

【対戦相手への警戒・注意情報】
〈清水〉独走警戒情報
〈長崎〉15戦負けなし継続中

次節はもう6月です。折り返し地点が見えてきました。ではまた次の週末にお目にかかりましょう。この下の有料ゾーンに特になにもありませんが、ご支援大歓迎です。